【ノスタルジア】指押しについて(入門編 2/2)

  本記事では、前半の記事では書ききれなかった少し細かい話を書いていきます。
  また、説明の都合上、手の指をそれぞれ次の数字に割り当てておきます。

親指=1 , 人差し指=2 , 中指=3 , 薬指=4 , 小指=5

意外と大事な「手の位置」と「手の向き」

  指押しを意識するようになって、まず始めにぶち当たる壁としてこんなものがあります。

「あれ?ちゃんと指1本だけで押してるのに隣の鍵盤も反応してる…」
「指押し出来てきたけど、何故かミスタッチの点数がもの凄く低い…」

  これ、上級者でもなかなか乗り越えられない永遠の課題なんですが、実はちょっと意識するだけである程度解消されます。
  それは「手を真っ直ぐに置くこと」と「腕を真っ直ぐ左右に動かすこと」です。

  次の写真をご覧下さい。
(手が真っ直ぐのやつと斜めになってる写真を用意)
  左の写真ではきちんと鍵盤1つ分反応しているのに対し、右の写真では手が外側を向いているため、隣の鍵盤を巻き込んでいます(※)。
  手が真っ直ぐ向いてないことを自覚出来ていない場合、手の角度が内側(または外側)に向いている分指の位置も少しズレるため、「自分が押そう」と思っている鍵盤の位置よりもズレた所に指が降りるわけです。
  そのため、鍵盤と鍵盤の間を押してしまったり、あるいは隣の鍵盤を押してしまう、という事故が起きるわけですね(※2)。


(※  あくまで一例です。巻き込む原因は他にもたくさんあります。)
(※2  もちろん諸説あり。筆者はこのパターンが非常に多かったです。)


  「手の向き」と同じくらい大事なのが「腕を左右に水平に動かすこと」です。
  (斜めに動かしている比較画像を用意)

  これは同時押しをする際に最も意識するポイントなのですが、先に同時押しの際の指の間隔の話を知っていた方がピンと来るかもしれません。同時押しの話はもう少し後で行います。

  とは言っても、同時押しだけではなくノーツ1つ単位を押す場合でも腕の動かし方は重要になります。
(遠いノーツを取る際の腕の位置が比較できる画像を用意)

  例えば、今押した鍵盤からかなり離れたノーツを取る場合を見てみましょう。
  水平に腕を動かした場合と、鍵盤よりも若干奥(もしくは手前)に腕を動かした場合では、やはり到達点が若干ズレます。


積極的に「手元動画」を撮ろう

  これは、アスリートがよく自分の動きを録画して、陸上選手なら手の振りや足の上げ方、フィギュアスケートの選手ならジャンプの時のフォームを確認するのと同じことです。
  自分の手元動画を確認して、手の向き、手の位置、腕の動かし方を確認しておくと良いでしょう。
  筆者は真上からの撮影をオススメします。ゲーム画面も少し映れば尚良しです。
  この時、リザルトまで残す必要はありません。確認すべき所が確認できたら動画ファイルをすぐ削除しても問題ありません。
  一番大事なのは、「自分がどのように腕を動かしていて、手の向きのクセはどうなっているのか」などを客観的に確認することです。


どの譜面でも応用できる「指の鍛え方」

  さて、前の記事で挙げた3本指が動くようになってくると、少し難易度の高い曲も出来るようになっていると思います。
  この段階では、おそらく「タララン♪の階段が押せない…」「CarezzaのHardに出てくる23212が押せない…」といった悩みが出る頃でしょう。
  指が動かしたいタイミングで動かないというのは、音ゲーマーにとって致命的なことです。
  そこで、筆者が提案する練習方法は「手首の位置を固定して、指だけを動かしてノーツを取る(鍵盤を押す)」です。
(画像を用意)
  前の記事では、

  また、手首が動いてしまっても、腕が動いてしまってもいいので、「指1本で鍵盤を押している」という感覚を掴むのも重要です。

と書きました。ここから更にレベルアップして、腕や手首を動かさなくても指だけで鍵盤を押せる、という新しい感覚を身につけましょう。

とても大事な注意(必読)
  この練習法は、指だけを動かすため手首にもの凄く負担がかかり、最悪の場合腱鞘炎になることもあります。
  始めのうちはとても簡単な譜面で行い、決して難易度の高い曲では行わず、連続でやり過ぎないようにしてください。ノスタルジアをやる日に1~2譜面程度で十分です。慣れてきたら少しずつ増やしましょう。
  また、プレイ後に必ずストレッチをしましょう。プレイ後すぐではなく、帰宅してからでも全然構いません。

過度な負荷はダメ、ゼッタイ。


指のストレッチ

  プレイ前のストレッチも大事ですが。プレイ後のアフターケアもとても重要です。
  指を動かすためには、手首のストレッチだけでは実は十分ではありません。指の腱を伸ばしてあげる必要があります。
  このストレッチも、いきなり強めにやると腱を痛めますので、始めは軽くやりましょう。

《やり方》
①右腕を真っ直ぐ前に伸ばします。手の平は開いておきます。
②左手で人差し指を持ち、持った指だけ上に軽く反らします。
③  ②の状態のまま、右手をゆっくり握り、ゆっくり開きます。
④  ①〜③を人差し指、中指、薬指(※)で行います。
⑤  左手でも同様にストレッチを行います。

  これを毎日少しずつ行います。すると、段々と指の動きが軽やかになるのを実感出来ると思います。

(※)補足
  おそらく、「なぜ3本指でプレイしているのに、薬指もストレッチするの?」と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
  薬指もストレッチする理由は、人間の手の構造にあります。

  人間の指には、腱と呼ばれるものがあります。平たく言うと、その指を動かすための専用の筋肉、とイメージしていただければ十分です。
  どの指にも独立した腱がある…はずなんですが、なんと中指と薬指は例外で、なんと独立した腱が無いんです(中指は人差し指と薬指との共用、薬指は中指と小指の共用)。
  (ただし、中指は日常生活で使う場面が多いため、動きを制御できる程度の筋肉がついています。)

  中指を動かすと一緒に薬指が動く、という経験はみなさんあるのではないでしょうか。
  これは中指を動かすと、中指と共用になってる薬指の腱も動くため、薬指も一緒に動く、という仕組みです(※2)。
  中指だけをなるべく独立させて動かしたい場合、中指と薬指のそれぞれの腱を伸ばしてあげる必要がある、というわけですね。

(※2  うろ覚えの説明です。間違っていたら申し訳ありません。)
  

入門編から中級者へ、3本指から4本指へ

  3本指で押せるようになれば、入門編は卒業です。おめでとうございます!
  「興味はあったけど難しくて手を出しづらい…」と感じていたことが出来るようになる、というのはものすごい事です!

  3本指での指押しが安定してきたら、次は薬指を含めた「4本指」にチャレンジしてみましょう。

終わりに

  これにて、入門編は終了です。お疲れ様でした。2つの記事に分けて書いた入門編でしたが、いかがでしたでしょうか。
  前半は特に「イメージを持つこと」が話の中心だったと思いますが、筆者はこれが一番重要な、指押しの核となる部分だと思います。
  ピアノが弾けなくても、まるでピアノを弾いてる気分にさせてくれるゲーム、それがノスタルジアです。
  汚い言い方をしますが、ピアノを手の平押しするピアニストはほとんどいないと思います(※)。
  指押しが出来るようになると、よりピアノを弾いているような気分を味わえるのではないでしょうか。

(※  楽譜にそういう指示が書いてある場合を除く)

  グレード上げももちろん大事ですが、ピアノを弾く気分を味わう、そんなノスタルジアの遊び方も、結構面白いもんですよ。
  ピアニストっぽく指押しが出来るよう、皆さんもぜひ、指押しの世界に足を突っ込んでみてください。
  「指押しに興味を持つ方が増えてくれること」。筆者にとってこれ以上嬉しいことはありません。
  ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。

次回予告

  さて、現在中級者編の構想を練っているところです。内容は
・「指くぐり」とは?
・4本指から5本指へ
・まずは強弱を気にせずに
・ミスタッチを減らそう
・どうしてもやって欲しい練習曲

辺りになる予定です。こちらもどうぞお楽しみに。
では、また。




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