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夏の読書感想文(『消えた初恋』)

日曜の朝7時というキモい時間に最終巻を読み終えてしまったため、気持ちの整理がつかず外を散歩して帰ってきました。外も明るくて蝉も鳴いてて、なんとなく、『夏休み…』と思ったので、読書感想文ということにしたいと思います。今日も暑いね。

毎度思うけれど、わたしはあまり漫画やアニメ(とりわけ恋愛を取り扱う作品)に触れずに育ってきたので、全体的に耐性が全然ありません。
胸キュン要素に弱いというのもあるのだが、それよりも、登場人物の機微な気持ちの変化で胸がいっぱいになるので、一日の致死量が0.5巻分(ドラマなら1話)くらいという感じです。それが楽しいのだな…と最近は思ってきた、成長。

○読んだきっかけ

こちらを読み始めたきっかけは、集英社のナツコミのステッカー(ヘッダー画像)を偶然貰って『絵がきれいだな』と思って、調べたら気になっちゃって1巻を買ったという感じです。ちょうど今週(7/25)に最終巻の9巻が出たらしく、良いタイミングで読み始めてラッキーだった反面、終わってしまうのが辛すぎて7巻で1週間くらい止まってた。
あと、絵が好み、って読み進める上で結構大事なのかも、と漫画初心者なりに思いました。

先日のチェリまほはドラマから入ったけど、今回は漫画から入ったので、別に原作が何かという点や次元にこだわりがないことがわかった。
ドラマはまだ履修していないけど、こういうのって先に摂取した方の印象が強いので、ドラマを改めては観られないかもしれない(道枝くんごめん)←?

○読み終わっての所感

消しゴムに好きな人の名前を書いて使い切る、なんてくだりあったよな…っていう点でじきにアラサーになる人の心は死んだんですけど(第1話)、他人に惹かれるきっかけなんてなんでもいいし理由も要らなくて、気持ちそのものを大事にするのが一番なのだなぁ…感想が平たい

ただ、『自分がどう思ってる(どうしたい)のか』、あるいは『相手がどう思ってるか知りたい』とかいうのを相手に伝えるのって(程度の大小はあれど)葛藤があるわけで、
『傷つきたくないから言わないでおこう』とか『不用意に相手を傷つけてしまった』とかいうこともある(よね?)。
大切な人と一緒にいようとするならその辺のバランスって自分で上手く取るしかないのだろうし、本当に無傷でいたいなら、1人でいるしかない気がする。(わたしは多分これ!)
自分の中で思い込みすぎてもダメだし、相手に委ねすぎても良くない。別に恋愛に限ったことじゃないですが、自分だけ(/相手だけ)100%尊重しようとする時って、なんか上手くいかんのですよね…。

話の感想に入る前に語るな😔
以下、少々内容に触れるのでこれから見る人は気をつけて



○登場人物と展開について

お話はとにかくずっと優しくて爽やかで、気持ちも情景も丁寧に描かれていて、大変良かったです(浅)
青木(主人公)-井田くん、橋下さん-あっくんという2ペアを軸にお話は進んでいって、4人それぞれがまっすぐで、自分の中のモヤモヤとか、好きな人にしか見せない表情が散りばめられていて、クゥ〜〜〜〜って感じでした。言語化を諦めた

<橋下さんとあっくん>
こちらの恋愛模様が思ったより色濃く描かれているのが良かった。決してサブストーリーではなかったと思うし、どっちかというとこちらのほうがやきもきした。
橋下さんの内気さ・あっくんの飄々とした感じが対照的に思えるけど、はじめはいい加減な面の方が多く見えたあっくんが、真剣に橋本さんの気持ちに向き合っていくのを見て『あっくん〜〜〜〜〜〜!』と叫びたくなるシーンが多かった。多かったよね?(読んだ人へ)

<肝心の青木-井田ペア>
前半はほぼ青木目線で話が進んでいってたはずが、途中から井田くんの気持ちが軸で進んでいく回も増えてくるのが、2人の関係の深まりを表しているようで大変良かった。
男子同士の恋愛だということについて、周りの人たちの理解の程度に差がある様子も描かれているので、その辺りを良い加減に扱わないで(すっ飛ばしたりせず)進む感じが、作品全体の愛されやすさの一部なのかも…と思ったりした。

・青木
愛され力の高い子だなと思った。他人想いが故に自分を大事にできない面があると思うのだけど、周りの友達が青木の良さに気付いて助けたり支えたくなるのがよくわかる。紆余曲折はあっても、井田くんに大事に思われることで、自分の気持ちから逃げずに大事にできるようになっていくのが見えてすごい良かった。

・井田くん
最終巻を見た後に1巻を見たら違う人のようだった。はじめはあんなにクールで口数も少なかったのに、後半めちゃくちゃデレデレだし積極的なのズルいですよね?あと定期的に髪が濡れて雰囲気変わるのもズルいですよね?何なんですか?読者の99%が井田くんの虜なのでは。
井田くんの落ち着きっぷりは人生n回目だろ…と途中まで思ってたけど、結局ちゃんと年頃らしくて安心した。親戚か何かですか?みたいな感想。

終盤は、互いを大事に思ってずっと一緒にいたい気持ちがとっくに固まってるんだなと感じる描写ばかりで、それだけに途中の階段から落ちて…の後のくだりはあまりに心が痛すぎた。井田じゃなくて青木が…というのもまた。
井田くん大人verは大変良かったしオチで安心したけど、それだけではカバーしきれない心の痛みがあった。こうなる未来もあり得るのだな…と。大事に思うが故なのですけどね。

それよりも、起こるイベントが基本全部高校生活なので(当たり前)、満を持して花火大会に行ったりする感じとか、一個一個が今しかなくて大事な感じに打ちのめされた。大人は青春に弱いのかもしれない。
4人以外のキャラもいい奴が多くて胸があたたまる。バレー部の豊田くんとか、合コンで出会うギャルのココロちゃんとか、西園寺さんとか…みんないい奴すぎる、全員幸せになってくれよな。この高校通いたい

○まとめ

ともあれ、わたし個人としては『ハチミツとクローバー』以来の少女漫画でした。懐かしすぎ。なんだか最近は一日のほとんどを画面を見ているような気がしていたので、漫画を読むのっていい時間かも、と思ってきました。今回の『消えた初恋』も、またしばらく経って読んだら違う感想になるかも。
これは読んどけ!みたいな少女漫画があれば教えてください。今ならどんどん手を出して行ける気がする………… 

つづく

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