風花
樹の洞のような肉体ぼくの掌はかなしい星を撫でていますか
いつか芽がでるのでしょうねあしの指のぼるてんとうむしを見ている
みどりごがなきやまぬゆえツナ缶をかたっぱしからあけて あかるい
このいのちをなかったものにしてしまう出席簿ですなんてざんこく
にいさんがのたれしんだというしらせ とどいていないだけのおしらせ
マタニティドレス永遠にやわらかな手織り機で織るゆめのよう(ゆめ)
ゆりかごのあいだにねじれたこどもたちほどいてゆけば一本のいと
鍵盤をことばのかわりにたたくからリビングだけがかすれた昼だ
産む性と産まない性に分けられてビニール傘でしたかくれんぼ
舞うばかりだれにも告げぬことばゆえきずつけられぬはなびらは雪
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