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アナーキー・牧歌・ユートピア散文解 孤独な群衆


会社に勤めてから見えた景色。
当初は戸惑いがあったがそのうちなんとなく腑に落ちたこと。

会社イベントの後、
日比谷線で帰りが一緒になった会社の方に「どちら方向ですか?」と聞かれたので、
中目黒方面ですと答えた。すると「逆方面なので、それでは」と、
早々に逆ホームへほっとした表情で向かっていったやりとりが強く印象に残っている。
私の帰る方の確認だったように感じ、これまでに無い感触だった。

その後も、別の方との間でも同じやり取りが続いた。
このシチュエーションに私は違和感と不安を感じていた。
他者と共に帰ることを望んでいたという潜在的な期待だったのかもしれない。

まぁ確かに年を重ねた男性がスーツ姿のグループでにぎにぎしく電車に乗り込む光景って、
あまり見かけないかもで、いや、お一人の時間を作りたいのかな?とも考えるようになった。

皆さん当然のことかもしれないのですが、
気づいたこと、
この方々は悪意や拒否感ではなく、一つの作法として振る舞っているのではないか。
明らかに距離を測るように、
この疎通は私の中ではとても斬新な対応だった。

自身も含めて会社員という”群衆”は、単体では”孤独”な存在に見える瞬間だった。
いやいや、それはあなたの所属組織の文化がそうだっただけだよ、という見解もあると思うが、

一つのチームを作りたがるが、独りでいたい。という意識がそこにはあるのではないか、

コミュニケーションの取り方が加速した結果の一つだと言えるのではないかと思い、
並行して、じゃあ自分は?と言えば、

サークル風にわぃわぃしたがる時期を通過し、その先に見えてきた風景として、
確かに、皆で一つになりたいが独りを選択していく。そんなあなたと分かり合えたら最高だ。
と「孤独な群衆」を書きました。

サウンド面では、
イントロ、山田くんと佐野のアルペジオの中、
印象的なクボタさんのベースソロが響き、
16ビートの星野くんドラムイン。
アンサンブルをシンプルにまとめることで、
歌詞の強度を保つことできたらと録音を進めました。

AメロとA’メロの間に間奏が入っていて、
こういう余裕ある小節の差し込み方が個人的にはしっくりと気に入っている曲でも在ります。


<群衆 2008-03-18 渋谷>

生まれや出自から 離れた場所
集めた言葉 遠くまで
如何なる分け隔てなく 自由に
思い描いた道 通り抜ける
あなたに伝えたい ストレートに
産声あげるように
くれくれって 訴える そう!

育った環境に 右左
見出すことはなく 自然に
関わる全てから 湧き上がる
仕草や表情 思い遣り
あなたに伝えたい ストレートに
別れと出会いから
触れ触れて 放り込む!

胸の奥に 放り込んで

響き合った 夜があって
そこで何が 開いたのかい
失った 孤独な群衆
出逢いたい あなたと逢いたい

響き合った 夜があって
そこで何が 開いたのかい
朝になって 手を伸ばして
出逢いたい 抱き続けるよ!


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