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ウェットシェービングへのいざない Vol.2

ウェットシェービングって何をするの?

簡単に言えば床屋さんでしてもらえるようなシェービングです。
ですが最近では床屋さんに行ったことが無い人も多いようなので、ここではウェットシェービングの流れを説明したいと思います。

まずは髭剃りの下準備(プレシェービング)

電気シェーバーなどに慣れている人にはそんなに手間がかかるの?って思われるかもしれませんが、ウェットシェービングにはシェービングを始める前の下準備があります。

もちろん使う道具を用意するのは言うまでもありませんが、ウェットシェービングではスキンコンディションを整えるところから始まります

具体的には、ぬるま湯で洗顔する、シャワーを浴びる、蒸しタオルで顔を包み込むなどして毛穴を開かせて髭を柔らかくします

人によっては、特に髭が濃い人などは、プレシェービングオイルを使ってさらに髭を柔らかくして、なおかつ肌を保護するための油膜を作ります。

この下準備を経てやっと本題のウェットシェービング(すべての行為を一連の儀式と喩えている人も!)に臨むことが出来ますよ

ラザリング(Lathering) 泡立て

さあ、お気に入りのシェービングブラシを使ってシェービングソープを泡立てましょう!

まずはシェービングソープの入っている容器からシェービングブラシにソープを取り込むローディングを行います。

ローディングには乾式と湿式があります。

乾式はシェービングブラシの毛をぬるま湯で少し濡れた状態にしておいてから(実際にはしっかりと濡らした状態から軽く絞ったり振るったりして水分を少ない状態にして行います)シェービングソープの容器の中を回すようにしてソープをブラシにたっぷりと付けていきます。

何故たっぷりかというと、ウェットシェービングではファーストパス、セカンドパス、サードパスというように順剃り、クロス剃り、逆剃りのように何回かソープを塗って髭を剃る行程を繰り返すからです。

湿式はたっぷりとぬるま湯の水分を含んだブラシをシェービングソープの容器の中でローディングすると同時にラザリングしてしまいます(普通その後顔の上でさらにラザリングをして髭を剃る準備を終わらせてしまいます)

どちらがいいかどうかは別として、乾式でラザリングしている人が多いように思います。

そして乾式のラザリング場合はシェービングブラシに移しとったシェービングソープをシェービングボウルで適宜水分を加えながら泡立てていきます

また、シェービングクリームではシェービングボウルに適量を出し(小さいスプーンですくい取ったりする場合もあります)シェービングブラシに適量の水分を加えてラザリングしていきます。
少数かもしれませんが、顔にシェービングクリームを少し塗ってそこでラザリングする人もいるようです

シェービングボウルでラザリングした後は髭を剃る部分にシェービングブラシで泡立てたソープを塗っていきます。この時のポイントはペイントするようにブラシを使って塗っていくのだそうですよ!

人によってはブラシで肌をマッサージするように塗ってあげると毛穴の汚れが取れると言いますが、ラザリングする時点で細かい泡を立てるべく、なるべく丁寧に優しく泡立てをしてあげると、その細かい泡ゆえにその泡に汚れが吸収されるのだそうです。
ことさらブラシで掻き出すようなことはしなくても良いのだそうです。
石鹸の泡にはそういった性質があると聞きました。

ラザリングのメインイベントはなんと言っても香りを楽しむことにあります!

日本で販売されているシェービングソープには、薬事法によってアレルギーなどの臨床テストなどや申請手続き、またそれにかかる費用の点から販売するためのコストが非常に高くなるために、海外で販売されているいわゆるアーティサンソープのような個性豊かなシェービングソープは少ないのが実情です。(いい香りのものもたくさんありますが)

海外で販売されているアーティサンシェービングソープは本当にいろいろな香り、それもそのソープのストーリーがあるようなものから有名なパフュームの香りのものまで、さらにはフルーティーな香りのものからウッディーなもの、お酒の香りやタバコの香り、スパイスや花の香りなど様々なものが数多くあります。
そして、ただ単に例えばレモンの香りというものではなく、レモンの香りをベースに甘い花の香りにムスクやサンダルウッドなどの香りを織り交ぜて一つの作品にしたような、そんなソープがあるのです!

そしてこのラザリングをしている時に、このソープには何の香りがあるのだろう?とか只々その香りを楽しみながら泡立てる作業をする。そこが時間がかかるけど最高に贅沢で愉しい時間となるのだと思っています。

自分が1番好きなソープでラザリングしている時の至福感といったら!これ以上のものはありませんよね(笑)

もちろんTPOによっては香りがあるものが好ましくないこともあるので、無香料のシェービングソープもありますよ!

シェービング

次は、サンタクロースの白い髭のように、髭の伸びているところに沿って塗られたシェービングソープをなぞるようにカミソリで髭を剃っていきます。

いわゆるファーストパスです。普通は上から下へ髭の生えている方向に向かって順方向に剃っていきます。

剃る時にはカミソリを軽く肌に当てる感じで軽く剃っていきます。あまり剃れなかったらまた同じところを剃ればいいのです。

カミソリは軽く肌に当てて十分に剃れるように出来ているのだそうですよ!

出来れば一編にたくさんのスペースを剃るのではなく、軽い肌当たりで少しのスペースを剃ることを繰り返すのが、剃刀負けや刃当たりで出血するのを避けるコツです。

ファーストパスが終わったら、シェービングソープを再度塗ってセカンドパスを行います。
(人によっては軽く顔を洗ってからシェービングソープを塗る方もいますよ)
今度はクロス剃りといって顔の横方向にカミソリを動かして髭を剃ります。

剃り終わったら再度シェービングソープを塗ってサードパスを行います。
サードパスは逆剃りといって下から上へ髭の生えている方向とは逆方向に剃り上げて深剃りをします。

きれいに剃りあがったら、シェービングソープを温かいお湯で十分洗い流しましょう。
これでシェービングの行程は終わりです。
シェービングソープにも肌の保湿成分が入っていますのでこれで終わる方もいるかと思います。

ちなみに私の場合は毎日シェービングしていること、それほど髭が濃くないのでアゴの下部分と下唇の下のアゴの部分以外は逆剃りをしません。
これはあまり深剃りを進めてしまうと少なからず肌へのダメージがあるからです。それにまた明日シェービングをするので追い込んだシェービングは必要ないと思っているからです。
セカンドパスでクロス剃りの最後にアゴの下部分と下唇の下の顎の部分の逆剃りをして、サードパスでは仕上げの順剃りを軽いタッチで行って終わりとしています。

アフターシェービング(ポストシェービング)

日本では春から秋にかけては比較的高温多湿なのでアフターシェービングローションなどの保湿が必要な方はそれほど多く無いかもしれませんが、かなり深剃りをする方やスキンコンディショニングを重視する方にはポストシェービングでのローション(化粧水)やバーム(乳液)、スプラッシュ(ローションよりも肌当たりが軽い化粧水)などの使用は大切な行程となります。

ローションやバーム、スプラッシュそれぞれにソープに関連した香りがあるものがあったり、無香料のものがあったり、人によっては別にお気に入りのものがあったりします。

また髭剃りで剃刀負けがあったり少し出血してしまった場合などにアルムブロック(ミョウバン)を使って消炎、抗菌作用をさせる方も多いですね。
個人的にはメンターム軟膏をちょっと塗っておく程度ですが。

後片付け

シェービングが終わって肌が整ったら、使った道具のお片付け。

まずは、シェービングブラシをきれいに洗って水分をとり乾燥させます。
きれいに洗い流すことでブラシの毛の寿命を伸ばします(特に動物性の毛の場合は大切なお手入れです)
さらに十分乾燥させることで雑菌やバクテリアの増殖を防ぎます。

次にシェービングボウルを洗います。
さらにレーザー(カミソリ)を分解して小さいブラシなどできれいに洗います。レーザーブレードは手を切らないように気をつけて軽くブラシで洗います(お湯で流すだけの人も多いようですね)

小さいお子様のいるご家庭では手の届かないところにきちんと保管する!
コレクションとしてだんだんアイテムが増えてしまいがちですが、刃物ですのでこのような配慮はしていかなければなりませんね。

これで一通りウェットシェービングが終わりました。

実際に使用するシェービングボウルやシェービングブラシ、レーザー(カミソリ)、レーザーブレード(カミソリの刃)、シェービングソープ、アフターシェーブローションなどについては次回以降の別のエントリーで書きたいと思います。

また、Instagram(@ezshaving)でもウェットシェービングのアカウントを更新しています。よかったらフォローしてくださいね。

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