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【ゲーム】おれとジャミルとダウドの逃避行はいかにしてワロン島へ着地したか

あるいは、「ロマンシングサガ ミンストレルソング」プレイ記録

2023年の年始、お家の人からの強い圧によって、ロマンシングサガ ミンストレルソングのリマスターを遊ぶことになりました。

きみは絶対にジャミルくんが良かろうと言われ、「オッなんだあ? おれはおまえのことをよく分かっているアピールかぁ? そんなチョロい人間じゃないぞ」と思ったのですが、紹介された際に挙げられた「孤児、泥棒、女装」の三拍子揃ったらだめでした。ジャミルくんです。

そういう人間が初めて遊んだミンサガの話をうちのパーティーの冒険中心にしていく記事です。

やっちまったぜ

ジャミルくんで始めたらサイドキックみたいなダウドくんという少年が出てきて、ちょっと頼りなそうだけど根は善良そうな少年で好きになりました。こういう途中でついていけなくなりそうな少年が最後まで食らいついて来てくれたら嬉しいね、ぐらいの気持ちでオープニングを見る。

主人公に選んだジャミルくんは、ダウドくんと一緒に盗みを働き、友達の女の子、ファラに戦利品の綺麗な腕輪なんかプレゼントしている。「うわー男2女1だ(ビターエンドが約束されている関係性これが大好き)」ってきゃっきゃしてたら、その女の子が地元の偉い人に手籠め目的で連れていかれてしまった。なるほど「愛」の巣ってかふざけんじゃねえぞと思いながら女装して乗り込み……そこまでは良かった。

あんなところに選択肢がある方がいけない。おまえのガンダルヴァをガンダルヴァしてやると親指を下に向けて地元で一番えらい人を亡き者にしてしまったジャミル、巻き添えを食ったダウド、ファラと一緒に拉致されていたアイシャちゃんを連れて故郷を逃げ出し、あてどない旅路が始まってしまう。

どうしよう

ダウドくん、ずっとついて来てくれる……

そらそうよ、いくら成り行きとはいえ故郷でお尋ね者になっちゃったら帰りづらいよね……と進行度が時計の目盛りで言うと三時~四時のあたり、メルビルの下水で腹を括り、こうなったら最後までおまえと一緒に旅しような、と決めました。

以降、酒場で雇った用心棒のグレイを固定とし、残り二人はその時々で良さげな仲間を自由に入れるスタイルに落ち着き、最後は船のない海賊のホーク船長、バルハル族のシフ姉さんの五人でエンディングまで進めました。

あとアイスソードさんが30秒いました。


後でお家の人から聞いたのですが、ダウドくんがずっとついてくるのは、抜けるフラグが立ってなかっただけだったらしいです。そのダウドくんが抜けるフラグが「そこで?!」っていうタイミングで立ってしまったけど後に譲る。

なんもわからん期の到来

ミンサガはお家の人がPS2版を怒ったり舌打ちしながら遊んでいた記憶があって(今もそう)、「どうしてそんなにゲームでイライラすることあるの」と怯えの方が強かったし、最初はゲームのシステムがイマイチ分かってなくて、楽しみ方が分からないまま、遊んで……というか、作業をしていた。

表示されてるマップは北固定なのにゲーム画面は変なカメラワークでダンジョンから出たり入ったりするのストレスだなあ。敵にぶつかると横の有識者からなんか分かんないけどイラッとされるし。
ところでこのクラスっていうやつはどうしたらいいんだ。
メニュー左下の時計みたいなもの、下水入って出たらなんか不穏なカウントの進み方をしているがなんですか。
陣……形……?
武器が壊れる?
残機概念がある戦闘?

ボーケン初心者相手にそんないっぺんにウワッと言われても、ちょっと待ってくれ、入ってこない。OJTでやらせてくれませんか。

なんも分からんので有識者たるお家の人に泣きついて、分からないことがあったら都度研修をしてもらいながら、どうにか「進行度」「BPとEPとLPの概念」「クラスについて」が分かってきて、それがだいたいダウドくんを固定でやっていくと決めた辺りでした。お家の人がやたら舌打ちしていたのはエンカすると進行度が上がるせいか……

楽しみ方が分かってきた

システムについてはもうやって慣れるしかないと腹を括って、この主人公はどういう奴で、どこに行くのか、を探りながら各地に足を伸ばし始める。

自分がミンサガを楽しくするためには、「こいつらの物語」を考えることが必要だったのだな……ある程度出来上がっているキャラクターに肉付けしていく作業というか、自分の選択に物語上の意味を持たせるようにするというか。

親子の話になると感情先行するジャミルくん、フィールドBGMが結構楽天的なのと、弱いものの味方っぽい言動が目立つので、義侠心に篤い子だなあというところから、自分の頭でストーリーの隙間を想像で補いだしたら、うまいこと馴染んでくれました。

「ダウドくんをエスタミル古流闘士にするか。なんか……郷愁って感じがしていいし……」とか、「ジャミルくんは細剣めちゃつよにしたい」「ホークさん愛のステータス高いな。さすが船長だな」とか、現れたランダムデータに想像で味つけていくことで道中が大変楽しくなり、ノータイムでフラーマさんにカチ切れて隣の有識者から「あーあーやったなこいつ」って顔をされたりもしました。えーいうちのジャミルくんは「こう」なんだよ!

もうワロン島で暮らそう

楽しみ方が分かって来るとストーリーを面白がる余裕が出てくるので、マルディアスを駆け回ってあちこちの揉め事を解決する。

騎士団のみなさんの面子を潰したり、若い女の扱いに悪い意味で定評のクジャラートに愛想をつかしてもうローザリアにくれてやれと太守さまも亡き者にし、偶然訪れたリガウ島ではモンスターと恐竜に追い回され、バファルでは権力闘争に巻き込まれて辟易し、フロンティアはなんかでっかい爬虫類がいて怖い思いをし。船に揺られて辿り着いたワロン島でゲッコ族を助けてお宝の地図を貰ったところで、もうここに住もう。なんか色々終わったらゴドンゴで隠居しよう……そういう気持ちになりました。

どこも大小の問題があって、それは組織のトップや領主の気質、姻族の野心によるところが大きいんだけど、そうなったら、なおさらシティシーフのジャミルくんが長居したいはずもなく(お尋ね者だし)。騎士団領なんか大嫌いだと思うんだよなあ……

ワロン島なら、ある程度のどかで、気候も温暖で、なによりゲッコ族がいる。ゲッコ族はプレイヤーのヘキ。

おれたちのダウド

進行度が進むと、ちょっと色んな所の事態がのっぴきならない感じになってきた。内紛とか、いけにえとか、でっかい魔物の復活とか。

そんな中、スクスクとエスタミル古流闘士として成長したダウドくん、すっかりうちのエースになってしまった。練気で自分にバフかけられるし、いっぱいあった弓持たせたらイド・ブレイクも覚えるし、曲刀持たせればたくさん技をひらめいてくれる。知性が絡む以外ならなんでもできるから、もううちのパーティーの要みたいになってしまった。

ところがダウドくんが、ちょっと寄った故郷(ウハンジを暗殺しているので官憲に襲われる)で、暗殺ギルドの話を聞いたら急にパーティーを抜けたいと言い出す。今更言われても困る! いてくれ! 

全力で引き留めて「あぶねえ~。里心ついちゃったか」と思っていたら、お家の人から、ここで引き留めなかったらうちのエースが暗殺ギルドに引き抜かれ、やむなく命を奪う展開になったと聞かされて、このゲームやっていてこれ以上に自分の選択が正しかったことないな……と思いました。こんなほぼ終盤までついてきてくれたのに、こんなところで喪ってたまるか。

そんなわけで全力で慰留したダウドくんを連れてラスボスを倒しに向かいます。ルートがいくつかあるよって旦那さんに言われたので、最終試練のあとでオールドキャッスルに行きました。オールドキャッスルのイベント好きだったなあ……

ジャミルくんはこの(ラスボス倒した)後行方くらまして、忘れた頃にファラちゃんに宝石とか送ってあげるんでしょ?

と思ってたら本当にそうだった。期待を裏切らない人! ありがとう!

ラスボス戦は、愛が高く足早い船長を回復役に据えて、グレイ兄さんとシフ姉さんにデバフ入れてもらってダウドをメイン火力、ジャミルをオールラウンダーとしてスキルをたくさん回してもらいました。命のリレーやお祈りポイントがありつつ、最終的にダウドが土壇場で心形剣をひらめいて倒せました。さすがおれたちのダウド。

エンディングもすごいジャミルくんらしくてよかったな。しばらくワロン島でリゾート楽しんでほしい。ダウドはほとぼり冷めたらファラと結婚するといいと思う。

いやー面白かった。旦那さんからはずっと「防具が貧弱!」って言われたんだけど、買い物をすると店が育つシステムが抜けてて大した防具が買えなかったとか、スキル買って武器強化して魔法買って恩寵調整したらお金なくなっちゃったんですよ。

この辺のリソース配分のこなれなさも含めて初プレイの面白さだと思うので、最低限のアドバイスだけにとどめてくれた旦那さんありがとね、という気持ち。

藤原啓治さんのキャラクターとかいるから、気が向いたら2周目も遊びたいな。今度は船長とゲッコ族の右腕を固定でやるか……