エンジニアが開発中のプロダクトを把握するために行ってみたこと

事の発端

今の自社プロダクトの会社に入って結構月日がたったが、前々から不満に感じていたことが有った。それは、ひとえに開発中のプロダクトの全容がさっぱりわからず、個々のタスクだけが目の前に落ちてきているという事だった。

そしてその不満がある人事考課の時に爆発した。要は会社が求めることと自分の働きのミスマッチ感が半端なかったのだ。というわけで他部署や上司を巻き込んでプロダクト把握をしてみた時のことを記しておこうと思います。

上司とかに聞いてみようとしたが....?

まず、直属の上司に直接話を聞いてみることにしました。この方は開発責任者なので、色々とプロダクトの成長状況や他部署の状況を聞くことができたんですが、いくつか問題が生じました。

・プロダクトの情報量が多すぎる
・整理ができずに本当に必要な情報を得られているのかがわからない
・どこまで知れば全容を把握することになるのかの境界が不明確

つまり、必要十分な量とそれを適切にインデックスを貼って保管する方法をしらなかったんですね。このままだと聞くだけ聞いてどう行動を起こすかという部分まで決められない上、最悪明後日の方向に行動して空回りしかねません。

インセプションデッキ・リーンキャンバス

というわけで、フレームワークを調べてみると良さそうなのが二つ見つかった。

インセプションデッキ
アジャイル開発でプロダクトを説明するときに利用されるフレームワークで、印象として、スコープ(予算とスケジュール)とプロダクトの価値を中心に開発者側が決めていくものという感覚。
リーンキャンバス
リーンキャンバスはユーザーとサービス提供側という両面でビジネス的な要素を記入して、それぞれの要素を検証するものです。客観的にビジネス構造を見るうえで有用だと感じました。

今回の場合、プロジェクトはすでに立ち上がってて、その初期を知っている人が社内いるかどうか怪しいし、そもそも僕が知りたかったのは、現在の事業フェーズや課題を知りうる限りしりたかったのでリーンキャンバスを選択した。

ノーススターメトリックを相談する

事業構造を把握しても、定量的に測れるKPIとしておかないと結局精神論になってしまうんでは?。そう思っていたらこういった記事を見つけた。

ノーススターメトリック

ノーススターメトリックという事業をグロースさせるうえで一番重要な指標を定めるという考え方。今のプロダクトには、そもそも目指すべき指標といったものが共有されてなかったからこれも一緒に決めるor聞いてみてもいいかもしれないと感じてメモしておいた。

再度聞いてみる

というわけで、事業の概要を図示して皆に伝えたいからと事業責任者の人にアポをとって相談してみたところ....
今まで開発部側でビジネスサイドに興味を持った人間が少なかったため快諾してくれた。

実際にその上司と議論しながらリーンキャンバスとノーススターメトリックを埋めてみたのだが、その過程で結構学びがあった。

実際にやってみた結果

やった感想として事業を把握するうえで主に二種類あればよいと感じました。

・全体的な構造(現在の環境)
・今から目指すべき指標

そして決める順番は 全体的構造 -> 今から目指すべき指標という順番に決めるべきだと感じました。

実際の体験でリーンキャンバスで事業の構造の話を聞きながら埋めてみると、

・コストがどのくらいかかっていて
・競合が誰で
・何がウリなのか

といったプロダクトの概要をある程度把握できます。そして、それと同時に事業フェーズ(利益を今からだすのか? 利益を拡大させるのか? 利益を維持するのか?)ということもわかり、原価率や利益率といったどの要素に力を入れるべきという部分も自然と絞られていきます。

あとは、ノーススターメトリックを決めるために、その力を入れるべき要素の要因を分解していって、具体的な数字にできる指標として落とし込んでいきましょう。 ちなみに今回の場合だと、フェーズは今から利益を出す(黒字化していく)フェーズで、やたらと原価率が高く、ある部署の作業が人海戦術で回していたために人件費がすさまじいことになっていたことが分かったので、どれだけのその部署の作業時間を削れるかという指標にしました。

なんかノーススターメトリックに関しては使い方を間違えているかもしれませんが、こういった形できめました。

もう一つ必要なこと

もう一つ重要な要素として、コミュニケーション能力はすごく大事だなと思いました。というのも。究極的に話は人から聞くので結局は人との対話となります。なので、

・自分は何を聞きたくて何をゴールとしているのか?
・相手はビジネスサイドの人間だからビジネス用語を覚える

といった感じで、できるだけ相手に時間を使わせず、ストレスを与えないという事に専念しました。

最後に

今の会社だけかもしれませんが、ビジネスに興味を持つエンジニアが少ないのか、今回相談した事業責任者はやたらうれしそうに話してくださいました。もしかしたら、そういった人は多いかもしれないので、ちょっと迷っているのであれば、ダメ元で話を聞きにいくこともいいのかもしれません。


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