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娘との別れの日

             
「ママ、抱っこして!」さっきまでベットで寝ていた娘が
起き上がって叫びました。
びっくりした私は「どうしたの?」と抱えようとした瞬間
看護師が飛び込んできました。
娘の心電図モニターに目をやると、心電図の波形はフラットになっていたのです。

私は娘の名前を呼びました。
夫は状況が理解できない様子で、私は「心臓がとまっちゃった!」
と夫に告げました。
看護師が手際良くベットを整え、後から駆けつけた医師とで
娘の蘇生を始めました。

今見えている現実を受け止められない
しっかりしなきゃ、死なないで欲しい・・・・
頭はフル回転しているのに
体は凍りついて身動きも出来ませんでした。
ただ、目からはポロポロと涙が落ちてきて
気がつくと、娘の名前を繰り返し叫んでいました。

「合わせたい家族をすぐに呼んでください」そう促され
夫は電話をかけに走っていきました。
蘇生を施してみるものの、時間だけが過ぎ去り
娘の心臓が再び動き出すことはありませんでした。

5年と2日の闘病生活が終わった瞬間であり
娘の人生が終わった瞬間でもありました。

娘がいない人生を生きていかなくてはならない
そんなの、人生と言えるのだろうか
そんな人生を生きる意味があるのだろうか
娘はどうして病気になったのか
そして、死ななければならなかったのか
私が何をしたというのか
なぜ、なぜ、なぜ・・・・・。

そこにいたかった訳ではないけれど
私の心はあの日、あの病室から出ることができませんでした。
多分、娘がいない人生を生きたくなかった
だから、娘が最後に存在していたあの日に居続けたんだろうと思います。



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としみ
最後まで読んでくださって、ありがとうございます。またの訪問をお待ちしています : )