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シャープペンシルと青い春

ども、こんばんは。火曜日から酩酊しまモンです。

ゆうすけさん、今日も飲んでますね。
私もです。

私の色恋沙汰なんて、聞かなくても分かっていることなのです。
相変わらず、惚れては脈無し、惚れては脈無しの繰り返しですよ、ゆうすけさん。
最近では、惚れても惚れてないふりを突き倒し、ネタにして楽しむという意味のない技を身に付けました。

そんな私にも、一度だけ甘酸っぱい思い出があるのです。
ゆうすけさんの180日戦争を読んで思い出したので、書きますね。

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小学6年生の頃、私は「サイヤー」と呼ばれていた。
紛れもなく、ドラゴンボールのサイヤー人のことだ(笑)

あだ名の由来は、当時男勝りだった私の怒った姿がサイヤー人に似ていたから、らしい。

私にそんな色気の無いあだ名をつけて流行らせたのが、同じクラスメイトだった吉田くん(仮名)でした。

吉田くんは動物が好きらしく、クラスメイトの樋口くん(仮名)を誘って飼育委員に立候補した。
私は大して動物が好きなわけではなかったけれど、気まぐれで立候補。
各クラスから3人ずつ選ばれた飼育委員は1ヶ月に1週当番が回ってくる。

すぐにカリカリする私が面白かったのか、2人はよく私をからかった。

ある日、しゃがんでウサギに餌をあげていた私に向かって2人がニワトリを追い立て爆走してきて、私はニワトリのクチバシで手を引っ掻いた。

私はキレた(笑)

その時の怒り姿がサイヤー人に似ていたらしく、めでたく「サイヤー」というあだ名が付いたというわけだ。
(このあだ名は下級生男子にまで広まり、大変迷惑した)

時は経ち、12月某日の自習時間。
普段そんなに仲が良いわけじゃない女の子たちが、私の席に来てやたらと好きな男子のタイプを聞いてくる。
その後ろで困った顔で笑ってる吉田くん。

下校時間になり、自分の下駄箱へ手を伸ばすと手に触れる紙の感触。
靴の中から取り出したメモには「好きです。裏の公園に来てください 吉田より」という文字が。

・・・えっ、いつもサイヤーって呼んでケンカしてるのに?

イタズラだと思ってそのまま下校しようとしたんだけど、門の前に待機していた女子達に連れられ裏の公園へ。

そこで待ち構えていた吉田くんに、人生初の告白をされた。それはもう、少女漫画のように。

しかし、当時小学6年生。
付き合いも何も始まらなかったし、すぐに冬休みがやってきた。

吉田くんからは年賀状と、1通の手紙が届いた。

「この間はすみませんでした。でも好きという気持ちは本当です。しまモンさんの優しいところが好きです。
僕は1月に中学を受験します。もしかしたら中学は離れてしまうかもしれません。
学校が始まったら、僕が大事にしているシャーペンを渡すので受け取ってください」

私も返事を書いた。何を書いたかは覚えていないけれど。

冬休みは、吉田くんの家の近くをそわそわと自転車で駆け巡ったりしていた。
MDプレイヤーから流れるBGMがMr.Childrenの「君が好き」だったことは覚えている。

新学期が来て、照れた様子の吉田くんに廊下でシャーペンを貰った。
吉田くんは、もう私のことを「サイヤー」とは呼ばなかった。

無事受験に合格した吉田くんは、福岡で一番の名門私立中学に進学した。

ひっそりと国立中学受験に失敗していた私は地元の中学校へ。

しばらくは吉田くんの親友である樋口くんを通して手紙のやり取りが続いていたけど、それも次第になくなった。

一度だけ、近所のレンタルショップにいた時に遭遇して、お互い目が合ったけれど、
何だかびっくりして、私から逃げてしまった。

友達に連れられて、中学3年生の頃にカラオケに行った。
カラオケの部屋で2人にされて、2時間くらい歌った。
帰りにもらったコピーCDには、スピッツの「魔法のコトバ」が入っていたよ。

何のオチもないけれど、それ以降吉田くんとは会っていないし連絡も取っていない。

ただ、風の噂で吉田くんは獣医になったと聞いた。
目標も夢も叶えられずフラフラしていた私とは違い、彼は小学校の頃の夢を叶えていたのだ。

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ゆうすけさん、また話が長くなってしまいました。
お酒を飲むと、色んなことを思い出しますね。

それはそうと、日曜日のデートの結果をまだ聞いていないのですが・・・どうだったんですか?
気になって眠れません!