GOING サブマリン 3
僕は無事、指定されていた洞窟にたどり着き、
ノットじいちゃんの相棒、タコの魚人パスカルとの出会いを果すのであった。
(トム坊やよ〜おまえさん今いくつだい?)
ふいに、パスカルに聞かれた。
(今は6歳だよ、パスカルは?)
(オレは、人間で言えば50くらいや!)
パスカルは50歳!正直、タコの年齢なんて見た目じゃわかるわけもない。
(じいちゃんとは、いくつぐらいの時に知り合ったの?)
(ノットと俺のラブストーリー!〜知りたいかい?坊や)
(うん…聞いてみたい! ラブじゃなくて! 昔のじいちゃんの事)
(フン!よく聞きや!)
今から40年前の話…
当時はまだ人間と魚人の小競合いが、至るところで起きていた。
ある時起きた、小競り合いに魚人側で加わっていたパスカルはその時不覚にも、負傷し自らの手足の4本を失っていた。
深手をおおっていたために、身動きがとれなかったパスカルは、なんとか逃げるも途中で力尽きてしまう…
そんな時、郵送の仕事で回っていたノットが
偶然にもパスカルを発見し、暫くの間手当をしてくれたという。
しかし…パスカルは魚人側の者!
初めは…
(お前!人間…俺は魚
それに!人間に助けられたとあっちゃ〜、俺の立場もねぇ〜、人思いに殺してくれ!)だの
(お前はバカなのか?なぜ俺を助ける?)だの
駄々をこねていた。
そんなある時!ノットはそんなパスカルに口を開いた。
(俺は、世間で起きてる小競り合いなんて興味ね〜、そんな事より一緒に人生楽しまね〜か?)
(ば!ばっかじゃね〜のお前!)
ふと言われた一言だったが、パスカルにとっては
嬉しい一言であった。
(な〜にニヤけてんだよ〜気持ち悪!タコだがら余計に気持ち悪!)
(なんだと〜タコを舐めんなよ〜)
(舐めるより焼いたほうが美味そうだ!)
そんなこんなで、徐々に仲良くなっていったそう。
(へぇ〜やっぱりじいちゃんは、カッケ〜!)
(馬鹿たれ!トム!、タコの俺が…まぁ〜いいか!)
(まぁ〜かっけぇ〜よな!、ノットの奴は人間と魚人の仲を取り持とうとして、今あるSQスーツとポッドを開発したんだぜ!しってたか?)
素直じゃないタコも可愛い。
それを聞いて僕はとても驚いた!
まさか、あの素晴らしいスーツを作ったのがじいちゃんだったとは…なるほど!
だからBOXにあの設計図が入っていたんだと思った。
それから、パスカルの足が4本しか無い理由も今の話で理解できた。
(とりあえずトムよ!今から見せたいものがあるついてこい!)
なんだろう?ちょっとワクワクしながらパスカルの後についていく。
はじめ、入った時は薄暗くてわからなかったが、
奥に進むたびに、広がっていることがわかった。
(ここや!)
パスカルは立ち止まり壁に付いてるボタンを押す!
最初に見た扉のように重そうな扉が開く!
(う!まっ…眩しい!)
扉を開けた瞬間まばゆい、青緑色の光が瞬く。
(で!でけ〜)
思わず声に出てしまった。
(フフ!凄いやろ!
SQスーツや、日々の生活で使われてる
電磁シリンダーよりも、数倍大きい代物や!)
「電磁シリンダー」
水中に生息する、電磁バクテリアを濃密に圧縮し
シリンダー内に収めた物
小型の物で、半日は持ち
半日経てばまた使えるようになる。
(電磁シリンダーの大型版ってとこやな!
通称、メガシリンダーや、まだ開発段階!
ワイはここでこいつの研究をしていたんや!)
メガシリンダー!確かにこれが使えるようになれば
とてつもないエネルギー源になることは間違いないだろうと思った。そして何より、とても綺麗だ。
(パスカル!このメガシリンダーは何に使うものなの?)
気になったので聞いてみた。
(フフ!こいつはの〜、ノットの設計図にあった、新型ポッドのエネルギー源になるんや!つまりは、こいつをポッドに組み込むっちゅ〜こったな〜、骨が折れるわい!)
その話を聞いた途端、凄いワクワク感が止まらなかった!
(凄い!これを組み込んだポッドで走る水中はどんななのか今から楽しみだよ!パスカル!)
(フフ!ワイもや!、手紙にある通り完成させて
あの世のジジイに見せつけてやろうやないかい!なぁ〜トム!…いや!トム・リガード)
(うん!)
ちゃんと名前で呼んでくれた事が嬉しかった。
第4話へ!潜航
https://note.com/preview/n02784ab3d4d1?prev_access_key=2f053752ea2e7da1b4e91e026f3c5dfc
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