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0440:(GaWatch映像編008)『ARIA The BENEDIZIONE』

『ARIA The BENEDIZIONE』2021年/日本
原作:天野こずえ「ARIA」(ブレイドコミックス/マッグガーデン刊)
総監督・脚本:佐藤順一
監督:名取孝浩

 昨日、二本の映画をハシゴした。ひとつは『EUREKA 交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』だ。

 奇しくも『ARIA』と『交響詩篇エウレカセブン』は共に、アニメシリーズの放映開始が2005年であった。どちらも16年の時間をファンが支え、今も新作が作られているわけだ。

 私は『ARIA』はコミックが先だった。もともと活字読み&漫画読みなので、当時は週に何度も書店店頭を訪れては面白そうな本がないかアンテナをビンビンに立てていた。『ARIA』第1巻はジャケ買いだったように記憶している。旧単行本はもう新刊販売しておらず、完全版に置き換わったようだ。

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 絵柄と雰囲気が気に入り、その後も買い続けた。アニメ版も当然放映時に1期2期3期と視聴した。放映開始当時小学生の長男と幼稚園児の次男は、父ちゃんと一緒にずっと観ていた。だからなのだろう。彼らは今もARIAの大ファンだ。

 実は私自身は、ARIAにはテレビシリーズが終わった辺りで正直飽きていた。天野こずえの『あまんちゅ』も、途中までは読んだり観たりしていたが息切れがして途絶えた。これは間違いなく作者の側ではなく私の側の体力の衰えとそれに伴う感性の変化なのだと思う。前作CREPUSCOLOも観てない。

 なので今回の映画も自分から観に行こうとしたのではなく、次男(既に成人しとる)に連れて行けとせがまれてのことだった。私も観たくないわけではないので、まあ連れて行ってやるか、と考えた。だから順番としてはEUREKAが「ついで」という事になる。

 そんな微妙に後ろ向きな気持ちでARIAを観始めた。灯里たちの後輩世代が存在することはもちろん覚えていたが、彼女たちの顔を見てもピンと来ない、そのくらいの状況だった。なので後輩ちゃんたちの視点で描かれていた最初の方は、微妙に退屈に感じていた。しかし、物語の焦点が本作の主人公である藍華に、そして彼女を導く晃に移るに従い、いつしか私は物語に引き込まれていた。原作や過去アニメに存在したであろういくつかのキービジュアル・キーエピソードを私は失念していた。しかし、十分にこの世界、このキャラクターたちの物語にはまり込むことができた。

 ストーリーについて述べることはよそう。筋立てに論じるべきもののある作品ではない。藍華と晃の心の繋がりを、そして彼女たちを取り囲むARIA世界の愛すべき人々の繋がりを、映画の時間に身を委ねて、じっくり味わって欲しい。

 エウレカシリーズは、いわゆるスターシステムにより作品毎に違うキャラクター設定、違う世界、違う物語を紡いできた。対してARIAシリーズは、当初のキャラクター、当初の世界から、一歩一歩着実に前へ進み、世代を交代してゆく。どちらが良い悪いではない。どちらも素敵だ。どちらも人の心を掴み、揺さぶる。様々なアプローチがあることが、物語を愉しむ側である私たちの選択肢の豊かさを作り上げているのだと思う。

 本作のパンフレット、分厚い。ページがナンバリングされていないが、ちょっとした文庫本くらいある。2/5は画集的なものとスタッフ対談、残る3/5は天野こずえによる本作のコミカライズだ。いや、映画のプロット自体天野が提出しているわけで、同じプロットから天野は漫画を、名取監督ほかスタッフが映画をそれぞれに生み出したということなのだろう。映画の後で漫画を読んで思ったよ。天野こずえの漫画の感性は、好きだ。

 ちなみに成人済みの次男は姫社長のぬいぐるみを自分の金で買っていた。「アリア社長は売り切れだった」そうな。固定ファンによるこうした購買行動が作品を永く支えている。元々この作品を支えていたファン(父ちゃん)の後継世代にバトンタッチできたような気がするね。

--------(以下noteの平常日記要素)

■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積162h13m/合格目安3,000時間まであと2,838時間】
実績28分、今回もドリルちまちま。ノー勉強デーにしなかっただけマシ。

■本日摂取したオタク成分(オタキングログ)
『彼氏彼女の事情』第24~25話、な、なんだと……全26話の24話に至ってまさかの総集編……だと? 25話も作画枚数をかなり切り詰めた単発話……だと? よほど26話に力入れてるんだろうか。少うし嫌な予感が……テレビシリーズエヴァの終わり近くみたいな……。『ひねくれ女のボッチ飯』最終話、ラストは町フレンチのコース料理。続編の余地を残したラストかねえ。なんというか、観なくても全然損したと思わないドラマだけれど、観て退屈というわけでもなく愉しめたな。不思議な作品。『ブラタモリ 富山』富山市は2回くらいしか行ったことがなく、どちらも足早だったので街中の様子はほとんど知らない。単なる観光案内でないブラタモリで知らない街を教えてもらうのは有り難いのう。


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