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TAMTAM "I DUB YOU TOUR" @ 新代田FEVER

TamとTamの間が離れていた頃より何度も観てきたのだけど、メジャーデビューして二つのTamがくっついてからは初めて観るライブだった。開場時間ぐらいに到着。一服しながら客層をぼんやりと眺める。比較的落ち着いた方が多い印象。以前は良くも悪くも仲間内に近いような若い連中がたくさんいたような気がするので客層も変わったのかな。

数年前までは頻繁に遊びに来ていた新代田FEVERも、最近では滅多に来る機会がなくなった。自分の音楽嗜好の変化がいちばんの理由だろうけど、それでも心の故郷であることはずっと変わらない。ここで鳴るローがいちばん好きだから。受付で爆睡しているリーバ課長(犬)を見れば無駄に萌えるし、ドリンクチケットで交換するコーラを一口飲めば無性に落ち着いたりもする。このハコでコーラと呼ばれているそれは、微炭酸の限界に挑む気の抜けっぷりとゴリッゴリに薄い原液が醸し出すハーモニーが口内をベトベトンと浸蝕する極上の一品なのでみんなも飲んでみるといいだよ。

久しぶりに観たTAMTAMはセンスそのままでスケール感が大幅に増していた。ステージ上にいるメンバーもアフィさんは髭もじゃになっているし、座って鍵盤を弾いていたトモミさんは立って演奏するようになっていた。なによりいちばん感じたのが演奏に熱量がこもっているということだった。俺がよく観ていた頃は、棒立ちで演奏していたことが多かったように思う。確か最初にじゅねさんが身体全体でリズムを取りながら演奏をするようになって、すごくいい傾向だと思っていたのだけれど、この日に観た彼らは全員が極めて高いテンションで自らの信じている音を鳴らしていた。
これがメジャーの力…Σ(゜д゜lll)

TAMTAMがすごいのは、DUBをやりながらも歌をあきらめてないところなのではないかと思っている。kuroちゃんが衣装チェンジで一旦ステージを降りた時に、残りのメンバーでセッションを敢行したのだけど、それが極めて殺傷能力の高い強烈無比な殺戮のDUB。俺、わずか数秒で着火→炎上して派手に死んだよね。それはさておき。こういう音だけやっていてもその凄さは伝わってくるが、一部の好事家にしか届かないということにもなりかねない。少なくとも彼らが目指す道はそこではない。もっとたくさんの人に21世紀型のDUBを届けようとしている。手拍子を合わせるDUBがあった。ケチャりたくてウズウズしてくる泣きメロのDUBがあった。いろんなアイデアが湧いてくるうちはどんどんやっちゃえばいいんだと思う。

「ストレンジにも明日がある…」

kuroちゃんがMCでこんな素っ頓狂なことを言ってたけど、なにげに今のTAMTAMの姿勢をよく表しているなと今頃になってじわじわキテる。

最後にこれだけはちゃんと書いておこう。じゅねさんが本当に素晴らしいベーシストになりつつある。この日いちばんの衝撃。彼の鳴らす音符の全てに強い意志と愛情をすごく感じた。概念とか理屈とかはさておき。俺がDUBで絶対に体感したいのは低音に込められた強い意志なのである。まだ若いし人生を落とし込むまでにはまだまだ長い年月がかかるだろうけど、それでも彼の鳴らす音符の全てに宿された愛情を存分に堪能することができた。彼の指はきっといまは創作意欲に満ち溢れていることであろう。

アイドルを運営しているみなさまへ。
煙たくてPOPなDUBアイドルとかデビューさせる気ないですか?
彼ならきっとヤバい曲書きますよ←無責任…Σ(゜д゜lll)

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