麻雀 当たり前メモ

自分用、随時更新

大局観に関わる話

・和了った人が必ずしも勝つゲームではないが和了らずにトップを取る方法は存在しない(不聴罰符のみでトップを取ることはほぼ不可能であり、そもそも都合よく聴牌を流局まで維持できるならほぼ和了みたいなもの)
・一度も振り込まなくてもラスになる事もあるが大抵のラスを引く直接的原因は振り込み
・配牌とツモにランダムな偏りがある以上、絶対的に有利な状況に持っていく術は存在せず、その局面における最善手を選び続けるゲームである(配牌時点で期待値が負の局面を押し付けられることも多いが、そのような状況においてもクソの中から一番マシなクソを選ぶことが要求される)

牌の枚数に関わる話

事実

・各色9種×4枚=36枚(×3で数牌は計108枚)、字牌7種×4=28枚、合計して全部で136枚の牌を使う
・自分が牌を切るフェーズにおいて、自分の手牌が14枚(約10%)、他家の手牌が39枚(30%弱)、王牌が14枚(約10%)で、残りの69枚(約50%)が山と河の合計
・鳴きを考慮しなければツモる牌の枚数(≒切る牌の枚数)は17枚(東家と南家は18枚)
門前で使える牌は配牌とツモ合わせて30枚(東家と南家は31枚)で全体の22%ほど
・鳴きを考慮しなければ終局までに見ることが出来る牌は配牌13枚+河70枚+ドラ表示牌1枚の計84枚(約62%)で、残りの52枚(他家の手牌39枚+見えない王牌13枚、約38%)は最後まで非公開領域
・赤ありの場合ドラは全部で7枚、ただし数牌の5がドラの場合はダブドラ1枚を含む計6枚(ドラ表示牌が赤ドラの場合も7枚存在するドラのうち1枚が王牌にいることが公開されているため、実質的にゲーム内のドラを6枚と見なすことができる)

考察

・配牌+ツモの30〜31枚は牌の種類34種よりやや小さくゲーム中に特定の牌を引く枚数の期待値は0.9枚前後。
・より実用的な目安として、親の配牌時点で手に1枚もなくドラ表示牌でもない牌を残りの16回のツモで1枚以上引ける確率は約43%で、1枚持っている牌(あるいはドラ表示牌)ならば約35%、対子であれば約25%、暗刻であっても約13%の確率で引ける。配牌ドラ無しの手からドラを1枚以上ツモってくる確率は約63%ほど。
・自分の目から見えていない牌は残りの山の枚数+52枚-副露や槓ドラ表示牌の枚数である。このうち39枚-副露は他家が持っている牌なので、特定の牌が山に残っているか、残っていたとしてツモれるか等を考える時はこれを念頭に置く。
・他家の河が全く読めないと仮定する。この時、山が残りm枚、和了牌がn枚見えていない聴牌をした際に和了牌が王牌除く山に残っている枚数の期待値はだいたいnm/(52+m)で、自分のツモ筋に存在する確率はnが小さければその1/4であり、nが大きければそれよりも小さくなる。河をある程度読める場合でもこの原則を念頭に入れて考慮する。この式に出てくる52というのは非公開領域の枚数であるから、副露が入っている場合はもちろん52から見えている枚数分引く。
・同様に、他家の河を見た時にh人を除いて他家がほとんど明らかに持っていない牌に対して山が残りm枚、和了牌がn枚見えていない聴牌をした場合を考える。この時は和了牌が山に残っている枚数の期待値はnm/(13(h+1)+m)である。h=0の時これはほぼnに近いが、やはり自分自身でツモれる確率はその1/4以下になる事には注意する。正しく計算するには対数計算が必要となるので、対局中に対数の暗算ができる超人を除けば肌感覚でなんとかするしかない。
・仮に他家の手の内を完全に読む事ができたとしても、例えば15巡目以降の山は半分以上王牌であるから、2枚山に残っている牌であってもその両方が王牌に眠っているという事も十分起こり得る。

押し引きに関わる話

・毎局4人で和了を目指し、最も早く和了形になった1人のみ(ダブロンを除く)が点を得られるため、他家との相対的な速度を見たときにあからさまに負けている局は和了まで到る可能性が低いため引いた方がよいことが多い
・上記の前提のもと、自分の手に打点がある場合はある程度和了確率が低くても押した場合の期待値が高くなるため、押した方がいい場合がある。ただし和了まで到れなければ意味がないので、たとえ役満手であっても明らかに遅い場合は降りに向かうべき局面が多い
・逆に打点はないが早い手は他家に高い手をツモられる可能性を減らすために積極的に押した方がいい場合があるが、聴牌まで追いつかれた際のリスクを加味して考慮せよ
・他家3人と競って和了へ向かう都合上、打点はともかく早さの基準は絶対的なものではなく他家との相対的な基準であることを念頭に入れる(その上で、他家に対する情報が少ない場合は統計データ等を元にした絶対基準で考えることも有力)

副露に関わる話

・ツモ回数のズレを考慮しなければ、副露とは強制的に他家の捨て牌から有効牌を引き入れ、代償としてその面子を固定する行為である
・副次的にツモ順がズレるため、特に対面や下家からのポンでは実質的なツモ回数の微増と捉えることもできる。またポンによって手番が飛ばされる上家のツモ回数を減らしているとも言える
・上記の理由により一般に門前より副露手の方が進行が早い。他家が副露をしている場合に門前手を進める場合は注意すべき
・副露をするとリーチをかける権利を失うので役の有無には気を付ける必要がある(形式聴牌を目指す際はこの限りでない)
・リーチできない性質上、裸単騎でもなければ副露者の聴牌有無は基本的に非公開情報である。他家からの副露が入った時点で鳴いたプレイヤーの動向に気を付けなければならないし、自分が鳴いた場合は同様に他家から注意される可能性が高い
・副露は面子固定する行為であり、雀頭を作る補助にはならない。またポンはチーと異なり上家以外の捨て牌を拾うことができるため、基本的に副露手では門前手よりも対子の価値が上がると考えてよい
・副露して固定された牌は当然切ることができないため、降りの局面においては一般に門前よりも不利である
・大明槓をした方が有利な局面というのは確かに存在するものの、初心者のうちは原則として大明槓はしないと決めておいてもさほど問題ない程度に思われる

打点に関わる話

前提

・狂った点数システムのせいで見失いがちであるが、麻雀の和了は翻数に比例するわけでなく、厳密には指数増加ですらない(満貫以降)。そのため、特定の和了形が何点かを即座に把握するのはそこまで簡単ではないので、意識的に慣れるよう心掛けるとよいと思われる(詳しくは次項「点数の暗算について」にて)
・特に満貫未満の手においては符という概念が地味に効いてくる(いわゆる符ハネ)。例えば特に子の40符3翻(5200)と50符3翻(6400)の差は1200と1翻30符の和了点よりも大きい。可能であれば意識すべき

点数の暗算について

・満貫(子は8000点、親は12000点)未満であれば1翻上がる毎に点は約2倍になる
・30符であれば子は1翻1000点(300/500)
・親は子の1.5倍
・ツモ和了あるいは副露しているロン和了の場合において么九牌の刻子があると40符になるケースがあり、その場合は約1.3倍
・門前ロンは平和が30符で平和以外は40符からスタート、么九牌の刻子があれば50符の可能性
・ツモ平和は20符であるから5翻未満であれば20符2翻は40符1翻と同一視できる
・60符以上は大して見ないのでその都度考えればいい(リアルで打つ時は子の70符2翻が4500(1200/2300)、親の70符1翻ロンが3400なのを覚えておくと楽)、么九牌を暗槓した時はだいたいいつもより1翻分高いくらいの点だと思って間違いない
・七対子の2翻25符は1600点、50符の1翻も同じ

本題

注:以下は断りがない場合子の点数についての議論である。
・リーチやドラ、その他の1翻役は和了時の翻数を1上げる。この1翻の点数的な価値は常に等しいわけではなく、30符1翻→30符2翻は+1000点、30符3翻→30符4翻は+3800点(簡易計算なら+4000点、切り上げ満貫のみなら+4100点)、30符6翻→30符7翻は+0点と状況に応じて大きく異なる。「○○翻ならリーチを目指せ」などの主張はこれが根拠の一つにある。
・特に、よく見る50符未満であれば3翻→4翻の打点上昇はかなり大きいため、このような状況における1翻上昇は重視される。
・1翻の価値が最も高いのは10翻→11翻及び12翻→13翻(+8000)であるがこのような手が入るのは半荘を通して0~2回程度である。このような役満ではない高打点は門前であることが多く、点数状況次第ではあるものの倍満以上の手であれば和了可能性を可能な限り高める打牌が最善手であることが多いと思われるため、必ずしも打点を優先すべきと断言はできない。
・次いで価値が高いのは5翻→6翻と7翻→8翻(+4000)であるが、先述した30符の3翻→4翻(+3800)もほぼ差がない。実用上このあたりが最も"コスパが良い"ため、特に意識すべき。
・逆に、(実質的に20符を除く)4翻→5翻と、6翻→7翻、8翻→9翻→10翻、11翻→12翻および13翻以上は打点が上昇しないので無駄である。リーチの場合は一発と裏ドラという偶然役の存在により必ずしも打点上昇しないとは言えないものの、特に8翻においてはそこから2翻増えても点数が変わらないという理不尽仕様である。満貫以上の手においてはこの階段関数を意識しないと誤った判断につながりやすいので注意せよ。
・親はそれだけで和了点が1.5倍になるので有利。
・流局時リーチの供託は次に和了した者の総取りになるため、供託がある場合は事実上すべての手にその分の点が加算されているに等しい。例えば供託が3本ある場合30符1翻でも実質的に4000点の和了であり、満貫時の11000点と相対的な点数こそ変わらないものの比で言えば元の8倍よりかなり縮まっている。この点数バフは全てのプレイヤーにかかるため、供託がある場では相対的に素の打点の価値が下がり和了可能性の重要度が増す。
・積み棒についても同様であるが、1本300点なので1本場程度だと誤差レベル。何本も積んである場合は連荘されているケースが多く、その場合は積み棒とか言ってる場合じゃない点数状況であるケースも多いので状況次第で判断すべき。逆に、流局続きで積み棒が嵩んでいる場は点数状況が平たいことが多いため供託と同様に重視すべき場合もある。
・満貫未満の場合、么九牌の槓および中張牌であっても暗槓であれば、槓ドラに関わらず符ハネによって打点の上昇が期待できる。そのため、他家の状況次第ではあるもののこのような状況においては槓をすることが有力手である場合があり考慮に値する。槓せずに満貫以上が確定している手の場合は、やはり状況次第ではあるが基本的に槓をしない方が良い選択であることが多いように思われる。もちろん、槓ドラの存在があるため満貫以上が確定している場合であっても不確定ではあるがさらなる打点上昇は見込める。

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