0277:コンビニで戸籍謄本を取れなかった話
戸籍は、産まれてから死ぬまでの一連の身分事項を公的に記録する重要な情報だ。課税(国によっては兵役も)の公平や相続関係など、国民の様々な権利義務を基礎付けている。
本日、ある手続で私と親の関係を証明するために戸籍が必要になった。親と私は別戸籍だが本籍地は実家で一致している。今時はコンビニで取れるから楽ちん、と軽く考えていたのだが、ちょっとした不都合が生じて結局30km離れた本籍地の役場まで往復しなければならなかった。
それは何故か。以下、順を追って説明しよう。
終戦時まで日本には家制度があり、戸籍は家単位で作られるから、親・子・孫は分家をしない限りひとつの戸籍に入り、血縁関係はその戸籍で簡単に辿れた。私が恩給事務を担当していた頃、毎日膨大な戦前からの戸籍とにらめっこをしたが、場合によっては十人以上がひとつの戸籍に記載され、そこに記された諸々を含め、なるほど家制度とはこういうものかとひしひし実感するところがあった。戦後、家制度は解体され、子供は結婚をすると自動的に新たな世帯の戸籍が作られて親の戸籍から抜けることになった。そのため、親と私の戸籍は別々なのだ。
それでも、実家の戸籍に私が結婚によって別の戸籍となった記録があれば、そこで親子関係は分かる。そちらで確認できない場合は、父母の名前が記載されている私自身の戸籍を確認すればよい。
なので、まず親の戸籍(私が結婚前まで入っていた戸籍)を確認した。これはコンビニでスムースに取ることが出来た。しかし平成半ばに戸籍改製があり、それ以前に結婚していた私の名前は今の実家の戸籍に記録されていなかった。改製原戸籍を辿れば載っているが、コンビニで取得できるのは現行戸籍に限られる。仕方ない、自分の戸籍を取ろう。ところが、機械を操作しようとしても、本籍地の市の手続に入れない事態に直面した。
親と私、ふたつの戸籍は同一市の同一地番にある。親の戸籍は取れるけれど自分の戸籍は取れないのは何故か。それは居住地が関係している。親は戸籍と住民票が同一自治体にある。私は別の市に居住しているので、戸籍と住民票を管理する自治体は別だ。念のため本籍地の役場に電話をして確認してみると、案の定、その市の場合は、コンビニで戸籍を取得できるのは住民票もその市内にある場合のみ、とのことだった。
うーん。
書類は今日中に必要なので、仕方なく30km離れた役場まで足を運んだ。
帰宅後に調べてみると、本籍地と住民票所在地が異なっていてもコンビニで戸籍を取ることのできる自治体もあれば、一致していないとダメな自治体もあるとのことだった。私の本籍地は後者だったわけだ。自治体によって扱いの異なる理由はまでは探索できなかった。おそらくシステム負担金の額が変わってくるので小さな自治体はサービスを制限する判断をしているのかな、と予想する。(識者の方、ご教示いただけると有り難い)
戸籍・住民票・課税証明・印鑑証明が24時間コンビニで取得できるという触れ込みは、マイナンバーカードの利便性を示す大きな要素であった筈だ。それが戸籍と住民票が別自治体という理由で妨げられてしまうのは、大いに不満だ。
しかし、この状況が近々改善される見込みとの情報を見つけた。
関連する戸籍法やマイナンバー法の改正が既に成立しており、いずれ「広域交付」が可能になるとのこと。記事ではこれがコンビニで実現するのかどうかまで窺うことはできなかったけれど、少なくとも地元役場で遠隔本籍地の戸籍が取得できるようになれば、今回の私のケースでも往復60kmを移動しなくてもいいわけだ。実現は「2023年度末ごろ」を目処としているとのこと。少しずつ時代は便利になっている。
■本日摂取したオタク成分
『WWW.WORKING!』第8~10話、1クールでまとめるために良いテンポでいろいろ盛り込んでる。『機甲猟兵メロウリンク』第3~4話、ボトムズ世界のハードボイルド。話はあんまり追ってないけど雰囲気だけでも良いわあ。『オーバーロード2』第4~5話、このリザードマンのカップルがいいんだよね。『ドラゴン桜2』最終話、素晴らしく盛り上がったね。ファンタジー含み(学園売却という超重要事項の成否を東大合格人数に委ねるとか)は日曜劇場なのでしょうがない。ラスト近くでガッキー登場。1を観て無いので観たいものだ。
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