「営業秘密の守り方と新たな保護対策」
営業秘密の保護は、企業の競争力を維持するために非常に重要です。
今回は、最新の情報をもとに、営業秘密の守り方と新たな保護対策について解説します。
1. 営業秘密とは?
営業秘密とは、企業が競争優位を保つために秘密にしている情報のことです。
例えば、製品の製造方法や顧客リストなどが該当します。
これらの情報が漏洩すると、企業にとって大きな損失となる可能性があります。
「営業秘密」とは、以下の3要件を満たす技術上または営業上の情報をいいます。
① 秘密管理性
秘密として管理されているだけでなく、事業者の秘密管理意思が、例えば以下のような秘密管理措置によって従業員へ明確に示されていることにより、従業員らによっても客観的に認識可能になっていること
(例)
・ファイルへのアクセスを制限する、書類を施錠できるキャビネットで保管する
・書類やファイルに「部外秘」「社外秘」などと記載する、営業秘密となる情報カテゴリのリストを作成する
② 有用性
「有用性」とは、客観的に見て事業活動にとって有用な情報であることを意味します。
有用性は多様であるため、要件は緩やかに解されています。秘密管理性と非公知性の要件をいずれも満たす情報については、有用性も認められるケースが大半です。
③ 非公知性
「非公知性」とは、一般に知られていない、または容易には知ることができないことを意味します。
合理的な努力の範囲内で入手できる刊行物に記載されておらず、公開情報や一般に入手可能な商品などから容易に推測・分析できない情報については、非公知性が認められます。
2. 最新の法改正
2024年4月1日から施行された改正不正競争防止法により、営業秘密の保護が強化されました。
この改正では、損害賠償額の算定規定や使用等の推定規定が拡充され、企業が営業秘密を守るための法的手段が強化されています。
3. 営業秘密の守り方
- 情報の分類と管理:
- 営業秘密を明確に分類し、適切に管理することが重要です。
- 情報にアクセスできる人を限定し、アクセス権限を管理しましょう。
- 従業員教育:
- 従業員に対して、営業秘密の重要性と保護方法について教育を行いましょう。
- 定期的な研修を実施し、意識を高めることが重要です。
- 技術的対策:
- 情報システムに対するセキュリティ対策を強化しましょう。
- データの暗号化やアクセスログの監視などが有効です。
4. 新たな保護対策
クラウドサービスの利用:
- クラウドサービスを利用する際は、セキュリティが確保されたサービスを選びましょう。
- データのバックアップやアクセス制御を適切に行うことが重要です。
法的手段の活用:
- 営業秘密が漏洩した場合、速やかに法的手段を講じることが必要です。
- 弁護士や専門家に相談し、適切な対応を取りましょう。
5.まとめ
営業秘密の保護は、企業の競争力を維持するために欠かせない要素です。最新の法改正を踏まえ、適切な対策を講じることで、企業の情報を守りましょう。
お問い合わせやご相談がありましたら、いつでもご連絡ください。