見出し画像

ウェットシェービングへのいざない Vol.3

ウェットシェービングのアイテム

ウェットシェービングには基本的にシェービングブラシ、レーザー(カミソリ)、シェービングボウル(ボウルを使わずにフェイスラザーと言って顔で直接泡立てる方法もあります)、レーザーブレード(カミソリの刃)、シェービングソープ(シェービングクリーム)などのアイテムが必要になります

また、髭の質や肌の質などによってプレシェーブオイルやアフターシェーブローションなどが必要になることもあります。

私の場合にはあまり髭が濃くないのと毎日シェービングしているので、プレシェーブオイルは必要ありません。
また、冬以外は日本では湿度がかなり高いのでシェービングソープに含まれている保湿成分で十分なので、アフターシェーブローションやバーム(乳液)、スプラッシュ(ローションよりも軽い肌当たりの香りの付いた化粧液のようなもの)も使っていません。
そしてアルムブロック(ミョウバン、軽いカミソリ負けや刃当たりに止血や消炎効果がある)も使っていません。そのような時にはメンターム軟膏を少し塗っておきます。

道具沼へようこそ!

ウェットシェービングをはじめてみると、深淵を覗きたい衝動がだんだんと、また日に日に高まってきます(笑)

コストパフォーマンスがいいとか、長期的には経済面で得をすると思って始めたはずが、凝り性が高じてその反対側のベクトルにだんだんと進んでいってしまうのです。

何の道具沼に嵌まるかによって散財具合も大きく異なってきますよ。
どうかご注意を!

それではそれぞれのアイテムやお道具を紹介していきましょう!

シェービングブラシ

Muhle PURIST Shaving Brush Karelian masur birch
The Parker WHPB White and Chrome Handle Best Badger Shave brush

世の中には様々なシェービングブラシがあります。ブラシの材質や形状、ボディーの材質や形状、またそれぞれの大きさやカラーなど本当にたくさんの作品(鑑賞用でほとんど使われないものもあるそうですよ!)があります。

ブラシの材質については、アナグマの毛、豚毛(イノシシ)、馬の毛、山羊の毛、合成毛(Synthetic)などがあります。

それぞれの毛にはそれぞれの特徴がありますので、どれを気に入るかは使ってみないとわからないということがあります。

例えばアナグマの毛にもいろいろなグレードがあって、最高級と言われるのがシルバーティップバジャーというもので、次にピュアバジャーとかファインバジャーと言われるものが続きます。
同じシルバーティップバジャーの毛であってもノット(knot)という結び目の太さで肌あたりの柔らかさや感じも異なってきますし、毛先の形状(丸い形か曲線が緩やかな形か)によっても使用感がこれまた異なってきます。
さらにシルバーティップバジャーは毛の質が一番柔らかいのですが、使い方によってはピュアバジャーなどの方が毛の質が少し固くなる分、腰がある使い心地があり好感触ということもあります

また、ヨーロッパなどではアナグマの個体数の減少や乱獲抑止のために動物毛の販売を自主規制して合成毛の取り扱いを重視しているところも多くなってきています

ボディの方はさらに多岐にわたります。
金属、木製、レジン、プラスチック、陶器などなど。素材だけとっても多くの素材があります。
さらには美術性の高い模様や刻みの入ったものなども!
カラーや光沢も様々、好みによってとにかく沢山のものの中から選ぶことができます。

価格も、言い方は良くないですがピンからキリまで。
数百円のものから数万円のものまで(二桁万円のものもあるみたいです)

シェービングブラシは一つだけ持っているという人の方が少ないのではないでしょうか。
収集する目的の人はもちろん、動物毛と合成毛の違いを知りたい人も、動物毛でも最高級グレードのものと普通のものとの違い、所有欲を満たしたいなどの理由があるでしょうか。
そして何より自分の好みに合ったブラシに巡り会いたいとトライする人も多いと思います。

レーザー(カミソリ)

Muhle R89 Closed Comb Double Edge Razor

カミソリは大きく分けて3つの形があります。両刃カミソリとストレートカミソリ、それとカートリッジ式のカミソリです。
両刃カミソリは両刃のついた刃を装着して使うもの、ストレートカミソリはいわゆる床屋さんで使っている片刄のカミソリです。カートリッジ式は最近では5枚刃など複数の刃をカートリッジに収めたタイプのカミソリです。

また、それぞれのレーザーにもいろいろな機能が追加されたものや簡略化したものなど多様なものがあります。
このレーザーにおいても様々な素材のものがあり、スチール、ステンレス、チタン、アクリル、木製、エストラマー樹脂などがあります。
美術品のように彫金したり装飾されているものもありますよ。

まずは両刃カミソリ。
両刃のレーザーブレード(両刃のカミソリの刃)を装着して使用するレーザーです。構造は3ピース、2ピース、1ピースものがあります。

3ピース構造の場合、ヘッド(Head)、コーム(Comb)、ハンドル(Handle)に分かれています。
このタイプが一番多くコームの種類(オープンやクローズといったものがあり、肌へのブレードの当たりを決めます)やブレードの固定角などで剃り味の特徴を出すことができます。また、ハンドルの長さや重さなどでもそのレーザーの使用感等の印象が変わってきます。

3ピース構造のレーザー
クローズドコーム(左)とオープンコーム(右)
ヘッドとコームを同じハンドルでコンバーチブルに使うことができるものがあります

2ピース構造の場合はハンドルとコームが一体になっています。
このタイプではヘッドを引っ張る具合を変えてレーザーブレードの反り具合を変え剃り味を1つのレーザーで変えることができるものがあります。

2ピース構造のレーザー Parker Safety Razor Variant
下部のアジャスタブルスクリューでヘッドの引っ張りを調整してブレードの反り具合を変更します

1ピースの場合は全てが一体になっています。
バラフライ構造といって、ヘッド部分が開くことでレーザーブレードを収納することができるようになっています。

また、両刃のレーザーブレードを半分に折って片面の刃を使うレーザーもあります。

一方床屋さんが使っているようなストレートレーザーというカミソリもあります。

日本カミソリ型のレーザー Feather Professional Artist Club DX

折りたためるような構造のものと、日本カミソリと呼ばれる1本もののカミソリとがあります。それぞれに替刃があるものとそうでないもの(研ぎが必要なもの)があります。
床屋さんでは自分を剃るのではないので利き手だけを使って剃りますが、右側を右手で左側を左手で剃る方も多いようです。

カートリッジ式はもっともポピュラーなカミソリです。
複数の刃がついたカートリッジを装着する構造になっていて、カートリッジが肌面に合わせて自在に動くものや電動で振動するものなど様々のものがああります。

Schick Hydro 5 cartlidge razor

また、ドラッグアストアでも入手しやすくブランドロイヤリティーが高いものでもあります。そのブランドロイヤリティーが高い為、シェービングフォームやジェルなども同じブランドで揃えている方も多いようです。
さらに電動シェーバーに比べて肌荒れしにくいこともありセンシティブな肌のユーザーは多いように感じます。

余談ですが、私はロードバイクにも乗るので脚の毛をシェービングする際にはこのカートリッジ式のレーザーとシェービングフォームを使っています(笑)

シェービングボウル

Le Creuset rice bowlをシェービングボウルに使用

フェイスラザリングといって顔面でシェービングソープを泡立てる人もいますが、シェービングボウルを使って泡だてる方は多いように思います。

床屋さんで使っているラザリング容器のようにお湯を入れておくところと泡立てるところがセパレートされたものもありますが、一般には丸い容器を使って泡立てることがほとんどでしょう。

形は丸いものがほとんどで、お茶碗のようなものからマグカップのようなものまで色々とあり大きさも色々とあります。
また、内部に泡が立ちやすいように突起や渦巻きなどがあるものもあります。
素材は陶器、金属、石、プラスチック、などがあり最近では3Dプリンターで成型したものまであります。
冬場などは陶器のものはお湯で温めることができますので肌触りの暖かい泡を立てることができます。

レーザーブレード

両刃のレーザーブレード(上、5個)、ストレートレーザーブレード(下)
OLFA Blade disposal case カッターの刃用ですが使い終わったブレードを入れています

レーザーブレードは主にスチールのものとステンレスのものに分かれるかと思います。またそれぞれにコーティングや製造方法など生産者によって様々なものがあり、切れ味や切れ味の持続性など多種多様なものがります。

切れ味はシャープなものが良いとは一概に言えないところが奥の深いところ。
その人の肌質などによって、また使うレーザーによって肌当たりや剃り味が違ってきます。いくつか使ってみるうちに好みのものに出会うことができると思います。
価格的にも1枚10数円のものから、100円くらいのものまであります。これまた、高ければいいというものではないところが(笑)
価格が価格なので試してみることのハードルはそれほど高くありません。実際に使ってみて自分に合うか合わないかを試してみることが、自分の好みを見つける近道ですね。

シェービングソープ

Artisan Shaving Soaps

日本国内で入手できるシェービングソープやシェービングクリームはそれほど多くはありません。

というのも日本には薬事法というものがあってシェービングソープやクリームもその対象となっていて一つの商品を発売するには法律に則った手続きが必要になるからです。
アレルギーや薬品による反応などの臨床検査の実施や申請手続きに係るコストなどがその要因と言われているようです。

そのため主に大手の製品(シェービングソープやクリーム、フォーム、ジェルなど)が市場に出回っており入手しやすくなっています。

反対に海外では人気も高く様々な種類のArtisan shaving Soapと呼ばれるシェービングソープはほとんど国内では入手することができず、海外通販での個人輸入によって入手するしかありません。

シェービングソープには大きく分けてTallowと呼ばれる牛脂から作られているものとVegan(植物由来の成分)から作られているものの2つがあります。

Tallow Type Shaving Soap
Vegan Type Shaving Soap

個人的な使用感の感想はTallowは油分が濃い分シェービング後のしっとりとした保湿効果があり、Veganはしっとり加減が若干あっさりしているように感じます。

Artisan shaving Soapの1番の特徴はその香りにあると思っています。
柑橘系、フルーツ系、フローラル系、スパイス系、ムスクやオード、アンバーなど多種多様の香りのものがあります。
また、あるストーリーからそれにまつわる香りを連想して作り上げたものや、香水の香りをオマージュしたものなど数えきれません!
しかしながら、すべての製品に異常が出た場合はすぐに使用を中止してくださいとの注意書きがあります。今ふうに言えば、自己責任で使ってみるというところでしょうか。

香水などの香りのものには今までとんと縁がなかった自分なのですが、Artisan shaving Soapとの出合いによってこんなにも深みにはまってしまうとは夢にも思いませんでした。

アフターシェーブローション

アフターシェーブコロン(左)アフターシェーブバーム(中)アフターシェーブスプラッシュ(右)
アフターシェーブローション(左)アフターシェーブスプラッシュ(中)アフターシェーブジェル(右)

シェービング後に(よくポストシェーブという言い方をします)シェービングソープをよく洗い流します。そして肌の乾燥防いだり肌のダメージを回復させるためにアフターシェーブローションを使います。

シェービング自体が軽く肌をピーリング(剥いている)していることでもあるので、肌にバリアの膜を作って乾燥や肌荒れから守ることを目的にしているものです。

アフターシェーブローションにはバーム(乳液)、ローション(化粧水)、スプラッシュ(ローションよりも軽い肌当たりのもの)、ジェル(ジェルタイプのもの)、コロン(香りの続くタイプのもの)などがあります。
その人の肌質や気候、乾燥具合などによって使い分けている人が多いようです。

私の場合には冬場以外はソープに含まれる保湿成分で十分なのであまり使う機会がありません。
しかしながら、ブレードの切れ味が良いものを使った時や、アグレッシブなレーザー(レーザーブレードの肌当たりが強くまた切れ味が鋭い時にこういう言い方をします。反対はソフトとかマイルドと表現するようです。)を使った時などには肌のトラブル防止にアフターシェーブローションを使います。

もっともっと深く潜ってみましょう

それでは次回以降のエントリーで私のたどった足跡を紹介しながら、ウェットシェービングの世界を深く深く旅していきましょう!

また、Instagram(@ezshaving)でもウェットシェービングのアカウントを更新しています。よかったらフォローしてくださいね。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?