許されようとは思いません、の読書感想文『トイレ掃除生活95日目』
あなたの事情と、わたしがあなたを好きな気持ちには関係がない。
芦沢 央(あしざわ ゆう)さんの小説は初めて読んだ。
冒頭の引用文を読んだとき、「作家さんは本当にすごいな」と思った。
小説は5章編成の短編集。
【タイトルの許されようとは思いません】は最終章である。
主人公である諒一の祖母は殺人犯である。
その事を交際相手の水絵に伝えた時の場面がこれだ。
「あなたのお祖母さんがしたこととあなたは関係ない」と言ってくれた人は何人もいたが、『あなたの事情と、私があなたを好きな気持ちには関係がない』と断言してくれたのは彼女が初めてだった。
それまでの人は祖母と諒一の関係に言及したのだろう。
だが水絵は違う。
諒一を思う自分の気持ちを伝える水絵、私は水絵の味方になった。
「なんで水絵と結婚しないんだよ、諒一の意気地なしめっ!」
「意気地なしに水絵はもったいないぞ!」
完全に水絵ファンになった。
水絵様の凄さは後半に発揮される。
祖母がなぜ殺人犯になったのか。
その真意の確信に迫る水絵様はなんと聡明な方か。
そして意気地なし諒一と水絵様の将来は・・・。
ぜひ読んでいただきたい作品です。
水絵様を知ってください。
お求めは近くの本屋さんもいいですね。
おしまい
よろしければサポートお願いします! 私の世界観に共感してくれたら嬉しいです! いただいたサポートは必ずクリエイターとして還元します。