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夏と冬とぼくのあとがき『トイレ掃除生活18日目』

第一章 「門出」1125文字
第二章 「帰還」946文字
第三章 「出会い」1171文字
第四章 「理解」1278文字
最終章 「別れ」941文字

大体1000文字を原稿用紙に書き直してみたら3枚になる。
つまりぼくは毎朝原稿用紙3枚を仕上げていたってことになる。
毎朝ノープランで書くのはすごいと思う。

でも描写が下手だから読んでて殺風景だったはず。
作家さんは凄いよ、ただ人物が歩いてるだけなのに背景の描写に3行とか書くんだから。
【情景の描写】って難しい。
季節と時間と天候と路地の雰囲気と形。服装や仕草に音や匂いまでを描写するんだから。
ぼくの小説にそんなことしてたら毎日3000文字は書かなきゃいけない。
だから描写は妥協した。

それではそろそろご褒美のあとがきいっきまーす。

この小説の主人公は誰だろうか。
「ぼく」だろうか。なにせ語り手だ。
全ての情景は「ぼく」を通して伝えられている。
だが「ぼく」の名前も明かされてはいない。

では「冬子」だろうか。なにせこの三人組は「冬子」で繋がっている。
手を繋いで並ぶなら間違いなく「冬子」が真ん中になるだろう。
だが「冬子」は文中で一言も話していない。
「ぼく」が代わりに伝えているだけだ。

では「夏子」なのだろうか。
この小説を読んで人物像を想像した時、より鮮明に浮かぶのは夏子だろう。

さて、誰が主人公なのだろう。
そんな小説にしたかったからそういう風に書いたつもりだ。
何も明かさない「ぼく」と物語の流れを組む「夏子」と、そんな二人に囲まれた「冬子」
皆が主人公になり得るが確定には足りない人物たち。

この物語を書くにあたり一番楽しかったのは第三章の「出会い」だった。
本屋での出会い、カフェでのやり取り、ニヤついた夏子と苦笑いの冬子。
これを書くために他の四章を書いたといっても過言ではない。
ただその為に結構な心労を重ねた訳だけど。

楽しかったけど苦しかった。
毎朝寝ぼけながらパソコンに座り、その章のタイトルを決めてから書いていく。苦しいけど書けるのが不思議で楽しかった。
修正箇所は多いけどあえて直さない、その日完結の物語。
とか言いつつしれっと直しそうだけど。

苦しいからやりたくない。
でも思い浮かぶから書きたい。
そんなちぐはぐな五日間での五章だった。
ぼくはそう思った
おしまい

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