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下駄

人の変なところというものは、その人が変だと思っていないから面白いのであって、「私変なんですよ」と紹介してしまうと面白みがなくなってしまうと思う。

で、自分の変なところを喋って許されるパターンは、「子供の頃の話」「酔ってる時の失敗」とかの「今話している自分とは別人格の自分の話」だと解釈しているので、成人した今、昔のことを話し放題なのである。


中学生になるとすぐに、駅前の集団塾に通った。
大学でたまにいる「尖っている人」はよく下駄を履いているイメージがあるが、私はおそらくその最年少記録を持っている。


初めて下駄で塾に行った日のこと。

クロスバイクで通っていたので、下駄×クロスバイクというミスマッチをかましつつ、カンカラ鳴らしながら階段を登り教室に入り、先生たちと対面した。



当然、

「下駄履いてんの!?なんで!?」


みたいな反応を期待していたのだが、実際は違った。


「お、今日は下駄か」


ちょっと驚くだけ。

まるで

「お、今日は歯医者休みか」


とか


「お、今日はお冷セルフサービスか」


くらいのテンションだったので少し腹も立ち、


「びっくりしないんですか?」


と聞いた。


すると



「だってねーちゃんも履いてるじゃん」



あ、そーいえばそーっすね。


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