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雑感:Brand New Song6巻 ~だいすきということ~

 雑感ってタイトルに書くことで、中身が雑でも許してもらおうという魂胆です。

 いよいよ発売されたミリオンライブのコミックス「Brand New Song」の最終巻。お恥ずかしい話あまり積極的に語れていなかったのですが、すごく大好きなコミカライズでした。
 最終巻を読んだときに「いいね」と思ったポイントがたくさんあったので、それを忘れないようにメモに箇条書きしてみました。せっかくなので投下します。共感したりしなかったりしてください。私が気づいていないようなGOD COMICS POINTがあったら是非お教えください(他力本願寺)。


第26話 トップアイドルになること

・「ミリオンライブ」という言葉が初めて出たときの百合子の顔、良い表情してるなあと思ってたら、ここで「思い上がりだった」という文脈で回収されてゾクっとした。こちらまで伊織に諫められているような気分になる。
・百合子の目からハイライト消えるの怖いなってちょっと思った。この後もっと消えるんだけど。


第27話 勇気の歌

・百合子の話を聞いている朋花を心配そうに見つめるまつり、1周目は気づけなかったの悔しい。顔全体に影がかかっててビビる。
・Only One Second、イントロの歌詞を台詞に落とし込む技術がすごい。
・「かつて歌だけを愛していたが、やがて仲間のことも大事にできるようになった」というよく言われていた千早像からさらに一歩進んだ「だからこそもっと歌を愛せる」という地点まで到達したミリシタの千早をストレートに描いててよい。
・まつりの口調が砕けるシーンは本当によく厳選しろ委員会メンバーワイ、解釈完全一致。「朋花ちゃんの想いに応えてあげてほしい」「朋花ちゃんが頑張るって決めたのは今この瞬間なんだよ」「わ 私は(←まつりが言い淀むというシーンを作るのすごすぎる)」「朋花ちゃんを走り続けさせてあげたい」まつりとアトリエル・シエルのメンバーがどれだけ真剣に話し合って悩んだのか伝わってくる見開き。
 ところで、2巻のima先生によるまつり評「心を許した相手には素直な気持ちをまっすぐな言葉で伝えてくれることもあります」は聖典。3巻第13話「奏で合う音色」の「頑張ったかいがあったね」……あっこれ話長くなるからここまで。
・かーらーの「私がリーダーで…よかったですか…?」の後の小さい1コマ。細い線で書かれた「あっ…」と、目を見開いたまつりの表情。この小さい一コマでまつりはどれだけ逡巡したのだろう。次のコマで「もちろん」と即答しているが、この間にものすごくたくさんのことを考えたんだと思う。
・26~27話、どの人も「立場としては~と思うけど、個人的には…だと思う。だけどリーダーを尊重する」っていう感情が整理されていて、優しさを感じる。
・「アイドルは笑顔だって思うんです」「今 この世界には笑顔を作るのが難しいという人がたくさん…たくさんいると思います」「今の私にはそのすべてを笑顔にすることはできません」「でもせめて!この目に映る人だけでもとびっきりの笑顔にすることができたら なにかを変えるための一歩を踏み出す勇気を…ほんの少しでも与えることができたなら」美奈子が語るアイドル観、ぼくが好きなそれ。
・私たちが歌う勇気の歌 Melody in scape←バケモン、できればAct-1の前に読みたかった。やっぱり連載追えばよかった。


第28話 信じるもの

・最初にリーダーとしての気持ちをちゃんと話すの、アイドルマスター的リーダーの仕事(ムビマス春香の方を見ながら)をちゃんとこなしててえらい。
・未来、反応ネタ枠だと思ったらULAに対して初めて「楽しそう」と言った。すごい。これが天才なんだと思う。
舞台『桜ノ歌』出演:天海春香/我那覇響 ←これだけで厚い本だして~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
・ガチギレ馬場、こわすぎる。普段のima先生のイラストふにゃふにゃしてること多いから、余計に印象的。
・言葉にできない
・あんな絶望(×2)という言葉が似合うコマある?
・見開き2ページかけて百合子が絶望していく様を絶望的に描いて、ページをめくった瞬間このみさんに叱咤される、この躍動感。言葉にできない(2回目)。マンガじゃないとできない表現。これがマンガのすごさ。ページをめくるという行為のなせる業。


第29話 だいすき

・チームのリーダーとしてのお願いです! ←これが自然と出てくるのがものすごい成長だと思った。
言葉にできない(3回目)
・「これからもずっとこんな風に歩いていけなきゃ私はいやなの!」「それができなきゃ…もうそんなのは私じゃないの!」←『私にはあなたが必要』ということをこんな情熱的に言い換えられるのすごすぎる
・765プロ伝家の宝刀「なにやってんだ俺は」じゃないか!
・タイトル、中盤で回収したのかと思ったら最終盤で完全回収するのあまりにも良い。
 3巻巻末のおまけで、「だいすき」ということばを「この気持ちは簡単に言葉にしていいものじゃないんだもん」「こんな風に言わされるんじゃなくて…いつかちゃんと……」と内心に秘めた。
 5巻第23話「私たちはずっと…」で、桃子がどんな夢(演技の仕事)を持っていても、私たちFleurSは一緒にいると言ってくれるこのみと百合子。「三人で同じドラマに出演…」「その夢が叶ったら…今度こそちゃんと伝えるんだ」「『大好き』って…!」
 この流れがあるから、桃子が絞り出した「だいすき」にはこの物語を貫く最大級の輝きが込められている。言葉にできない(4回目)


第30話 アルティメットライブアリーナ予選

・ルミエール・パピヨン着てる時点で変な声出た。
無駄に強者感を出す765AS好き
・春香→千早の「(あはは…)たぶん素でやってるんじゃないかな…」の何気ない評価から伝わってくる「私は千早ちゃん識者です」感(?)すき。
・「本心です」「私たちは今日」「ここにいる誰よりも輝くつもりで来ました」のときの百合子の表情で特大のデカい声出た。なんというか、前述の「ミリオンライブ」を初めて耳にしたときの百合子の表情、伊織に諫められていたときのその表情なんですよね~~~~~~~~。あのときは「そこを目指すらしい自分がまるで物語の主人公みたいだって錯覚していた」「それが具体的に何を意味するかも考えずに」と言っていたけど、ここではその答えを出せたから同じ顔を屈託なくできたのかもしれない。
・エボリューション・ウイング、やっぱりかっこいい。Flyers!!!の対抗馬としてこれほどふさわしい衣装があるだろうか。いや、ない。たぶん。
・というかFlyers!!!の前口上があまりにもカッコ良すぎる。
・ハイタッチのページ、あまりにも眩しくて言葉に出来ない(5回目)。
アトリエル・シエルをありがとう。


最終話 それから…

アトリエル・シエルをありがとう。(2回目)
・伊織の解像度が全編とおしてクソ高い。
アトリエル・シエルをありがとう。(3回目)
・桃子にとってFleurSは大事な場所になれたんだね(もう全話それ)
・最後の〆方で、ああこの作者は本当にアイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズが大好きなんだなあと伝わって来てもうそれはそれは大満足。


※オリジナルドラマ

改めて、ああBNSはFleurSが家族になる物語だったのだなと。それがima先生のやりたいことだったのだと。ちゃんと伝わってきた。


※楽曲『わたしは花、あなたは太陽』

・「弱くたっていい ちいさくたって構わない ステージという庭で いつも通りに…私らしく! 最高に花開いてみせましょう!」「――咲き誇れ!」「『FlesrS』!」
はじめは、今を精いっぱい咲いていた花。それが「夢が叶うのは今これからかもね」「明日はもっと素敵な私です」と未来に向けて咲けるようになったんだなって……。
・たぶんこの3人にとって、「大好き」には「私にはあなたが必要」という意味が込められているんだと思う。「あなたの好きな花になりたい」「あなたは太陽」というフレーズでそれを感じた。
・「描いた未来と違っても 季節外れの花も綺麗だよ」のフレーズでFleurSが経験してきた苦悩や挫折、それを乗り越えることでしかたどり着けなかった未来が目の前にぱぁぁっとフラッシュバックした。
Act-3とか4とかで絶対やってくれ――

チラ裏

 自分語りタイムです。
 BNSはコミック勢ながらも1巻からリアルタイムで買っていました。今奥付を見たら2018年11月初版発行でしたね。このときはライブ音源風の『瑠璃色金魚と花菖蒲』、『地球儀にない国』が限定版で付いてきましたね。私の話をすると、2017年夏にアイマスを知り、この頃はまだまだ新米春香Pだったのですが、この頃はミリオンライブに対する熱意が極めて低い頃でした。理由は色々ありますが……。そんなこともあり、正直この頃はBNSのことがほとんど印象に残りませんでした。まだ本格的に物語が動き出していなかったからかもしれませんが。
ただし、そんな中でも作中の『瑠璃色金魚と花菖蒲』の描き方は本当に凄いなと思ったのは覚えています。静かで優雅なイントロ、そして爆発するように響き渡る「届かないの――」。それをコマ割りと台詞の書き方で見事に表現しており、今読み返しても痺れます。これを読んだときに思いだしたのは、ミリ5thのLVで見た白石紬役の南早紀さんです。5thの瑠璃色金魚は衝撃でした。紙に描かれた黒いインクで、ライブの光景をハッキリと連想させる……今思えば神がかった表現力です。

 そして2019年。本当にいろいろあった年です。気になる方は「from:f_of_panda Cleasky 笑って!」でTwitter検索して察してください。大きな変化のひとつとして、Cleaskyを好きになって美也Pと交流するようになりました。その中で、「BNSの美也はいいぞ」というダイマを受けました。そこで、食指が動いていなかったBNSの2巻を購入しました。2巻はそのラストからアトリエル・シエルのくだりが始まるところで、当時まさかここでCleaskyが絡んでくるとは思わず、一気にBNSに惹きこまれたのを覚えています。
 やがて3巻に収録されているアトリエル・シエルの物語に触れ(正確にはそこを先にFebriで読ませてもらいました)、ああima先生はミリオンライブのアイドルたちが本当に大好きなんだな、と実感しました。その頃には私も次第に素直にミリオンライブが好きになっていましたから、ある意味、私のP人生にBNSが寄り添ってくれていたのです。

 とにかく私がBNSへの評価を急上昇させたのが、この3巻です。アトリエル・シエルもそうなのですが、百合子が杏奈にアイドル活動の葛藤を吐露するシーン(第14話「わたしのヒーロー」)は未だに心に強く焼き付いています。これを読んだとき、ima先生はミリオンライブを大事にしているのと同様に、「アイドルマスター」という概念を大事にしているのだと感じました。
 アイドルマスターは、敢えて悪意のある言い方をすると、10代~20代の人間をアイドルという芸能界の荒波に晒す作品です。どんな青春を送る人間にもそれなりの苦労苦悩はありますが、アイドルとして仕事をする彼女らのそれは殆どの一般人とは比べ物にならないくらいキツいはずです。私は「春香P」「エレナP」を名乗る際、ああ彼女たちの『普通』の青春を奪ってしまった、その代わり彼女らがアイドルとして輝けるよう、夢を叶えられるよう、向き合う責任がある……そう考えてしまうときがあります。ima先生はその責任から逃げていないから、あのようなシーンが描けたのかな、なんて思ったりしています。
 しかしそれだけで終わらないのがさすがです。同じく3巻の第15.5話、アーリークリスマスの一幕。プロデューサーは実際「みんなが普通の女の子として過ごせたはずの時間を…青春時代を奪うことでもある」とこぼしています。しかし、それに対して小鳥さんはこう告げます。「きっとみんな…青春時代を奪われているなんて考えてないと思いますよ」「今この瞬間があの子たちの青春なんです」と。救われましたね。そう信じるしかない、と言ってしまえばそれまでなのですが、しかしそういう物語を描いてくれたことが本当に嬉しかったのです。

 4巻も5巻も夢中で読みました。特に私は最上静香の『sing my song』には強めの拘りがあるのですが、静香の描き方とミスリードによる演出は何度読み返しても心が震えます。
 ULAの話も登場し、これからまだまだ話が続いて広がっていく、そう勝手に信じていました。

 だから、さすがにショックでした。
 最終回という文字を目にしたときは。

 もっともっと他力本願せずにBNSの宣伝をすればよかった、なんならちゃんと雑誌を購読すればよかった(正直定期的に何かを買うのが苦手なのですが)、等々、最終巻を読み終えた今となっては悔いが残ります(これ以上後悔したくないので、簡単ですがこのような感想文を残すことにしたような所はあります)。
 ただ、今こうしてちゃんと読んでみると、気持ちとしては早すぎる終わりだったかもしれませんが、ストーリーとしてはとても十分だったと満足しています。アイドルのみんなが抱えてきた苦悩、その先にある眩しいほどに輝く『Flyers!!!』……成長物語として、本当に満足です。
 そのうえ最終回の最後にはもう少しだけこの世界のお話を描く予定、と書かれていたので大変嬉しかったです。BNSを読み返すと胸の中に……あっつくて、切なくって、言葉にできない気持ちが湧き上がってきます。それを桃子先輩を見習って頑張って言葉にするなら、「だいすき」です。私は、ima先生が描くBNSの物語が大好きです。この方が作るミリオンライブの世界が大好きです。私の大好きと、また出会えますように。引き続き、大事な担当アイドルが笑顔の花を咲かせるのを見守ろうと思います。

 5年半、ありがとうございました。
 またね、FleurS。


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