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0336:呼吸器障害の恐ろしさ

 新型コロナウイルス感染症は呼吸器障害の恐ろしさを多くの人に認識させたように思う。野々村真さんが「トイレでいきんだだけで様態が悪化した」と証言しているのも、そのひとつだ。

 肺は生命活動に必要な酸素と活動の結果生じた不要な二酸化炭素を交換する器官だ。肺で取り込まれた酸素は血管を通じて全身に行き渡る。これによって人間は生命を維持し、脳を働かせ、活動をすることができる。

 人の居住空間で換気が重要なのはそのためだ。スモーカーがタバコを手放せないのは呼吸器を通じて一瞬で酩酊感が生じるからだ。火事の時には火よりも一酸化炭素中毒が人の命をまず奪う。

 以前、同期の友人が病気にかかり、四十代の若さで命を喪った。白血病を発症し、骨髄移植を受けて一度は職場復帰を果たしたが、免疫不全で肺胞の機能が大きく損なわれた。頑張って仕事に出る日もあったが、ちょっとした日常動作でも息が上がり活動できなくなる状況だったようだ。「肺がいつもフルマラソンをした後みたい」と本人がSNSに記していた。

 私たちは普段、意識せずに呼吸をしている。だからコロナの症状を聞いても、ピンとこない人が多いのかも知れない。ただの風邪? 馬鹿な。劇症肺炎の苦しみは絶対に避けた方がいい。デルタ株が猛威を振るう今、もう一度みんな感染対策について真面目に考えた方がいい。

【追記】Twitterで、コロナで命を落とされた兄上の転帰を記録しているスレッド。この重たさを受けとめて行動したい。


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