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1071:相隣関係実践問題

ある土地の所有権を調べる必要に迫られ、いくつか調査をした。

当事者は甲家と乙家。昭和の頃は隣接して家が建っていたが、ある時期に乙の家屋が撤去されて駐車場になっている。そしてその土地は以前から甲家が「うちのものだ」と主張していた。今回は甲家の立場で駐車場の登記を調べたいものだ。

数年前に登記簿を確認しようとしたが、細かな地番が複雑に絡んだ地域で道路や鉄道も走っていることから、乙地の登記の特定ができなかった経験がある。今回はさてどうしたものかと思案して、ひとまず市役所の固定資産税担当に電話をすると、土地台帳の閲覧は可能だというではないか。早速市役所に赴き、まずは切り図を入手。ふうむ、現在の土地の状況と照らして分かりにくいけれど、この道路があそこで……とすると確かに乙地も甲地と一筆の登記(つまり甲所有)に見える。土地台帳を閲覧し、道路のこちら側に特化して周囲をしらみつぶしに確認。近年の手入れはされていないそうだけれど、ほぼ特定できた。乙家の所有権を示す情報は、ない。ということは、乙家は所有権登記のないまま乙地を占有しているのか? 念のため道路の向こう側もある程度確認……え、乙家が所有する土地が、あるぞ? でもあそこは丙家のものの筈だが……。所有権は戦後に丙家から第三者に移転、十年くらい後に乙家に移っている。

次に法務局に行って、特定した地番の登記簿謄本を取る。数年前には探しきれなかったところまで辿り着いた。土地台帳に書いてあった所有権の移転の様子を辿ることができるが、ぱっと見では新情報はない。

ここまでで分かったことは、切り図を見る限り、乙家の所有地は乙地ではなく十メートルほど北にあるということ。しかし現状とは異なっている。切り図は正確なものではないし当時は道の付き方が違っていた可能性もある。結局乙地の所有権と登記の関係は今ひとつ確定しない。

次の手段は測量と思っている。甲地の面積を測り、それが登記上の面積にほぼ一致すれば、解決。甲地の面積が相当に小さく、隣接する乙地を足して登記と合致するならば、弁護士に対応を相談する必要が出てくる。

今回驚いたのは、土地台帳の閲覧ができたこと。他人の個人情報を含むからダメかと思っていた。しかしよくよく考えれば、登記情報はオープンなわけだし、公的な「台帳」として閲覧できるようになってるんだな。

この問題、まだ手間が掛かりそうだ。でも民法の相隣関係の実践問題と思えば楽しい(楽しくない)。

--------以下noteの平常日記要素

■前回以降の小説進捗
【やくみん第2話現在6,645字】
進捗なし。

■前回以降の法律学習ラーニングログ
【学習時間1h37m/リセット後累積105h25m/リセット前累積330h42m】
前回やり残した第8~9回を視聴。演習までは手が回らない。

■前回以降摂取したオタク成分
『わたしの幸せな結婚』第1期全話、『トップをねらえ!』全6話、『トップをねらえ!2』第1話、『葬送のフリーレン』第21話、『義母と娘のブルース』第5話、『佐々木とピーちゃん』第2話、『正直不動産2』第7話。

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