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エクセルで、和暦と西暦を一緒に表記する方法 ~集計表のその前に~


2024/3/16追記
もっといい方法がありました。
サイトも引っ越しております。ぜひこちらをご覧ください。
[Excel]和暦と西暦を併記する方法 例:令和6年(2024年)1月22日|お役所のエクセル 公務員・自治体職員のためのExcelを用いた作表と集計の手引き by エクセル係長 (note.com)

まとめ(とりあえず、ここだけ読めば使える。)


和暦と西暦を同一セル内に表示する方法の例
①    「セルの書式設定」(Ctrl+1又は 右クリック→F)の「表示形式」の「分類」の「ユーザー定義」をクリック
②    右側の「種類」に以下の通り入力する。
令和4年(2022年)5月25日 と表示させるなら "令和"e"年"(yyyy"年)"m"月"d"日"
令和4(2022)年5月25日    なら  "令和"e(yyyy)"年"m"月"d"日"
R4(2022)/5/25        なら   "R"e"("yyyy")/"m/d
2019年(令和1年)5月25日   なら   yyyy"年(令和"e"年)"m"月"d"日"
2019(令和1)年5月25日    なら   yyyy"(令和"e")年"m"月"d"日"
2022(R4)/5/25        なら   yyyy"(R"e")"/m/d
 


説明


国を始め、自治体などでは、和暦を使っている。
例 令和4年5月25日
一方、世間的には西暦が使われる場合が多い。
例 2022年5月25日
 
新聞の一番上は、こんな表記が多い。
例 2022年(令和4年)5月25日
 
以前、新聞記者の方と話していたとき、こちらが「平成●年の頃・・」と始めたところ、「あっ、我々は和暦使わないから、全然わかんないんですよ」との反応があった。
 
その記者さんは、海外駐在も長かったから特にそうかもしれないが、やはり、世間的には西暦の方が主流ではないだろうか。
*元号が変わったことで、ここ数年は和暦も通じやすいかもしれない。
一方で、改元前の出来事は、和暦だと何年前のことか分かりづらいくなった気がする。
 
個人的には、行政も西暦を使った方が合理的だと思う(元号自体は否定しない。)。
「年」が連続しないことが一番の理由。
元号の変わり目の際に、西暦を主とする自治体が出てきそうな報道もあったと記憶しているが、菅官房長官(当時)の発言で、その可能性も消えたといえる。
 

自治体は元号を使うべき(意訳)by 菅官房長官

産経新聞

【新元号】公的機関は元号使用継続、「国民は自由」 菅長官 2019.4.3 12:37
https://www.sankei.com/life/amp/190403/lif1904030026-a.html

菅義偉(すが・よしひで)官房長官は3日の記者会見で、新元号「令和(れいわ)」への改元に関し「元号の使用は政府として強制するものではない。国民は元号、西暦を自由に使い分けてもらっていい」と述べた。各省庁や地方自治体など公的機関については「従来、元号を使用してきた。この慣行は当然続けられるべきだ」と強調した。
 
国民が公的機関の窓口に提出する書類で元号を使うかどうかは「あくまで協力要請であり、西暦で記入したものも受け付けられる」とも語った。

とはいえ(一応の解決策)


行政は和暦を主に使いつつも、分かりやすさの一環として、和暦とともに西暦を表示することが望ましいと考える。
そうすると、新聞とは逆の記載が必要なる。
 例 令和4年(2022年)5月25日 あるいは
 令和4(2022)年5月25日
 
しかし、これをエクセルで表現するのは、結構難しい。
計算式で表示することも可能だが、式が複雑になり、かつ、入力セルと表示セルの2のセルが必要になる。
 
公文書の場合、多くはワードで作成するので、じかに打ち込めば、特に問題にはならないかもしれない。
エクセルで書類を作る場合、和暦と西暦の同時表記が求められる場合も多い。
その際、いちいち、手入力するのは面倒だし、間違える恐れもある。(それはワードも同じだが。)
特に、データ累積表から日付データを取り出して表示する際に困る。
 
この問題は・・・
特定の元号限定だが、「セルの書式設定」で、以下のように入力することで、「一応」解決できる。
 
和暦と西暦を一緒に表記する方法の一つは・・・(冒頭の「まとめ」の再掲)
①    「セルの書式設定」(Ctrl+1又は 右クリック→F)の「表示形式」の「分類」の「ユーザー定義」をクリック
②    右側の「種類」に以下の通り入力する。
・令和4年(2022年)5月25日 なら 令和e"年"(yyyy"年)"m"月"d"日"
・令和4(2022)年5月25日 と表示したいなら  "令和"e(yyyy)"年"m"月"d"日"  
 *上の方が一般的だろうか。
 (下図は、「まとめ」と同じもの)


ただし、この場合の悩ましいところがいくつかある。
 


問題その1 「令和」限定

先述のとおり、この表示は「令和」限定である。
過去、つまり、「平成」や「昭和」は正しく表示されない。「令和」以外は、表示形式の修正が必要である。
 
ggge"年"m"月"d"日"と入力すると 令和4年5月25日 と表示されることから、
ggge(yyyy)"年"m"月"d"日" と入力すれば、年号に関係なく表示可能かと思ったら、結果は・・・ 令和4(04)年5月25日 となってしまう。これは残念なところ。
既に令和4年の今、「平成」や「昭和」を使う機会は少ないので、そんなに問題はないと思う。(累積データとして扱う場合は、西暦と和暦を別々の列にして作るのがいい。)
 

問題その2 元年対応ができない。


2019/5/7の場合、 令和1年(2019年)5月7日 となる。
令和元年(2019年)5月7日とはならない。
 
「セルの書式設定」の「表示形式」で「日付」を選び、右下のカレンダーの種類で「和暦」を選んで、その下の「□1年を元年と表示する」にチェックをしたうえで、「種類」欄のから「平成24年3月14日」を選ぶと、
「令和元年5月7日」と表示される。
 
しかし、和暦・西暦の併記でこの技は使えない。
もっとも、こちらも、和暦・西暦を併記する場合は、書類(文書)がいつ作られたかを示す際に使われることが多いので、既に令和4年の今、「過去」である令和元年の日付に併記する機会は少ないと思われる。
だから、「その1」同様、あまり問題にならないだろう。
 

問題その3 数字がすべて半角になる。


日付は、文字列ではなく、数値なので、半角で表示される。
普通なら特に問題ない。
ただし、行政文書の場合、
「数字1文字は全角、2文字以上は半角」という決まりがある(場合が多い)。
多くは明文化されていないようだが、慣習として、あるいは、不文律として、そうなっている例が多い模様である。
従って、これをそのまま使うと、細かい上司からNGを食らうおそれがある。
しかし、システム的に、この方が合理的だから、あるいは、全角・半角混在表示は機械的に対応できないから、といった理由で押し通せる可能性はある。
 
なお、公文書における数字の半角・全角の取り扱いについては、
文化審議会(文化庁)が出した「令和元年5月7日」(令和元年5月7日)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/93650001_01.html
に記述がある。これについては別記事にしたい。
 
 

10倍速くなるか?


 
なる。
「令和4年(2022年)5月25日」と手入力すると、5~10秒かかる。
誤入力すれば、もっとかかる。
それに比べて、表示形式さえ設定しておけば、
今日の日付なら ctrl + ; と入力すれば、一瞬で表示される。
0.5秒もかからない。
手入力でも、「5/25」と入れるだけでいい(年が違えば、年の入力も必要)。
 
さらに、セルに =today() とい関数を入れておけば、自動で「今日」の日付が表示される。0秒。
 
なので、10倍速くなる、とってもいいだろう。


以上、多用する機会は好きなかも知れないが、いざどうしよう、というときには思い出してほしい。

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