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「BD-2w」をいじろう

 ご無沙汰しております(挨拶)。

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 2024年の福岡は!!!
 健康的に生きようとしている!!

 前にどこかでも話したような気がするんですが、断酒に成功しまして。
 2020年くらいから酒浸り生活をしてきて、日々酒がなければ生きて行けないような生活をしていたのですが、2023年の頭くらいから「酒を断つか……」みたいな気持ちになり、徐々に酒量を減らしたり、酒を飲まなくても大丈夫な状態を模索したりして、2024年の正月からグワングワンに断酒をしました。
 まあ断酒と言っても別に法律で禁止しているわけではないので、飲み会があれば飲むし、実家に帰ったら少しは飲んだりするんですけれども、基本的に日々酒を飲まずに過ごすという感じにしていて、その反動でか自炊が捗って、最近はお魚を買ってきては焼いたり、お野菜を切っては食べたりしています。あとヤクルト1000を死ぬほど飲んでいる。1年間をフルに活用して、健康的な生活に戻れたらなぁ……みたいな気持ちで、日々を積み重ねているところです。

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 あとは打鍵を意識的に封じている。
 趣味の打鍵を封じるっていうのはどういう了見だ、という感じなんですが……こう、なんだろう、やっぱり打鍵というのは僕の人生の半分以上を占めていた作業ですので、毎日頼まれなくてもやっていたようなことなんですが、これを一旦リセットしようということで、断鍵しているのですね。
 というのも、そもそも打鍵っていうのは——打鍵じゃわかりにくいですね。小説を書くという作業というのは、何かしらの情熱やら、意欲的な精神から生み出されるものであって、惰性や義務感でするべきことじゃないだろうという感じがあったのです。
 まあ何度も何度も似たようなことを繰り返し言っているだけの人間ですから過去にも似たようなことを言っている可能性はあるんですけれども——うーん、なんていうか、「小説を書く」という行為が、「小説を書く」という情熱以外から発生するという状態が、僕にとっては息苦しいというか。上手く言えませんけれども、小説は小説を書きたいから書くのであって、人にモテたいとか、コミュニティを継続させたいとか、何者かになりたいからとか、お金を稼ぎたいからとか、そういう目的で書くべきじゃないんじゃないかと思うわけです。

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 そんなことはない! 職業として小説を書くことだって立派な創作だ! お前は気高いようなことを言っているけど、じゃあどんだけ小説が上手いんだよ!
 ……みたいなことを内なる僕が言うんですけれども、そういうことではなくて……なんだろな、僕は僕の人生を楽しむために生きているので、そういう「人生を楽しむ」を主題とした場合、書きたいわけでもない小説を書いたり、「小説を書く人間だから小説を書く」みたいな義務感で創作をするのは、違うのではないかと。
 そんなことはない! 苦しくても虚しくても、創作活動を続ける人間の方がよっぽど立派だよ!
 ……いやまあ言わんとしていることはわかりますよ。わかるんですけれども、言いたいことはそうではなくて……なんだろう、効率が悪いとでも言えばいいのか。
 要はその、一生小説を書きたいし、生きているだけで物語は生まれるわけですから、じゃあそれらをアウトプットするためには生きなきゃいけないわけで。ただ、その命を燃やして小説を書いて死んだのでは、死ぬまで小説を楽しめないじゃないですか。とりあえず今は療養フェーズと申しますか……日々狂ったように、健康的に一日二万文字の文章を打鍵する生活をするためには、小説を書く機械である僕の身体が耐えきれない。なのでまずは健康になった方がコスパが良いんじゃない? みたいな、そんな感じなのです。

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 あとはそのー……最近とみに思うんですけれども、情熱を置き去りにして趣味にしがみついているなと思うことが多くて。
 例えばですけれども、小説なんてのは紙と鉛筆がありゃ書けるんですよ。いっそ、空想するだけなら道具なんて何もいらないわけで。で、それを自分ひとりで楽しむんだったら、それで生きて行けるわけですよ。最近もなんか「皇食夜子」という名前がふいに思い浮かんで、その女性が日々を丁寧に暮らしている物語を妄想しているんですけれども、別にそれでも楽しいんです、僕は。
すめらぎ」に「む」で「皇食すめばみ」と無理矢理読ませて、「夜子やこ」が名前なので、フルネームで読むと単なる「住めば都」な女の子なんですけれども、家賃2万円のボロアパートだろうが、最新タワマンだろうが、どこに住んでも自分のペースを崩さず、自分の価値観を揺るがさずに生きていく女の子を妄想して、なんか楽しい気分になるわけです。寝る前に布団の中で、夜子さんが今日は特売のお魚を買ったから明日の朝は炊きたてご飯と焼き魚と、余った野菜を味噌汁の具にして、頂き物のお漬物を並べて優勝してしまおうかな、と考えたりするのを考えるわけです。
 それでいいじゃないですか、情熱の発端は。
 そこから始まって、じゃあそれを伝えたい、共有したいという気持ちになった時、仕方なく道具が利用されるわけですよ。小説というのは、本というのは、伝達というのは本来そうじゃないですか。小説を書くために小説を書くんですよ。本を出したいからでも、ビューを稼ぎたいからでも、何者になりたいからでもない。そういう、仕方なく生まれてしまったものを誰かに伝えたいから書くわけです。
 だからねえ、じゃあ僕は小説を書くのが趣味だから高いキーボードを買って「週末は小説を書くことを趣味にしています」という立ち位置を守ったり、「やっぱ小説を書く者としていい椅子を買うべきだよな」とか、「作業用にサブモニタを買って環境を整えよう」とか、そんなちゃらちゃらした気持ちでねえ、小説なんて書くもんじゃないんですよ!!!!!
 思い出してみろよ!!! 最初に小説を書いた日のことを!!!
 初めてキーボードで文章を書いた日のことをさあ! 思い出してみろよ!!
 付属品のキーボードと!! ガビガビのモニタと!! 別に美しくもない標準フォントで書かれた小説は!!!!!!!!!! どんな小説よりも美しかっただろうが!!!!!!!!!!!!!!!!

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 なので一旦、休止中です。
 いやその原体験と言いますか、初期衝動と言いますか、そういうものが疲労の続く日々を超えてさ、それでも出力したいって思って初めて美しくなるんじゃないの? そんなことはないですよ。わかってます。苦しい状況で綴られた文章でもね、美しく輝きますよ。でも違うの。俺はそうじゃない。少なくとも俺はそうじゃないの。
 俺の話をしてるんだよ!!!!!!
 外野は黙ってろ!!!!! 文句があるなら立ち去れ!!!!
 はい。
 まあそういうことでね、最近は断酒をして、断鍵をして、日々労働に勤しみつつ、マインクラフトをやったり、バーチャルライバーの動画を見たり、ギターを弾いたりして過ごしていると、そういうわけです。
 やっぱりね、人間は初期衝動を大事にしないといけないわけ。
 見たいからバーチャルライバーを見る。
 やりたいからマイクラをやる。
 弾きたいからギターを弾く。
 推すことが義務になってはいけない、みたいな言説がありますけれども、本当にその通りなんですよ。なんでもそう。義務感から何かをすべきではないんです。もっと自由に生きていいんですよ、人生は。確かにその分、苦しむことは多いかと思います。自分のやりたいように、思った通りに生きることはすごく難しいです。続けていたことを突然放り出して、新たなことに挑戦するという人生は、とかく困難続きです。でも僕はそれでいいんです。その方が人生が豊かだし、自分に嘘をつかなくて済むし、何より物語の声が聞こえなくなったりしないからです。

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 えー、というわけで、エフェクターをいじりましょう。
 道具を優先するなんておかしい、みたいな話をしておいて恐縮ですけれども、道具の話をします。
 福岡さんの人生はギターとともにあるのですけれども、僕はあんまり、コンパクトエフェクターを使わない派閥の人間なんですね。ライブをするわけでもないし、機材ガチ勢というわけでもありませんから、あんまりエフェクターを使いません。エレキギターなんてね、アンプに直接シールド挿して、フルテンで歪ませりゃそれがロックンロールなんですよ。歪みもしない、初心者セットでついてきた5Wのアンプでもねえ、そこに片足乗っけて鏡の前でギター抱えてジャキジャキかき鳴らしてればそれが一番ロックンロールなんですから。機材だのなんだのしゃらくせえですよ。お前が欲しかったギターを買って、お前が好きなコードを一回かき鳴らしてごらんなさいよ。お前がロックスターでしょうよ。
 そうなんですけれども、精神的には未だに「直アンで良くね」なんですけれども、流石に35年も生きていると気に入った音を出すエフェクターに出会うことがあります。それがBOSSのコンパクトエフェクターシリーズの名器である「BD-2」、「ブルースドライバー」とも呼ばれていますが、昨今のピンク髪ギタリストの使用機材でも有名なこちらが唯一持っている歪み系エフェクターです。

 まあ界隈の解釈によってはブルースドライバーは歪み系エフェクターではなく、ブースターであったり、トーンコントローラーだったりするんですけれども、僕が出したいロックンロールな音を出すには、ブルースドライバーとアンプで十分だろうと。とにかくアンプ単体ではどうしても歪み切れない時、あるいはソロを弾く時に前のめりになるにはこいつを踏むしかないのです。
 16歳の頃に「BD-2」を手に入れ、しばらくして「BD-2w」という、いわゆる「技クラフト」シリーズの製品に買い換え、色々あって今持っているのは3台目の「BD-2w」になります。「BD-2」と「BD-2w」の何が違うのかというと、ちょっとだけ音が僕好みです。まあなんでしょう、エフェクター界隈には「モディファイ品」という、市販のエフェクターの回路をいじってもっと良い音を出せるようにした、言わば改造品が出回っているんですけれども、その改造品文化を公式がやっちゃおう! みたいなコンセプトの元に生み出されたのがこの「技クラフト」シリーズです。通常の「BD-2」の音と、新規でモディファイされた「BD-2w」の音の両方が楽しめる機種となっております。僕はもっぱら「BD-2w」の音しか使わないんですけれども、まあいい音がします。僕にとってはね。

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 見た目良し、音良し、サイズ良しと、褒めるところしかない名器なんですけれども、唯一気に入らない点があります。それはこのフットペダル。

 なーにが「技waza craft」じゃいと。
 高校生の頃に通常の「BD-2」を使っていた期間が長かったせいもありますけれども、未だに違和感が拭えないし、シンプルにダサい。海外では受けるのかもしれませんが、準和製である僕には一個もいいと思えない。思えないんだけれども、音がいいので「BD-2w」を使わざるを得ない。仕方なくこのまま使い続けていたんですけれども、しばらくして気付いたんです。
「あ、BOSS公式のペダルプレートを買って貼り替えればいいんだ!」
 と。

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 それに気付いたのが2022年の秋頃でしょうか。
 BOSS製品を販売しているRolandのオンラインショップを見ると、ラインナップには確かにこのペダルプレートがあるんです。が、常時欠品状態で、1年以上入荷見込みがなかった。でもまあ急ぎでもないし、復活したら買えばいいか〜程度に考えていたんですが、一向に入荷しない。月に1回くらいチェックするんですけれど、全く入荷しない。これまさか廃盤になった? でもエフェクター界の重鎮であるBOSS製品の純正パーツが廃盤になることなんてある?? と思って日々チェケラを続けていたのですが、やっぱり入荷しない。
 痺れを切らして他のオンラインショップを探索していたら、音楽家にはお馴染みのサウンドハウスで、このパーツの入荷待ちが出来ることがわかりました。まあ急ぎでもないし、パッチケーブル(エフェクター同士を繋ぐ短いギターケーブル)も欲しかったりということで、適当にポチったのが2023年の夏頃。それから一向に入荷の案内が来ず、しまいには「入荷見込みが立っていないので発送出来ません」の連絡。まあでも、入荷されたら発送するって言ってるし、もう決済はしちゃったから、気長に待つかぁ……と耐え忍んでいて、2024年の2月後半、ようやく届いた。

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 マジでただのゴムシート。
 裏面に剥離紙がついていて、剥がすとシールになっている。値段も300円くらいだったかな……あんまりよく覚えてませんが、とにかくBOSSの純正パーツであることに変わりはない。
 ッッッッッッッッッッッパねぇ、エフェクターのフットペダルと言ったらこれなんですよ。これこれ! 人生の中で地面の次に踏んだのがこのペダルプレートでしょうね。その次が地団駄か二の足なんですけれども、とにかく踏んできたのがこれです。なーにが「技waza craft」じゃ。シンプルでいいんだよこういうのは!

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 そんなわけで「BD-2w」のプレートを剥がして、

 シリーズのアイデンティティも剥がして、

 貼り替えたものがこちらになります。

 う、うおおおおおおおおおお!
 まさにブルースドライバーの風格だ!!!!!!!!!

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「通常品のBD-2の蓋だけ変えればよくね?」という意見が聞こえてきそうですが、そういうことじゃないんだよなー……お前さあ、テセウスの船って知ってる? スワンプマンってわかる? そういうことじゃないじゃん。愛情ってもんがねーのかよお前には。
 いや機材のアイデンティティを奪っておいて何言ってんだって話かもしれませんが、僕はあくまでも「BD-2w」が好きで、唯一気に入らないペダルプレートが交換したかっただけで、「BD-2」の匣が好きなわけではないんですよ。そこがちょっとした違いです。面倒な生き方してんな相変わらず。

 とにかくそんなわけで、ご丁寧に「BD-2w」の刻印がされていて、且つペダルの留め具が銀ネジでペダルプレートが通常版の「BD-2w」の完成です。
 僕は大体、LEVELとTONEは12時、GAINはフルテンという感じで使っていますが、ブースターとして使う場合はGAINとTONEの調整だけでいいかんじに甘い響きを出すことも可能なので、流石は名前に「ブルース」を冠していることはあるなという使い勝手の良さです。ブルースだから青色なのかについては、永遠の謎ではありますが、わかりやすいですよね。ブルースドライバー。

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 実際、「技クラフト」のペダルを剥がすのは超簡単でした。粘着シールで貼ってあるだけなので、マイナスドライバーかなんかを差し込んで無理矢理引っ剥がすだけです。「技waza craft」のプレートについても貼ってあるだけだったので、これも無理矢理剥がすだけ。あとは位置を慎重に合わせて貼り替えればそれでOKでした。
 まあ貼り替えたからと言って、スタジオに行く用事もライブをする予定もなく、ただ家で漫然とギターを弾くだけなんですけれども、かれこれ20年近くギターを弾いているとなんだかんだで機材は増えて行くものですね。僕なんかは本当に箱物持たない主義ではあるんですが、それでも現状、エフェクター類は3つあります。あと1個欲しい空間系エフェクターがあるので、流石に4個超えたらボード組もうかな……とも思っています。やりたくないですけど。仕方がないので。

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 ついでと言ってはなんですが、最近の福岡さんのギター事情をチラ見せします。
 最近はもうオーディオインターフェースでPCから音出すとか、大きなアンプに繋いで弾くとかもなくなり、Spark Goというミニアンプでギターを弾いています。画像奥のアミアミしたやつですね。さらに奥にHHKBがあるのでサイズはなんとなくわかるかと思いますが、めっちゃコンパクトです。これにオレンジのパッチケーブルで繋がっているのが、DITTOのルーパー。ギターで弾いた音を一時的に記録して、それをループ再生してくれるエフェクターです。で、これにBOSSのワイヤレスシステムを繋いでいます。4小節から8小節くらいのバッキングを弾いて、ルーパーで再生して、それに合わせてソロやメロを弾いて気持ちよくなるというのが昨今の福岡さんの営みです。

 ただ、ご覧の通り卓上に広がっているので、踏むわけにはいきません。パワーサプライも導入しておりませんので、家で弾く場合にはブルースドライバーが活躍することはほぼありません。そうなってくるとやはりボードを組むしかないんですが……まあまあ、別にエフェクターを踏みたくてギターを弾いているわけではなく、ギターが弾きたいからギターを弾いているので、道具はあくまでもオマケというか……道具にも道具に対する個別の情熱はあるわけではありますが、本筋はギター、ひいては音楽にあるわけで、そこをメインにする人生でもないよなとか、そんな感じでしょうか、今回の記事のまとめとしては。

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 まあとにかくそんなわけで、頑張って生きています。もう3月!? って感じですけれども、日々なんとか健康を目指して生きているのではないでしょうか。
 目下の人生の目的としては、正月くらいから始めたマイクラのワールドに、キングス・クロス駅をモチーフにしたクソデカ駅舎を建築することです。あとはギターが上手くなることと、自炊をとりあえずは1年続けること……あとはそうだな……昔みたいに高音を出せるようになることかな……打鍵はしばらく、少なくとも情熱が上回るまでは、1年近くお休みすることでしょう。でもまたどうせなんか書くんだろうな。そんな気がします。それまでは情熱に耐えられる体の構築に勤しまないとね。
 あとはー……お酒をやめてお金が貯まる一方なので、年内どこかで三重あたりに遠征に行きたいところです。先日神戸に遊びに行ったんですが、神戸牛を食べたので、次は松阪牛あたりを狙いたいところです。あと牛あったっけ……仙台? まあ、そういう食と旅にも傾倒していけたらいいですね。旅は良い創作の栄養になりますからね。
 そんなこんなで、久しぶりの日記でした。2024年始まって以来、まともにキーボードを叩いたのは初かもしれない。まだ全然(個人の感想としては)打鍵速度は衰えていなくて良かったと思いました。
 それではまた来年!
 さようなら!

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