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家庭菜園

「庭といってもちっちゃいよ」

うちの庭を紹介する時は必ずそう言う。

大体畳一畳半くらいのスペースに、母親がさつまいもを植えたのが2年前で、ブロッコリーを植えたのが1年前のことだ。


夏の間丁寧に水をやり、雑草を抜き、秋に食べる焼き芋を想像していた母。


「獲れすぎたらどーしよ!?」


とか言ってるのを見ると、「獲れないっぽいな」と思い始める。



秋、私たちの前に顔を出したのは訳あり人参みたいなさつまいもだった。


人間で言えば栄養失調、てかさつまいもで言っても栄養失調なのだが、ともかく食欲の秋はその瞬間に終わっていた。



「さつまいもは難しかったわ〜、ブロッコリーならいけると思う!」

次の年にそう言うと母はブロッコリーを植え始めた。


夏の間丁寧に水をやり、雑草を抜く母。


「さすがに獲れるでしょ!?」



とか言ってるのを見て、「獲れないっぽいな」
と思ってしまったあたり、私は性格が悪い。


そして私たちの前にブロッコリー
が姿を見せることはなかった。



私は農家に感謝して、野菜を食べた。

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