「価値」を支えていること

もし、「美術市場」に認められ、そこに「登録」されて「作者」になることが、「芸術家」であるのならば、「作者」たちは、そこでの「仕組み」や、「制度」を信じて疑わないということである。それでも、「作者」らが、「芸術家」であることを超えて、産み出してしまう、何かが、純粋に斬新な、出来事となるかも知れない。しかし、それが、核心に触れていればいるほど、同じ時代に、生きる人々の、殆ど誰にも、理解されないだろう。もちろん、そこで、奇跡的に生成されたことの有するであろう、本質的な射程は、どのような方法でも「証明」できないし、そうする意味もない。そして、「登録」された、ナイーブな「作者」たちが、「芸術家」として、現状に甘んじてしまえば、「資産=所有」としての「価値評価」の「制度」を補完し、それが強化されることがあっても、創造の奇跡に到達することは、ほぼ、不可能だと思う。

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