言わなきゃよかったという後悔と、言ってくれたことへの感謝と。
「後悔なんて絶対残すなよ」
解散発表があった時、ある曲の歌詞の通りに駆け抜けたいと思った。後悔なんてひとつも残さないくらい楽しみ抜きたいと思った。
あれから、2ヶ月経った。実際のところ、後悔ばかりだ。
パッと思い浮かぶ後悔は豊洲対バンに行けなかったこと。リリイベもバスツアーもあるし、ハロショで買いたいものもたくさんあるし、金銭的にパスしよう。そう思ってしまったことを、その夜のメンバーブログやTwitter上での反応を見て、強く後悔した。その後悔は、今の状況になって、より暗く重いものに変貌してきている。主催者さんのアップしてくださった映像によって、ちょっと持ち直したけど。やっぱり行くべきだったな。
もうひとつ、最も後悔していることがひとつある。バスツアーの手紙だ。
バスツアーの最後のライブで、メンバーに対して卒業式を催そうというサプライズ企画があった。代表者5人が感謝を込めた手紙を読み、その後に参加者全員でメッセージを叫ぶという企画。ぼろっぼろに泣けた素晴らしい企画だったが、その代表者の1人に自分は選ばれた。
歴が長いファンの方々の読む愛に溢れた手紙を前にして、自分の手紙は何て薄っぺらいんだろうと思った。「皆の生き様がカッコ良くて尊敬してるよ」という自分の書いた文面は、確かに思っていたことを纏めたつもりだ。が、そんな表面的な言葉よりも、もっと伝えたい言葉があった。個別でいいやなんて思って、書かなかったことを、結局一度も直接伝えることができずに終わった。
彩海に、「こぶし組に入れてくれてありがとう」って伝えたかった。「歴は短いけれど、こぶしを推せてよかったよ」って。「出会ってくれてありがとう」って、素直な感謝を伝えるべきだった。「誰にでも気遣って、寄り添って、守ってくれるような優しい人に出会えて良かった」って。
それともうひとつ。のむちゃんに拾ってもらえたことで一人歩きした「伝説」という言葉。
これは一オタクの驕りだ。何の確証もない。
けど、もしそうなら、「伝説のラストライブにできると確信しています」なんて言わなきゃよかったと、後悔が渦巻いた。
確か、ひなフェスの中止が決まったあたり、Twitter上でこんな言葉を目にした。
「無観客になったら、伝説の解散ライブだな笑」
その時はまだ開催を信じていたし、伝説のライブっていうのはこぶしとこぶし組がひとつの会場に集まって作るものだと思っていたから、流れてきた茶化したように見えたツイートにひどく憤った。
こんな拾われ方をするなら、言わなきゃよかったと思った。
「伝説の無観客ライブ」は誰も望んだものじゃない。
しかし、結局無観客という形で実施されることになった。メンバー達のやるせない気持ち、でも前を向こうとする強さ、なんでも言ってくれていいよという優しさ、悲しんだら思う壺じゃん!と明るい話題を提供してくれる温かさ。各々のブログから全部伝わってきた。
そしてエースのはまちゃんが、
「前代未聞な、無観客解散ライブで伝説残しちゃいましょ!!!」
なんて言葉を残してくれた。
リーダーのあやぱんが、
「#こぶし伝説」
なんてハッシュタグをつけてくれた。
正直、複雑な思いはある。
こんな形でやってほしくなかった、という気持ちは一生消えない。
だけど、あやぱんやはまちゃんがブログで見せてくれたような、今出来る限りのことを全力でやってやろうという姿勢を信じてみたいと思った。
たとえ形が無観客ライブでも、伝説のラストライブは実現できる。
彼女達なら、本当にやってのけそうだと思った。
彼女達が発言した言葉である限り、その言葉は嘘っぱちなんかじゃなく、正真正銘本物の、愛のこもった言葉なんだと思う。そう、信じてる。
心の靄が完全に払い切れたとは到底言い切れない。だけど、あやぱんの言う #こぶし伝説 の行く末を見届けたいと心底思う。見届けたい、というか見届けなきゃに近い。どうか、全ての視聴者に突き刺さり、一生忘れることができないくらいの素晴らしいパフォーマンスを見せつけて、伝説を残してほしい。俺の抱いた後悔なんて、忘れてしまうくらいのものを、期待してあと1週生きていく。