2022年の小説投稿サイトの雑感
2023年も始まったので2022年の小説投稿サイトのまとめを簡単に書いておこうと思います。
2022年に誕生した小説投稿サイト
新しく誕生したのは以下のサイト
ノベルピア
2022年に誕生した小説投稿サイト。投稿した小説が獲得したPVにより収益が発生する。韓国の投稿サイトからの派生。
Satoruya
2022年に誕生したSNS式小説サイト。個人運営。
聴くっショ!
2022年に誕生した小説を朗読することに特化した小説&朗読投稿サイト。個人運営。
NOVEL VERSE
2022年に誕生したリレー小説投稿サイト。個人運営。
見逃しもあるかとは思いますが、小説投稿サイトとして見つけられたのはこれだけ。
2010年代だと毎年10以上誕生してたのですが、もう半分くらいの数になってますね。まぁ作っても収益化が難しいし、難易度も高くて旨味がないからだとは思います。
作成のハードルは低いですが、差別化が難しく集客が難しい点が挙げられます。作っても、もう既存のところでよくね?と思ってしまいます。
作成者は個人開発が3件と企業が1件ですね。企業は旨味もなくて成功難易度が非常に高いので手を出しにくくなってる気がしますね。作りっぱなしになることもしばしばです。
閉鎖
Writone
2018年に正式オープンした、ボイスブックを作り販売できる投稿サイトでしたが、現在繋がらなくなってます。
ShortNote
エッセイ投稿サイトでした。
おためし小説投稿
メアド不要で見た目もきれいだったのでそこそこ使われていた小説投稿サイトですが管理人さんの決断で閉鎖されました。その管理人さんは今は別の小説投稿サイトを作ってます。
のべぷろ!
2009年に誕生した作品を有料販売することができた小説投稿サイトです。時代を先取りしていましたが、知名度の問題か人が集まらなかったのかと思います。
DreamTribe
2008年に小学館が始めた新人発掘用に作られた投稿サイトです。マンガ甲子園とかやってましたが閉鎖されました。
閉鎖された中できちんと管理されてたのはShortNoteとおためし小説投稿さんですが、運営負担が大きかったのか閉鎖されましたね。
ただおためし小説投稿さんはまた新しいところを作成中のようです。
たぶん2023年ごろにリリースするのかな?
2022年のトピックス
SONARSの炎上
2021年末にマシュマロ運営が作った投稿サイト「SONARS」ですが2022年の年明け早々に炎上しました。
自分が思う炎上原因は集客と収益化を急ぎすぎたことだと思ってます。なんとなく運営会社の財務状況がヤバかったり、リリースするうえでのノルマが厳しく設定しすぎていたように感じます。発想や機能の方向性はよかったとは思いますが、お金がちらつきすぎて引っ掛かりが多かったなぁと。もう少し長い目で運営計画を立てれば少し違ったんじゃないかと思います。
現在は色々と方針を変更されて現在放置気味になってます。作るといっていた機能も全然実装されずアップデート履歴も5月末で止まってます。
このまま放置されていくのではと予想してます。
これは完全な想像ですが、熱心に作りたいと思ってる人が辞めたんじゃないかなと思ったりします。内部的にも小説投稿サイトに対する温度差があって優先度の衝突があって無理やり結果を出そうとして爆死したんじゃないかと予想してます。
それで担当者がいなくなって宙ぶらりんになってるのかなぁと思います。まぁこうなったら大体ひっそりいつの間にか終わるような気がしてます。
ノベリズムの運営移管
2021年末にギブアップ宣言を出したノベリズムの運営が変更されました。
2020年に誕生して派手に宣伝をしたはいいけれどもユーザーが集まらず1年ちょっとで運営がギブアップしました。
そのあと移管先を探していたのだと思いますが、今年に移管先が発表されました。
移管先は株式会社viviONで、紙出版レーベルやWEBTOON事業をやってます。この辺りに組み込むためにノベリズムを取得したのかなぁと思ったりします。特に大きな動きはないですが、動くとすると年度切替の4月あたりからではと思います。
Teller Novelの炎上
夏ごろにTeller Novelが炎上しました。
炎上の原因は主に画像の無断転載ですね。
表紙が付けられる小説投稿サイトかつ二次創作が多いところは発生しがちのものですが、公式や投稿者の対応が悪く大きく燃えました。
テラー以外にもプリ小説など他の小説投稿サイトにも飛び火して投稿サイトの大移動が起きたり、色々と話題になってました。
著作権関連のトラブルは2次創作を扱う上ではかなりセンシティブになるので対応を間違うと怖いなぁと思いました。
スターツ運営の漫画推し
野いちご、ベリーズカフェ、ノベマの3姉妹サイトを有するスターツ運営が最近漫画を推してますね。特に異世界ファンタジー系。
媒体資料
https://starts-pub.jp/wp-content/uploads/2022/09/mediasheet-_syosekiwebsite_2022.pdf
野いちごはそのままですけど、ベリーズカフェとノベマを見ると異世界ファンタジーのコミックを推してます。
ベリーズカフェはアルファポリス系の異世界恋愛。ノベマはなろう系の異世界ファンタジー。
キャラ文芸系だけでは伸びなくなったのか、新規開拓しているようです。サイトもリニューアルされてちょこちょこ変わってる感じ。
なんとなくアルファポリスあたりのシェアを奪いに行ってるのかなぁと感じたり。
ノベルピアの参入
夏ごろに海外の小説投稿サイトノベルピアの参入がありました。韓国ではものすごく流行っているようですね。
PVインセンティブと公式作家制度を導入していて現在β版。現在ユーザーを集め中でユーザーが集まれば有料サービス化すると思われます。
2022年で唯一企業運営で参入してきたところです。なお韓国で成功したモデルでやっていて、資金力もそこそこあり色々な作家をスカウトしての出発。
色々と頑張っているようですね。
韓国や中国のビジネスモデルを日本に入れてきた投稿サイトはいくつかありますがどれも1年程度で撤退しているのを見ていると戦略が上手くいくのかどうかが不安になりますね。MAGNETやLINEノベル、ノベリズムなど見てると、どの投稿サイトも作家の引き抜き→PVインセンティブ→公式作家→人が集まらない→資金切れ→爆死。の流れです。
ノベルピアも今のところ同じような流れを汲んでいてここからどうやって人を集めるのか気になりますね。
最近の小説投稿サイトの傾向
最近以下の記事を読みました。
インターネットは断片化されることを望んでいる
最近の傾向を語るうえでこの記事がしっくりきました。
小説投稿サイトも巨大なプラットフォームへの集合がトレンドでしたが、趣味嗜好ごとに分かれてきているなと感じます。
既に若者はテラー、プリ小説、占いツクールあたりに集まりつつあり、交流メインのゆる勢はなろう、書籍ガチ勢はカクヨムとかアルファポリス。色物で交流好きはノベプラとか。二次創作はハーメルン、pixiv。
どんどんと分離している感じがしますね。近年それが加速しているかと思います。
小説家になろう1強時代も終わりつつあり、それぞれ個性を持った投稿サイトへと回帰していくのではと思います。
逆に言うと個性が被ったら生き残れない感じで、いかに個性を出した小説投稿サイトを作れるかが生き残るために必要になるのかなと思ってます。
万人受けのところは後発で出しても生き残れないと思います。
2023年の投稿サイト
新しい小説投稿サイトを作っているところはいくつかありますね。
ノベルギルド
ノベカツ
Canvaletteノベルス
あとYahooの匿名さん
多分この人かな?
何人か作っていて、そのうちどれくらいオープンするかはわからないですが、傾向を見る限りはそんなに多くはなさそうです。できてもほとんど個人運営ではないかと思います。
2023年の個人的な注目は、ノベルピアとノベリズムかなって思います。ノベルピアがどんなふうに進むのか、ノベリズムは運営移管した後の方針がどうなるのか観察したいですね。
個人運営では貸し本棚さんの開発とか眺めたいなって思ってます。
個人開発勢は大体数か月で開発やめてフェードアウトしちゃうので残っている人少ないんですよね。貸し本棚さんは継続して開発しているのでいいなぁと思いながら見てます。
個人開発勢で真面目に開発続けているのはほんと少数派ですね。
色々と小説投稿サイトについて書きましたが、2023年はどうなるか楽しみですね。
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