独断と偏見で語る最近のPSGの指揮官たち

タイトルの略称

CdF:クープ・ドゥ・フランス

CdL:クープ・ドゥ・ラ・リーグ

TdC:トロフェ・デ・シャンピオン


以下は個人の感想です。

カルロ・アンチェロッティ

在任:11-12(途中)、12-13

獲得タイトル:リーグ(12-13)

リーグ首位に立っていた11年末、コンブアレ監督を解任したフロントが連れてきたのは、ミランで一時代を築いた名将だった。まあ、このシーズンは2位で終わるのだが。12年夏の大型補強を受けたチーム構築には手を焼いていたが、最終的には4-4-2システムが軌道に乗ってリーグ制覇。CLではバルセロナ相手にアウェーゴール差で敗退しベスト8。なんだかんだ準決勝に一番近づいたのはこの時かもしれない。12/13限りで退任してレアルマドリーへ。翌シーズンのマドリーの顛末を考えると惜しいことをしたと思ってしまうが、この頃のフロントは「モウリーニョほし~」「ビラボアきて~」「ベニテスにも声かけちゃお!」って感じだったし、不信感を持たれても仕方無いだろう。知らんけど。



ローラン・ブラン

在任:13-14、14-15、15-16

獲得タイトル:リーグ×3、CdF×2(14-15、15-16)、CdL×3、TdC×3

野心に燃えるフロントが何人かの候補者に声をかけたもののことごとく断られ、リストのわりと下の方にあったこの人に決まった、みたいな経緯でやってきた。夏にはエル・マタドールことカバーニが加入したが、前シーズンの4-4-2のままイブラと並べてもイマイチ噛み合わず。そこでモッタ(この辺から怪我とは無縁の選手に。理由は不明)を中盤の底に置く4-3-3を採用したところ、大当たり。とりわけインサイドハーフ起用で守備の負担が減ったヴェッラッティが急激に成長した。こうやって挙げていくと、たしかに現在まで続くチームの礎を築いた人ではある。CLではチェルシーとかバルセロナとかチェルシーとかチェルシーとかとやり合った。ラストシーズンはManCityに敗れた。徐々にチームの成長という観点での頭打ち感が否めなくなり、「あらたな章に乗り出す」としたクラブと袂を分かった(互いに後腐れない感じだったが、事実上の解任だろう)。



ウナイ・エメリ

在任:16-17、17-18

獲得タイトル:リーグ(17-18)、CdF×2、CdL×2、TdC×2

「いっぱい補強しちゃうぞ~!ヘセ!ベナルファ!クリホヴィアク!」――パトリック・クライファート
通称えめりんご。EL三連覇という偉業を成し遂げた男。フロントとしては、「ネクスト・ベニテス」、要するにCLのようなトーナメント戦に強いタイプの指揮官と見込んだのだろう。かくいう筆者も(恥ずかしながらラ・リーガに疎く)戦術家と聞いてマッドサイエンティスト的な人物を想像していた。しかし、いざ蓋を開けてみると特に意図や説得力を感じさせる用兵術の使い手ではなかった。競技面で言いたいことは無い。今後の御活躍を御祈りしています。退任スピーチはすごい感動した。



トーマス・トゥヘル


在任中(18-19、19-20~)

獲得タイトル:リーグ×2、TdC×2


エメリの次に現れた真・マッドサイエンティスト。目がイッテるんだよな。ボランチマルキーニョス、センターハーフベルナト、RBエレーラ、しまいにはアウベスとベルナトでつくる2ボランチなど、今まで披露された「魔改造」は枚挙に暇がない。とはいえ、ガチャ的なノリでよくわかんないコンバートを繰り返しているわけではなく、野戦病院状態のスカッドをなんとか遣り繰りする、選手の特長をさらに活かす、といった意味合いが強く、観てて納得はできる。…とは言うものの、「CBが足りない!」って補強しながらCB4人全員が基本スタメンだし、そこにSBも加えると常にピッチ上の5-6人がDFなわけで、これは異常な日常だろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?