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【海上牧雲記】海上牧雲記の舞台は? ファンタジー要素は? 調べてみました!

タイムラインでにわかに中華ファンタジー機運高まってたので、逃がさねえぞと思って書いています。

このところnoteで記事書いてる海上牧雲記、そもそもどういうアレなんです? という話だ。推しの話ばっかやってたからな……

海上牧雲記isなに?

2017年に中国で放送されていた中華風ファンタジードラマ。原作はロードオブザリング(映画)にインスパイアされた「Novoland」と呼ばれるシェアードワールド(何人かで舞台になる世界をシェアする)小説シリーズらしく、英語のwikiによると、7人のライターが30冊以上出してるらしいですね。グループSNEみたいだな……

その中で「今何在」という人の書いた小説が映像化されたものが「海上牧雲記」です。舞台の九州は10,000年の歴史があるとのことで、その中でも端朝という王朝の終末期、予言に翻弄される王朝とそれに振り回される英雄たちの物語だそうです!

舞台/国土

九州は3つの大陸、9つの州に分かれていて、海上牧雲記の主な舞台は皇宮のある中州と、北方の厳しい荒野、瀚州。序盤には砂漠都市や海洋民族なども出てきますが、本筋とは関係ないので、他の作者が書いてる話の人がモブで出ているのかも、という想像が膨らみます。

中州は首都なのですが街並みより宮中が描写されるため、残念ながら市井の暮らしが分かりませんでした。

瀚州は北方にあるので住みやすい土地を求めて蛮族が蛮族したり、8つの部族があてがわれた痩せた土地で国にみかじめ(税)を納めています。第一話は、この瀚州に住む少年、碩風和葉が村を焼かれるところからスタートします。碩風和葉は村を焼いた穆如軍に復讐を誓い、それはやがて彼の大望となっていきます。

美しくも荒涼とした世界に住む瀚州人たちが、連帯し南下してくることは、端朝にとって、とんでもない脅威と成りうるでしょう。

他には、中州からちょっと南東のあたりに、ドワーフが住んでいる地下帝国があり、そのご近所に前王朝の生き残りが住んでいます。

ドワーフ? えっドワーフがいるの?

舞台/種族

この九州世界には人間以外の種族も暮らしていて、詳述されるのは人、ドワーフ、精神生命体の3種族。ほかには北方に巨人、海に鮫族、未来を見通す羽族がおり、全部で6種族が存在しています。

まず、さっきあげたドワーフこと、河洛(からく)族。金属加工が得意で、とても賢い種族らしいんだけど、独立国が欲しいと人族と交渉したら、地下に追いやられてしまいました。賢さのベクトルが法に向いてないんですね。

なので、基本的には地下で暮らしています。海上牧雲記では、王のファラケス(根っから科学者)が地中に太陽光を引き込む研究に没頭しています。王や主要な河洛以外、撮影にあたっては子役で低身長を表現している工夫がみられました。

次は、精神生命体の魅(み)族。人間の感情を栄養にし、体はマナのような何らかの魔素のようなもので出来ています。実体化して恋をして、女性の魅であれば子を産むこともできるようです。そうして皇帝と魅族の女性との間に生まれたのが、二人目の主人公、牧雲笙です。

魅族は精神的なサキュバスのような種族なので、人族は魅族に対して「人族は魅族のごはんじゃない」「あいつらは化け物」という強い恐怖があるようです。殺意に対してはオートで反撃する習性があるらしいのですが、詳細は分かりませんでした。

さいごは人族。人間です。海上牧雲記では人族が社会をこしらえて運営しているようで、他の種族と政治的につながりがあるという話は出てこないのですが、他の種族については恐れつつも一段下に見ているフシがあります。現在の王朝、端朝の人々が特にそうなのかもしれませんね。

舞台/端朝

その端朝について。王朝が始まって300年ぐらい経っているようです。前の王朝に反旗を翻した牧雲家が皇帝に、牧雲に従った穆如家が将軍として九州を統べています。

国政には科挙などの制度がなく、貴族たちが脈々と皇宮に官僚として勤めています。若いお姉ちゃんと浮気しているジジイ官僚がいたり、諫言が聞き入れてもらえず馬車に頭ぶつけて死のうとする官僚がいたり、買収される官僚がいたり、まあ色々います。

武官はどうなってるのか? というと、建国以来、牧雲家は穆如家に兵権を全権委任しているアホみたいな厚遇をしているので、これまで穆如以外に強い権力を持った武官は存在していないようです。

この優遇には建国に関わる秘密があるらしく、その秘密に関わるもう一つの要素が占星術による予言です。

舞台/信仰と秘術

端朝は星占いが大好きな王朝です。どのぐらい好きかっていうと、星読み専門の部署があり、巨大な天球儀めいた計算機で天体の運行を読み、その星読みの結果が国政や人事にダイレクト反映されるぐらい。建国以来、皇極経天派という占星術師の一派が皇帝や重臣の運命を占ってきました。その予言によって、牧雲笙は忌み子として軟禁生活を送り、三人目の主人公である寒江は生まれてすぐに捨てられてしまったのですが、牧雲笙と寒江は親友になるんです。予言によって引き裂かれる友情の行方もとても気になります!

どうも、建国以来皇帝が特権を与えた者にはなんかあるらしいのですが、詳しい事はまだ分かりません。皇極経天派、開祖とされる人は魔法(秘術)が使えたらしいのですが、現在秘術というのは良くないものとして捉えられているようです。

秘術とされるものには47話時点で二種類あって、巫女や神官の操る信仰パワーによるものと、マナなりプラーナなりの、世界の理そのものに干渉するタイプのものです。

信仰パワーで秘術を使うのが、瀚州のシャーマン一族。瀚州では広く盤韃(ばんたつ)という神様が信仰されていて、人が亡くなると盤韃のもとに送り出したり、「南無八幡大菩薩!」ぐらいのニュアンスで頻出する、明確に名前のついた神様です。で、その盤韃に祈ることで呪ったり呪いを返したり、人々の意識に呼び掛けたり、強い巫女は最終的にメテオを使うようになれるようですよ。すごいですね!

呪文を唱えず秘術を扱えて、いわゆる「マナを操る」方法で術を行使するのは、人族の秘術師や魅族に多いみたいです。酒に術をかけて人を乱心させたり、視界をハッキングして延々と通路の映像だけ見せたりできる。忌避されているのは、こういう悪用される秘術のせいかもしれません。魅族とのハーフである牧雲笙にも、こうした秘術の才能があるようですね。

いかがでしたか?

ここまで、海上牧雲記の世界についていかがでしたかブログ風に紹介してきましたが、いかがでしたか。

海上牧雲記は、いくつもの種族、様々な秘術、神話の生物、伝説の武器、絶対当たる予言など、ファンタジー要素の強い叙事詩です。

洋モノファンタジーはあんまり得意じゃなかったんですが、中華時代劇風ファンタジーなのでこれまでの蓄積からスッとは入れて楽しめています。武侠モノではないんで派手な立ち回りがないぶん、役者の芝居が恐ろしいので見てください。主人公のなかでは蛮族の王、和葉くんがわたしの推しです。芝居もすごい。あんなに気持ちよく覇道を行かれると「王……」ってなる。

どうやって見たらいいの?

一番大事な「今から第一話見るとしたらどこで?」というのは、調べたところ、アマゾンプライム会員なら3話まで無料でした。以降は220円かかるので、全部見終わると一万円以上支払うことになるので軽々におすすめできないんだけど、まあおためしで1話だけでも見る分には、ということでリンクを貼っておきます。3話までだと主人公が全員出てこないんだけどさ……(中華ドラマ特有の立ち上がりの緩やかさ)

BSトゥエルビでは現在47話まで放送ずみですが、75話まであるのでやっと折り返したところです。

長い!

長いし登場人物がアホほど出てくるため、推しを作って並走していくのが楽しいドラマです。明確に死んだとされる人間はあまり出ていませんが、好きだった脇役はもう二人ぐらい死んでしまった。どうして推すと死ぬんですか?