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【Letter for XXX】#23 InazmaCEO Shunsuke Kogaさん

こんにちは、Shihoです。独断と偏愛で他己紹介をさせて頂く3Minutesマガジン「Letter for XXX」。
#23 は InazmaCEOのShunsuke Kogaさんです。

■#23 InazmaCEO Shunsuke Kogaさん/Status:初対面(オンライン)

新型コロナによって国内の医療体制そのものに対する注目が大きく高まった2020年。オンライン診療など日本が諸外国に対して遅れをとっていたこの分野が大きく動いたのは、不幸中の幸いかもしれません。

そんな医療分野のスタートアップ企業として「ヘルスケアを、アップグレードしつづける」をミッションに掲げる株式会社Inazmaで代表を務めている古賀さん。受診体験の向上を目指した患者さん向けアプリケーション開発や、医療従事者の業務効率化を促進する仕組み作り、そして、それらを活用した未来型クリニックを模索しています。

大学時代にスタートアップに興味を抱くと、LayerX代表の福島さんなどを輩出した東京大学起業サークルTNKに所属し、すぐに起業というものに触れた古賀さん。漠然とした医療への興味から筑波大学医学部に進みながらも、医学部での勉強そのものには興味を抱けず、正反対なスタートアップの動きの速さやあたらしいものを作っていく環境に魅了されていたといいます。プログラミングを覚え、自分でプロダクトを作れるようになると、現在でも医学生の20~30%が利用しているという国家試験対策サービスの立ち上げ・運営に関与するなど、一つのプロダクトが多くの人に対して影響力を持つ様を目の当たりにします。

そんな古賀さんは現在、Inazmaと並行して、とある医療機関で産婦人科医として勤務しています。インタビューしたその日も、「今日は帝王切開が4件あって、双子が1組なので5人の出産に立ち会いました」とさらりとおっしゃっていて、お産に”まみれる”日々を送っているそう

そもそも産婦人科を選んだのは、スタートアップの世界が長い古賀さんにとって、産婦人科は医療におけるもっとも”スタートアップ的な診療科”だと感じられたからでした。様々な医療の分野がある中で、費やす時間に対して、患者さんの人生への影響力が最も大きいのが産婦人科。自分の時間を使って関与した成果の大きさとして、1人の命の誕生をアシストするその先に広がる可能性に最もやりがいを感じたのです。

医師と妊婦の関係は、「担当として最初から最後まで付き添い、その出産には友人のように喜ぶ」ようなイメージがあるかもしれませんが、古賀さんの勤務する病院は少し毛色が違うそう。主治医制ではなくチーム制で、妊婦健診にしても医師のフリーアドレス制を徹底。「1番診察室は古賀先生の部屋」などではなく、空いた医師が妊婦の待つ部屋に適宜入って診察を行うなどのオペレーションが構築されているのだといいます。「患者を待たせる」ことで医師のアイドルタイムを減らそうと考える従来型の病院のオペレーションではなく、「患者を待たせない」ための仕組みを作り上げ、医師のアイドルタイムを削減する、徹底した仕組みづくりが見られます。

こうしたオペレーションの効率化は時に「情がない」などと言われることもあるかもしれません。ですが、ただでさえ忙しく人手不足の医師が、他の人でも出来ることまで手を回したり、無用な待ち時間でその時間を浪費する方が全体最適の観点からいうとナンセンス。専門的で希少なスキルを持った人の能力を必要な人に最大限届けるためには、そうした徹底的な集約化と整理・分散による仕組み化が必要といえるでしょう。

来るべくして来たかのような先進的な診療オペレーションから得られた学びは、Inazmaにとっても貴重な情報。大学生で起業した頃からエンジニアとして活躍していたため、古賀さんには徹底的に効率を高め、ユーザー体験を向上させるITの世界がすぐ隣にありました。それによって見えていた「医療業界の無駄とそれらが最適かされた未来」が、ある一つの具体例として血肉になっているのです。

そして、産婦人科を選んだ理由と同様に、これから先Inazmaでやりたいことも世の中の多くの人々にとって「影響力の大きい仕事」。スタートアップの世界で知ったテクノロジーの力と仕組み化で、無駄や負が多い医療分野を最適化させることが出来れば、限られた人生の中で最大のパフォーマンスを世の中にもたらすことが出来るかもしれない。それを実践するかのような病院での勤務経験が加わり、Inazmaのミッションはさらに加速していくはずです。

Shunsuke KogaさんTwitter(@_kogax_)

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Letter for XXXは、不定期かつ独断と偏愛で随時更新していきます。

Shiho Nagashima Twitter(@evisilli)


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