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覚悟を決めた話

知り合いの紹介で、今週末に夜のお仕事1日体験をすることになった。
歓楽街デビューですよ。自分なんかに勤まるのか?という気持ちです。あ、もちろん健全なお店です。
当初は断っていたのだけれど、何事も経験だと考え直したことと、私の身を案じてくれている知り合いの気持ちを汲み取らせていただくことにした。

奄美大島から北海道に越してきて、早いもので6年近く経つ。

当時は離婚した直後で、他方に責められ、東京に帰るお金もなく、意地で実家にも帰れず、音楽に関わる夢も見失い、人生に絶望していた。

お金も知り合いも無い状態で、富良野の寮付きの喫茶店に勤めた。
その喫茶店に来るお客さんの人生の話を聞いたり、同じく全国から流れ着いた仲間と毎日を過ごすうちに、私は人が好きになったんだっけ。

楽しいこと、悲しいこと、色んなことがあった。
マスターが辞めて店長代理になったり、転職して車を買ったり、同級生が亡くなったり、同棲してた人に借金が200万発覚して急に1人になったり、
転勤で来た札幌でお酒が好きになって、色んな人と出会って...

総じて言えば、とてもとても楽しかった。
多分少しだけ刺激のある、それ以外は普遍的なありふれた人生を送ってきた。

そんな思い入れのある北海道とも、今年でお別れしようと思っています。

理由は二つある。

一つは、孤独をひと時の楽しさで紛らわす虚しさと向き合わないといけなくなったから。
突き詰めれば人は皆孤独なのだと思うけれど、この街に住む人には「家族」や「旧友」がいる人が格段に多い。
東京以外は大体そうなんだろうけど。
楽しい反面、ずっと寂しかったのも事実だ。
心を閉ざしていると言われればそれでおしまいだけど。
ただ、そんな寂しさをお酒で紛らわしているうちに、28歳になってしまった。

二つは、20歳で東京を離れたときに、いつか必ず帰ると決めていたから。
震災の時、沢山の人に助けられた東京が忘れられない。
夏の下町の風景が好き。
あれから8年が、風のようにあっという間に過ぎた。時間はかけがえがなく戻せないものだ。
この数年で亡くなった友人もいる。それから考えるようになった。
今死んだら後悔はないか?いや、いつ死んだって後悔だらけだ。それなら出来るだけやりたいことをやろうじゃないか、と。

音楽に関わる時間を増やしたい。
音楽を聴く時間はもちろん、レコード屋でDigってみたり、フェスに行くことも含まれる。

同級生たちに沢山会いたい。
人の話を聴くのが好きだ。長い間積もり積もった話は、1日じゃ話しきれない。

行ったことのない場所に沢山行きたい。
日本国内や元々の趣味だった離島巡りはもちろん、色んな国に行ってみたい。

諦めかけていた夢にも挑戦してみたい。

そのためには、真ん中に住んでいた方が効率がいい。
どうせあっという間に過ぎてしまう時間なら、燃え尽きてやろうと思う。
ずっと「帰る帰る詐欺」と言われてきたけれど笑
その覚悟が、数年経ってようやく出来た。

今北海道を離れたら、絶対絶対絶対後悔する。
それは分かっているんだけど。
ただ、何をしても後悔する。
私はまだ、自分の居場所を探している途中なんだと思う。

いずれは東京に帰るけれど、最初は大阪の実家で資金を貯めるかもしれない。
これから考えるつもりです。
人に言えない秘密が沢山あって、最初から上手くはいかないと思うけど、
ここまで来たら、どうにでもなるようになるんだろう。

ゆうすけさん、私が大阪に引っ越したら、飲み友達になってくださいね。

そんなわけで、資金作りのために数ヶ月色々やってみようと思います。
カッコ悪い自分を認めて、やれることを、やります。