0206:知らないことを安易に語らない

 本能に根ざす食事と性を別として、誰もが例外なく関心を示す対象(趣味)というのはそうはない。

 例えばスポーツを愛好する人は多いが、興味のない人もいる。私がそうだ。昨日触れたように、私はもともと運動をする習慣もスポーツ観戦の趣味もない。世の中が野球やサッカーやテニスやゴルフで盛り上がっていても興味が湧かない。ニュース番組を観ていてスポーツニュースになると無意識にチャンネルを変える。

 私が好むのは小説・マンガ・ドラマ・アニメなどの物語表現だ。昭和後期にはまだ肩身の狭い趣味だったマンガ・アニメは今やクールジャパンの代表となった。それでもそうした表現に関心を持たない人はいる。

 「関心がない」は「知らない」とイコールだ。音楽に関心がない人は「なんか音が鳴ってる」とかせいぜい「聞いたことのある曲だ」くらいに認識するけれど、関心のある人はリズムと旋律がどのような息づかいどのようなタメどのような強弱で奏でられるかを微細に味わい、それが自分の中に生み出す情緒を感じ分け、時に涙し、時に喝采し、時に失望し、時に批判する。

 こうした事を考えれば、自分の関心のないものについて、少なくとも安易な感想を口にするのは避けた方がいい。それが自分の素直な印象であったとしても、まず的を射たものとはならないからだ。

 ──みたいなことを考えて、今回オリンピックについて書きかけた文章は全没にした。

■本日摂取したオタク成分
『鬼滅の刃』第17話、もうこの辺りは放送時にほとんど観てない。『書けないッ!? 脚本家 吉丸圭佑の筋書きのない生活』第2~最終話、家業仕事をちまちまやりながら一気に観た。第一話の魅力が衰えることなく最後まで持続、むっちゃおもろかった。脚本家の物語だがその脚本自体が面白く、ドラマとしての完成度も高い。「物語を生み出す」「ドラマを作る」クリエイターの姿をとても魅力的に描いていた。

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