0428:やくみん覚え書き/脆弱性

 小説「やくみん! お役所民族誌」には、物語の駆動装置がいくつか存在する。キーワード化するならば「権力」「脆弱性」「愛情」の3つに集約できるだろうか。権力と愛情は第6回までにちらちら顔を覗かせている。脆弱性は数回先に複層的に登場する。

 今日は遠来のお客様とお会いして、脆弱性の問題についていろいろなお話をおうかがいした。大づかみでいえば、法は「理想的(または一般的)人間像」を前提に設計されているが現実の人間はそうではない、という話だ。

 人は脆弱だ。意思の弱い人がいる。知識の少ない人がいる。軽率な判断力の人がいる。もちろん、程度問題だ。「完璧に意思が強く、知識が万全で、判断力の確実な人」は、おそらくどこにもいない。誰もが、何かに秀でる一方で何かを欠いている。そのバランスが一定の域を超えて崩れる時、人は社会の中で居場所を安定させることが難しくなる。これが脆弱性だ。いわゆる発達障害などもこれに当たる。

 「やくみん!」のメインストーリーは消費生活センターと詐欺集団の戦いだ。消費生活センターは私自身の経験を元にディテールを書けるが、詐欺集団に属したことはないので、その手のルポルタージュからの知識に加えて想像力で構築することになる。その時の鍵となるのが脆弱性であり、うまく物語の駆動力を引き出せるかどうかが作品の出来不出来を左右する。なので、ここをしっかり学び考えておきたい。

 今日のお客様のお話は、良い学びとなった。

--------(以下noteの平常日記要素)

■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積159h53m/合格目安3,000時間まであと2,841時間】
5連続ノー勉強デー。

■本日摂取したオタク成分(オタキングログ)
『彼氏彼女の事情』第4~5話、どうも本作はライトライトライトヘヴィライトライトヘヴィ、というバランス感覚なんだな。元が少女漫画で自分の感性とずれるからなのかは分からんけど、ヘヴィの部分に時折引く。まあ勢いが良いのは評価点。『ひねくれ女のボッチ飯』第1話、孤独のグルメの大ヒット以降、「飯」モノが粗製濫造されている。いやすまん「粗製濫造」はいい過ぎだ、ただ数は多いよな。なのでほとんど観てない(なので「粗製濫造」というだけの根拠もない)。本作はなんとなく第1話を観始め、8割くらいのところで心惹かれず、これは切ろうと思ってた。最後にホワイトホースが出てきた。柄本時生。柄本兄弟は父と同様に存在感があるんだ。ふーん。最後、どうなるんだろうね。しまった、いつの間にか気になってる。というわけでしばらく観てみよう。

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