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国産スマホ1号機ユーザーとして

私は日本で初めて発売されたスマホユーザーの一人のうちの一人なのはまず間違いないと思います。

まだ世の中折り畳み式だったり、バータイプだったり、いずれにしてもガラケー全盛だったころに、WILLCOMという会社が発売したW-ZERO3という国産1号のスマホを購入しました。

iPhone登場前のスマホ

日本でiPhoneが発売される3年前の話です。

私が持っていたW-ZERO3は当時にしてみればとても大きく、キーボードがスライド式で装備されているので厚みもありました。

職場の喫煙所で皆がガラケーを手にする中、私のスマホを見た同僚は「それゲーム機ですか?」などと聞いてきたり。

大体「スマートフォン」という言葉自体が存在しないに等しい頃でした。

OSはWindows Mobile、といっても知っている人少ないでしょうね。

ワードもエクセルも確か使えました。スマホで入力するのはちょっとしんどかったのですが、PCからワードやエクセルのファイルをスマホに送って閲覧なんてことはよくありました。かなり便利でしたよ。

PHSという足かせ

WILLCOMという会社はとても先進的で、私の感覚ではマニアックとも言えるようなユーザーも多かったのだろうと思います。一般の携帯ユーザーにはその先進性がピンとこなかったんじゃないでしょうか?

そして多分致命的だったのが、このW-ZERO3含めPHS方式だったこと。

電話番号が070で始まるのがPHSの特徴で、なんていうんでしょうか、「PHSなんてダサい」とか「電話番号は090か080じゃなきゃね」みたいな流れに負けていたのだと思います。

毎月契約者数を追っていたのですが、記憶では、WILLCOMは700万人くらいで頭打ちの状態が続き、他の大手キャリアと一桁違うところにとどまっていました。

私はPHSだろうが電話番号が070で始まろが、便利に使えればそれで充分でした。

聞きなれないSIMという言葉

もう一つWILLCOMの特徴としてSIMカードという言葉をいち早く使っていたことです。ジャケットフォンというコンセプトで、SIMカードを抜き差しすればいろいろな電話機で使えるというアイデアを実現しました。まるでSIMカードがジャケットを着替えるように電話機を変えることができるという。もちろんSIMカードは一つですから、電話番号も一緒です。

このジャケットフォンというアイデアについては残念ながらあまり恩恵にあやかることはありませんでした。

ただ、今でこそSIMとかSIMカードという言葉はごくごく一般的で、多くの人が知っていますが、この”SIM"という言葉をユーザー向けに明確に使いだしたのはWILLCOMです。

それとかつてはPCを屋外や社外で無線で使う場合、通信するためのツールとしてはWILLCOMのデータカードが最も多く使われていたはずです。

名刺くらいの大きさのカードをPCのスロットに差し込めば、無線でPCがネットにつながったわけです。

WILLCOMのアンテナ

WILLCOMは先を行き過ぎていたと思います。今でも街のあちこちに4本だったり8本だったりするPHSの独特なアンテナを目にすることが多々あります。

そのアンテナのポールについているボックスに”WILLCOM"の文字を見つけると「よく頑張ったよ。おもしろいもの、アイデアをいっぱい見せてくれたありがとう!」言いたくなる私です。

今でこそ違うキャリアでスマホとガラケーを使っていますが、電話番号は2台とも070で始まる、WILLCOMで取得した番号のままです。

カッコ悪いなんて、間違ってもおもいません!

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