21210508_新時代の通信技術

町に散歩に出ると甲羅のない亀のようなマスコットをよく見かけるようになった。というのも、もうじき新しい通信規格3Tが運用されるかららしい。町の立体広告でもしきりに「宇宙人ともコミュニケーションできる」と宣伝している。この珍妙なマスコットも有名な古い映画に出ていた宇宙人にあやかっているのだ。

3Tは2Tよりもさらに速く意思伝達ができるようで(なんと436 PB/秒!)、考えたことは口に出すよりも早く相手に伝わるようだ。そう聞くとなんだか恐ろしい気もするが、今の帽子に合わせた規格なのだからすぐに慣れるだろう。

ふと、3TのTは何の略なのか気になった。調べてみると、以前までは世代(Generation)の頭文字からxGという通信規格が使われていたらしい。しかし、ある時からGをGigaと勘違いした愚か者が、次の規格をTeraのTにしてしまったようだ。なんとも滑稽な話で笑ってしまった。どうせなら通信速度に合わせてPetaのPにすれば良いのにと思ったが、少しいかがわしい気がするのでTで良かったのだ。

明日は新しく通信用の帽子を選びに行こうと思う。頭に巻くのはいつになってもアルミ製に限る。

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