天井を眺める

もはや崇拝していると言っていいレベルで好きな俳優がいる。三浦透子という人物だ。

天気の子の主題歌で歌唱を担当し、ドライブ・マイ・カーではバイプレイヤーながら独特な存在感を醸し出し、話題になった人だ。最近は舞台にドラマ、映画と幅広く活躍している。

長編映画単独初主演作品「そばかす」が先週末に公開となり、プロモーションのために多くのラジオ番組やインタビュー取材を受けていた。

あるラジオ番組で10年ほど親交がある人との対談があった。「最近何してる？」という質問に対して三浦透子は「天井を眺めてる」と答えた。親交のあるその人は、その答えをちゃんと受け入れていた。

普通のインタビューや会話では「普段何してる？」に対して「座ってる」と答えると「座って何してるの？」と聞き返されるらしい。しかし、三浦透子にとっては本当に座っているだけらしいのだ。

天井を眺めているという返しで納得してくれたことに三浦透子は嬉しそうにしていた。それを理解している対談相手との関係も素晴らしいなと聞きながら感じた。

スマホであらゆる娯楽が楽しめる現代で、天井を眺めて過ごすことも素敵で、それを受け止める相手も素敵で、それを受け入れられる自分でありたいと強く思った日であった。