GOING サブマリン4
パスカルに名前で呼ばれてから、もう10年が経つ。
僕も16歳になった。
パスカルは60歳くらいか、未だに年齢不詳…
ポッドの制作も80%くらいまできていた。
じいちゃんのポッドを上手く操れるようにと、僕は郵送のアルバイトもはじめていた。
郵送で使うポッドは、一人乗りの小型で、左右羽があり上下する事で旋回できる乗り物である。
小型ながら水中で30キロは出せる代物!
じいちゃんが作った、はじめのポッドシリーズでもある。
念のため護身用に、7.7㍉単相機銃が一挺そなえつけてある。
エアーズマリモの、光触媒の供給により
生命維持装置が半永久的に稼働している。
これを発明したのも、じいちゃんだと知った時も
心臓が飛び出るくらいだった。
はじめは大変だった!なにせ設計図の細かさと
厚さが異常で目を通すのがやっとだった。
材料費に関しては、じいちゃんの隠し金庫があり
そこには全額ポッドの材料費へと、メモまであった。だからお金に関しては問題はなかった…が
1つ、ボディーの材料に、メガロシャークの鱗を使うとあり、それを野性の物から取って来るというのが
とても大変だった。
メガロシャーク。このプラネットオーシャンに住む、大型ザメの一種!
凶暴で、しかも速い!
鱗の取り方は、一度メガロシャークを怒らせて
壁や岩などにぶつけさせて取る方法と
オススメはしないが、刈り取ってから剥ぎ取る方法がある。正直!僕らには刈り取る力は持ち合わせてなかったので、最初の方法で鱗を集めていた。
メガロシャークの鱗は、銃弾も弾くと言われるほど強力で柔軟性もある素材!
1枚売るだけで、結構な額になるレア素材だ。
運が良ければたまに落ちている事もあるそう…
一方、パスカルの方はあのメガシリンダーであと少しの所まできていたが…
(クッソ〜!またや!エネルギー量は半端ないのに!それに耐えうる熱量が多すぎてオーバーヒートしてまう!)
メガシリンダー…あと一歩の所で苦戦していた。
(どう?パスカル、シリンダーのテストは)
パスカルのイライラがつたわる。
(駄目や駄目や!ソケットが熱量に耐えれなくてこれ以上進まん…どうしたらええのか〜)
どうやら、メガシリンダーから出る熱量が問題らしい。
(パスカル!そのソケットってのは、他に何かで代用できないの?)
(なくは無いんじゃがな…危険や!とてもウチラには歯が絶たないで!)
危ない橋らしい…けど…
(方法があるなら教えてパスカル!)
仕方ないという顔でパスカルが、眉間にしわをよせる。
(レッドリヴァイアサンや!…噂によると…スクエア5の珊瑚礁帯にある洞窟に潜んでいるらしい)
レッドリヴァイアサン、狂暴でとても長い体をしていて海の海龍とも呼ばれる。
攻撃の際は水の中でさえ、火を吹くことができるらしい。
(で?そのレッドリヴァイアサンの何が必要なの?)
(奴の体にある、火袋を手に入れる事が出来れば…
じゃが…本当に危険な海龍じゃ!
一歩間違えればあの世行きじゃぞ!
、あのポッドの7.7㍉じゃ致命傷にはならん!)
パスカルの言う事に頷くしかなかった。
どうしたものか…その日は頭の中でぐるぐると考えながら、郵送のアルバイトへと向かった。
レッドリヴァイアサン!
全長30メートル以上の大きな海龍…
潮の流れを操り、餌を自分のテリトリーに持ち込み食す!
火を吹く直前に、水中の水を一定以上飲み込む事がある。
主な好物は脂の乗ったふっくらした魚
何か手立てはないかと、赤いポッドを見ながら考えるのであった。
第5話へ!潜航
https://note.com/preview/n53c64e3b6093?prev_access_key=4489bc8abf6d15bf56b82ca2e8b20592
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