「大体なにものかに影響を受け続けている」

 おはようございます。24時間365日。なにものかに、左右されている、わたしです。

 今日は家で、今週発売の週刊少年ジャンプを読んでいました。アクタージュの「西遊記」の前章が、一区切りついたといった感じです。

 当初は、主人公の夜凪景が、黒山監督と共に才能を開花させていくのかなと思いきや、友情兼ライバルポジの千世子ちゃんの方が、実は主人公ムーブをしていたダブルキャスト的な配役で目が離せません。来週も楽しみです。

 また前章の、「銀河鉄道の夜」を舞台とした話も素敵でした。

 わたしも、数年前に一度、東北の岩手に旅行に行ったことがあります。宮沢賢治さんの記念館、その他にもいくつかの観光名所を回りました。

 二泊して帰ったのですが、初日、宿に帰る道がわからず、迷子になりました。レンタカーのガソリンが付きようとしていたところ、現地の学生さんに、案内してもらったのは良い思い出です。あの時は、本当にお世話になりました。

 泊まった旅館の付近、散策できる峰沿いの道中にも、熊避けの鈴が釣られており、「わたしは今、世界樹の迷宮的なダンジョンの1Fにおるでよ…!」と興奮しました。

 脳内ナレーターが「キミはその鈴を鳴らしてもいいし、鳴らさなくてもいい」と実況解説が挿入されましたが、鈴は鳴らしませんでした。残念ながらFOEとはエンカウントしませんでした。

 話を戻します。

 宮沢賢治さんの、特に代表作のひとつにあげられる「銀河鉄道の夜」は、ジャンルが文芸とはいえ、読み終えるのが、昨今では中々難しい物語のひとつだと思います。

 それでもテーマとして、人の生き死にを、『旅』に見立てること。機関車の席に向き直り、主人公が夢の中で、亡くなった親友(たいせつなひと)と語り合い、最期の旅路を共にする。

 同じ世界の中、同じ時を過ごした者と語り合い、その最期を見送る。といったシチュエーションが、すごく「しっくり来る」と感じる人々は多いのではないでしょうか。

 実際、「銀河鉄道の夜」の一片や、世界観。設定の片鱗、フレーズを元にして、自作にも落とし込んでみた。という方々は、わたしの知る範囲でも結構いらっしゃいます。実際、わたしもやったことがあります。

 しかし「銀河鉄道の夜」そのものを、マンガ内で取り扱い、それを脚本として演じる役者と、夢と現実の狭間で生きる人々をまとめる、老練した監督の人生に絡めた物語を作る。といった作品を見た事はありませんでした。

 アクタージュで、初めてそうした試みを見て、該当の物語を読み終えた時は、率直に「おもしろい! すげぇ!」と感動して身悶えておりました。岩手に旅行に行った時の情景も浮かび、すごいマンガ家さんだなと、改めて感じました。

 他の作家さんにも思うことですが、正直『週刊連載』でこのレベルの作品を仕上げられることが、にわかに信じられないという思いです。少なくとも毎週、なにかしら、マンガと呼ばれる作品群から、影響を受け続けています。

 そうした時、よく言われるのが「君のルーツはどこにあるか」という問いです。まっさきに浮かぶのが、『個人と呼ばれるオリジナリティはどこにも無い』です。

 いつだって学べるし、なんだって勉強になります。
 最近は特に実感しています。ありがたいです。感謝。