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SUMMER SONIC 2015 雑感①

予想していたこととはいえ鬼の寝不足。眠いのに暑くて眩しくて寝れないというテント泊あるあるに悩まされながら幕張メッセに移動。

やることないので物販の列に並んでいたら思いのほか早く売り場にたどり着いた。行列のほとんどが邦楽っていうかBABYMETALとマンウィズ目当ての為、洋楽のグッズが欲しい人は優先的に誘導されるとか地味に熱い。ここまで露骨に洋・邦の差が出るのかっていうぐらい洋楽は空いていた。

少しだけ床寝をしてから本線復帰。

●ALL TIME LOW
せっかく久しぶりに来たんだからサマソニっぽいポップパンクを聴きたくて潜入。ZEBRAHEADのように底抜けに明るいやつを期待してたんだけどなんかちょっとイメージと違った。あんまり面白いものではなかったので数曲で退席。

その後、PALMA VIOLETSに移動するもこちらもピンとこない。寝不足ローテンションを引き摺りながら、それでも活路を見出すべく予定よりも早めに幕張メッセを出た。

●Sawagi
急遽出演が決まったので公式サイトに記載されなかったという悲しみ。明らかな告知不足、屋根すらない炎天下でのライブ、機材の制限など不利な条件だらけで開演前は不憫に感じたりもしたが、Sawagiの緩急自在なグルーヴに身を任せながら内側から湧き出してくる楽しさをみんなでシェアしているうちに停滞していたテンションもガッツリ回復。彼らの出演した路上ステージは今年新設されたものである。お客さんの往来が多いSeaside Villageの入り口付近にあったので動員以上に彼らの音楽が届いていたことも嬉しかった。

●TUXEDO
Daft Punkが"Get Lucky"で広めたレトロなディスコ/ファンクの潮流を個人的に好ましく思っているのでライブを観るのをすごく楽しみにしていた。ミディアム・テンポな楽曲の数々は総じてメロウでアーバンな香りを海岸にまき散らしていてどこで聴いてもひたすら気持ち良い。言葉の載せ方は巧みだし、ハンドクラップやターンも粋すぎる。彼らの演奏を前線でガッツリ観ている人、中盤で身体を揺らしている人、後方で飲食し狂っている人、波打ち際できゃっきゃうふふしている人、オール全て等しく自分なりのペースでライブとその環境を楽しんでいる。2015年の夏をいつか振り返ることがあるならば真っ先に思い出すのはきっとここで過ごした時間なんだろうな。

最高の夏を満喫した後は時間調整がてらARIANA GRANDEをスタンド席で鑑賞。全体を俯瞰して観れるもののいかんせん音が悪すぎて音楽に集中できず。とりあえず歌がうまい姉ちゃんというぐらいの印象しかない。ライブ終了とともに気合を入れなおして個人的にサマソニ最大の山場と考えていたステージに移動した。

●MANIC STREET PREACHERS performing "THE HOLY BIBLE"

apple社がiPodを販売していた頃、同社のHPで購入すると選択できるパーソナライズサービスがあったことをご存知だろうか?iPodの裏面に好きなメッセージを刻印できるというもので過去に何回かやってもらったことがある。

ひとつは
「Burst into heaven Kissing the cotton clouds」
THE STONE ROSES "Elephant Stone"の一節。

もうひとつは
「For $200 anyone can conceive a God on video」
MANIC STREET PREACHERS "YES"の一節。

今にして思えば若気の至りっつーか、むず痒い感じがするんだけどそれだけ当時はこの2つのバンドに夢中であったのだ。ローゼズに関しては2012年フジロックで反吐が出るほど救いようのないアマチュア以下のライブを見せつけられて憧れや幻想を残酷なまでに打ち砕かれた。置かれている状況は違えどマニックスもリッチーが残した最高傑作を当時のようなテンションで演奏できるのかという不安があった。っていうか不安しかなかった。そもそも再現する意味があるのだろうかと何度も考えた。アルバムをリリースして20周年だからとかクソみたいなこと言うヤツは俺の目の前から消えろ。

(画像は転換時のもの)

"THE HOLY BIBLE"全曲再現。
演歌に走ってスタジアム級のバンドに上り詰めた彼らが(無垢な心を失う前に死にたいと願う)"Die in Summertime"とか(やせ細ってゆく自分の肉体をつぶさに観察して日記をつけているかのような)"4st 7lb"を歌っているジェームスが現在ではだいぶ肥え狂っているとか。野暮いツッコミをしたくなる局面はあったけど、思想や哲学はさておき彼らは極めて誠実に演奏をしていたように思う。アルバム全編で貫かれていた閉塞感や緊張感まで忠実に再現しようとする姿勢は確かに感じられた。足りない分はいくらでも脳内で補完できる。こっちは擦り切れるほどこのアルバムを聴いていたんだから。

全曲再現後はボーナストラックのような様相。
"You Love Us"→"A Design For Life"→俺が知らねえ駄曲→"Motorcycle Emptiness"という流れ。ここではメンバー全員なんだか憑き物が落ちたような開放感が出ちゃってた。しょーがねえなーってニヤケながら俺もバカみたいにサビで声を荒げた。なんかもうありがとうとしか言えない。
我が青春に悔いなし。

HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER

などと太文字で書いてみたものの、ただでさえ寝不足なうえマニックスで完全に絶頂に達していたのでこの時点になると体力がほとんど残っていなかった。

楽しみにしていたSpiritualizedの時点で寝落ち。F.F.Sの途中で目が覚めるという大失態。終盤の数曲だけでもフランツの真面目さとスパークスのいい加減さが絶妙に融合していて超楽しかった。CD聴いてた時はつまんねえアルバムだなと思ってたんだけどね…Σ(゚д゚lll)

●BO NINGEN
長かった1日をガッツリ締めるべく前線待機。ベースの機材トラブルや世界観とまるでかみ合わない安易な映像がスクリーンに流されてしまうなど不遇に見舞われてはいたけどそれを差し引いてもエンジンが温まるのが遅かったというか。"Daikaisei"ではいかにも彼ららしい爆発を見せた瞬間もあったけど個人的には少し物足りなかった。とはいえ大きなステージでしかも明け方近くの時間に彼らのサイケデリアをたくさんのお客さんとシェアできたことが幸せだった。余談だけどこの日の昼間にメッセをうろついてるタイゲンくんを見かけた。今にして思えばにんじん展で買った彼のZINEを突きつけて裏面に何か書いてもらう厄介しかけたさあった…Σ(゚д゚lll)


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