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免許取消の思い出 その⑦ このままではいかん!

さて、その後私は仮免の実技試験をトータルで6回受けることになりました。

学科試験は合格しているので、仮免についてはその後実技試験だけをひたすら受けることになります。

半分しか走れない

2回目、3回目とコースを完走するどころかほとんど半分で終了となってしまいました。

完走しないと話にならないのに、完走どころの話ではありません。

例えばどんな事が減点対象になったかというと...

走行を終えてからの試験官のコメントの中に、「左折時に左側に十分車両を寄せることなく、逆に右に一度車を膨らませて左折してクランクに進入した」という指摘がありました。

確かにクランクの入り口は車道が狭くなるので縁石に乗り上げないようにわずかに右にハンドルを切った覚えはあるのですが、私としてはほんのわずかなつもりでした。しかし、左側に不用意なスペースを空けると後ろから原付バイクなどが侵入して来た場合、巻き込みを防止することができない、ということなのです。

つまりこういうことです。私が今まで実際に車を運転してきた技術はあくまでも我流のものであって、実技試験で求められるのは100%ルールに基づいている必要があるのです。経験や勘とは別物の運転技術のことです。そう気づいた私は心を入れ替えました。

コースの暗記

で、まず何をしたかというと、コースの暗記です。実技試験では試験官が助手席でコースを指示していきます。「はい次の2番の交差点を右折」とか「はい3番で左折してS字に入ってください。」みたいな感じです。

私はこの指示があるからコースを覚える必要はないと高を括っていたのが間違いだったと気づきました。試験官の指示を待っていて進路変更などをしていては、必要な安全確認や走行面での準備、そして私の心の準備、そのどれもが不完全なまま進路変更をすることになります。コースを覚えていれば、常に先、先を見越した確認や運転動作を取れることに気が付きました。

そして先ほどの左折時に右に膨らんだ件についても、「ちょっとくらいいいじゃないか?」ではなく「まさに教則通り」の運転が求められているんだと肝に銘じました。

ここからは、今まで「運転していたのだから大丈夫」という認識は捨てました。

コースは3パターンあり、どのコースになるかはその日その日で変わります。私はこの3つのコースをコース図を基に必死で覚えました。「ここで車線変更して、交差点を右折、続いて3番のクランクを抜けて、次は踏切」みたいな感じです。そしてコースを覚えることに加えて、バックミラー、フェンダーミラーの確認、顔を向けての確認、などなど確認動作もシミュレーションしながら、3つのコースを頭の中で何度も何度も運転しました。

試験センターのコースは家が建っているわけでも、目印となる看板があるわけでもありません。どこも同じような風景で、その中でコースを覚えるのは本当に大変。私は最後まで100%覚えることはできませんでしたが、9割以上は9割までは覚えることができたと思います。

それでも、4回目、5回目とミスは続き不合格。やはりコースを半分程度しか運転することができませんでした。



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