写真__2_

FUJI ROCK '14 二日目 雑感


このツイートは完全に二日目のことを指しているわけで。期間中に加山雄三とか加藤登紀子とか観てればそこそこ会話も続いたかもしれないけど、観てないものを言うのもなんだかあれなのでこれで良かったのかもしれない。あれから少しは減ったけれどそれでも残ったクッキーは全部俺がおいしくいただいた(1枚は床に落として御陀仏)

※以下、俺が観たライブ。バンド名クリックで参考動画どーぞ。

HUUN HUUR TU @ ORANGE COURT

ガマガエルみたいな鳴き声でハーモニーを奏でる朝青龍。少し遅れてオレンジコートにたどり着いた時、彼らはステージ上のパイプ椅子に横一列で姿勢よく座っていた。ちょうどリードガマガエルが鳴いていたんだけどそれがもう笑っちゃうくらい常軌を逸したへんな声で戦慄が一瞬で全身を爆走した。

「ぐぼぉぉぉぉおおおおおううぅぃおうぃぃおううおおお!!!!!」

…Σ(゚д゚lll)

一匹の鳴き声のはずなのになぜか和音に聞こえる瞬間があって、俺はいまとんでもねえ超常現象を目の当たりにしているぞと無駄に感動した。かなり昔に浅草東洋館で見たいっこく堂の腹話術モノマネをくらった時と同じような未体験ゾーンへの誘いだった(ような気がする)で、エモかったのが他の三人がその間なにもせずに、表情も崩さず姿勢よく座ってるだけだったんだけど、そのうち一匹がおいしそうにペットボトルの水をゴクゴク飲みだしてんの。その時俺は思ったよ。「水を飲む姿を見たくて1時間以上歩いてきたわけじゃねえんだよ」って。なんなら和音も一匹でやるより全員でやったほうが楽じゃねえかとも思ったけどそれは野暮というもの。グッとこらえて見守っていた。たまにリードガマガエルがむせてるのもヤバかった。

バンドアンサンブルも実に見事であった。ドシプルール(謎)、イギル(謎)、ブザーンチゥ(謎)、ケンギルゲ(謎)、アコースティックギター(普通)という謎づくしの楽器は見ているだけで楽しいし、リードガマガエルがたまに江戸家猫八ばりに動物の声帯模写を乗せてくるのも亜空間すぎて死にたくなった。事前予習の段階で十分高まっていたけど、実際にライブを体感して完全に殺られた。いまでは俺のiPhoneに彼らの楽曲が41曲おさめられているが、曲の違いはいまだによくわかっていない。(茶化した感想を書いてはいるものの、ぶっちゃけ今年のフジロックで体感したベストライブのひとつ)

(リードガマガエル=カイガルオール・ホバルグさんです。念のため)

ヒカシュー @ ORANGE COURT

フリー・インプロヴィゼーション・サミットということで坂田明、太田惠資、八木美知依が参加。冒頭ではスペシャルゲストとしてさっきまで地獄の喉歌を炸裂させていたカイガルオールまで登場するというサプライズ。で、巻上さんとのタイマンが勃発。

蛙「ぐぼぉぉぉぉおおおおおううぅぃおうぃぃおううおおお!!!!!」

巻「チャパ○△★□×▲★□△○○■☆×(宇宙語)」

言葉の意味はよくわからんけど、とにかくすげえバトルだった。その後、太田さんが急に坂田さんに寸劇をしかけたり、坂田さんはハナモゲラ語パフォーマンスはじめるし、八木さんはへんなメイクしてるしで収集がつかない感じもあったんだけど、演奏自体は新宿ピットインかよっていうくらい爆裂即興かましてくれたんで大満足。巻上さんってジョン・ゾーンズ・コブラでなくてもプロンプターのように他の演奏者たちをしっかりと段取っているのがすごくグッときた。

NARASIRATO @ ORANGE COURT

ソロモン諸島の謎部族。笛を吹きながらふんどし姿で踊り狂う黒人。隣のステージでやってたおときさんの荘厳な音漏れを聞きながら彼らのセッティングを見守っていた時点でテンションはあがっていた。愛嬌もあるし煽りかたもうまいので曲とか知らないでも全然余裕で楽しさをシェアできる。「めらましけ~」って唄いながらハンドクラップして踊るの超意味不明で大爆笑しながらとっても幸せな気分に包まれた。部族マジ最高。後ろ髪をひかれつつもつぎに移動しなければいけなかったので途中離脱。

JUNGLE BY NIGHT @ CAFE DE PARIS

以前noteに投稿した上半期ベストアルバム(←クリックしやがれ)でも挙げたくらいなので楽しみにしていたバンド。下手したら息子ほどの年齢のお子ちゃまたちに対して、がっつり熱視線を送る俺という構図。やっぱりセンスはすごくいいと思ったけど、どうしても年齢差のせいか学園祭を見ているような気が少しだけした。あと、ホーンが全体的に弱い。ただこれに関しては俺が普段新宿ピットインやなってるハウスやエアジンなどで嫌ってほど濃厚なおじさまたちのブロウを聴いているからそれ基準で考えてしまうだけかもしれない。ライブ自体はとても楽しかったので満足はしているけれど、彼らを観るためにアバロンでやっていた勝井祐二×山本精一×沼沢尚×内田直之を諦めたことはいまだにモヤッとしている。

BOOM PAM @ CAFE DE PARIS

鬼の中東感むき出しサーフロックバンド。エレキギター、チューバ、ドラム、シンセという編成が実に渋い。TALCOと同様、彼らも基本的にはどの曲も一本調子なとこはあるんだけどその一本がかっこいいから全然OK。ただ客席を煽るというよりかは堅実に演奏している印象が強くて視覚的には少し物足りなさはあった。

YOKO ONO PLASTIC ONO BAND @ RED MARQUEE

なんとなくデーモンが肌に合わず時間調整も兼ねて。会場後方にHUUN HUUR TUの面々がいたので速攻で背後をとって彼らごしに鑑賞することにした。みんなニコニコしながらステージを観ていてきっとオノヨーコの奇声に共感するところがあるんだろうなと勝手に妄想していた。小山田圭吾、あらきゆうこ、PIKA☆などを従えているだけあってバンドアンサンブルは完璧。オノヨーコのヴォーカルもよく言えばパブリック・イメージ・リミテッドっぽい。朗読による展開は完全に叫ぶ詩人の会だったけど。アケドファイの開演が迫る一方で、少しでも早くドンウォリたいのに、なかなかドンウォレない。痺れをきらせて立ち去ろうとした時に連れが「あと1曲ねばったら?」というので待った。そして奇跡の瞬間がついに訪れた。全フジロッカーズ待望の瞬間である。会場最後方の椅子民たちも一斉に前に詰め掛ける。

♪ドンウォリ、ドンウォリ、ドンウォリ、ドンウォリ、ドンウォリ、ドンウォリ、ドンウォリ、ドンウォリ、ドンウォリ恐慌~

・・・意外と普通だな…Σ(゚д゚lll)

曲終わりと同時にグリーンステージに移動。

ARCADE FIRE @ GREEN STAGE

ぶっちゃけ裏でやってるマニックスの方がはるかに思い入れがあるし大好きだし4REALなんだけど、リッチーなき今の彼らには全く思い入れがもてないのでアケドファイを選択。どちらを選ぶにしても23:30にはピラミッドガーデンに戻らないといけなかったので近いほうを優先したともいう。「The Suburbs」を聴きながら、そういえば彼らのことを始めて知ったのがrockin'on主催の図書館ロック講座だったなとか思い出した。これいい曲だよね。ちなみに全フジロッカーズの歓喜が大爆発した「Wake Up」の頃には苗プリの前あたりにいた。背中ごしに聞きながらその場にいれなかったことを泣いたのはここだけの秘密である。

Steve Hillage and 勝井祐二 @ PYRAMID GARDEN

邪念や雑念、アケドファイもマニックスも振り切って決死の思いでピラミッドガーデンにたどり着く。鬼の最前列を確保し万全の体勢。ロウソクの炎が幻想的に闇夜を照らす。一日の終わり。最高のシチュエーションである。二部構成の前半はロングトーンが丁寧に折り重なっていって静けさをより際立たせるというか。ギターとヴァイオリンと夜の静けさが奏でるうっとりするような美しいアンビエントな世界。心が浄化されていくのを感じながら、音楽に身も心も委ねていた。

・・・で、気がついたら寝てたよ俺…Σ(゚д゚lll)

自分の大好きなアーティストの共演で…Σ(゚д゚lll)

全てを投げ打ってきたのに…Σ(゚д゚lll)

しかも最前列で(安定の勝井祐二サイド)…Σ(゚д゚lll)

でも、これに関してはしょうがない。理由があるとするならばきっと俺の生まれ持った穢れた心が浄化を否定したんだと。これ以上聴いてしまうと危険と察知した身体の防衛反応が俺を強引に眠らせたのだと解釈している(本当はきっと二日間の疲労によるものだろうけど)それくらい気持ちよすぎたってこと←ポジティブシンキング

ちなみに後半はヒレッジさんがグイグイくる感じがあったので、存分にギタープレイを堪能しつつ、勝井さんが奏でる凛とした演奏との共鳴を全身で感じながらフジロックってマジ最高だなって幸せをずっとかみ締めてた。欲を言えば勝井さんには毎年ピラミッドガーデンで演奏してほしいと思っているのでキャンドル・ジュンに直談判したさある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?