見返り〇〇

大垣行き 6番線7:06
現在7:03

エスカレーターに乗る。
前に人がいる。多分美人
いやまてよ。後ろ姿は美人でも正面はブスかもしれない。でも美人だと信じたい。
そもそも美人ブス以前にロン毛の男性かもしれない。
でも大体美人は後ろ姿も美人なはず。いや絶対美人。美人でないはずがない。今まで後ろ姿だけの美人は例がない。

そんな想像を膨らませていたらいつの間にかエスカレーターはホームまで上がり切っていた。
彼女は⑥の乗車位置に立った。自分も釣られて⑥に立った。
何とかして彼女の顔を見たい。
あ、電車の窓の反射で観れるかも。これを窓の反射戦法と名付けた。
大垣行きが来る。
窓の反射戦法を試みるも窓が濁って反射すらしなかった。

電車に入る。前に彼女がいる。
スマホをいじりながら「ブスだったら嫌だし観なくてもいいかな。」なんて思ってた。
そのとき前方からコトンと音がした。
彼女が傘を落としたらしい。傘を手に取って「落としましたよ」と声をかけた。
振り向いた彼女。
そこに居たのは見返り…
僕は思わず息を呑んだ。

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