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『骨盤矯正』に関する一つの答え

骨格矯正ってなんだろな?


小顔矯正だとか骨盤矯正だとかのフレーズって大体の人は耳にしたことあると思うんだよね。

でもあれって各所(特に医療関係者)から色々言われていて、問題になっているとまではいかないけど、不信感があるって人はそれなりにいたりする。

「骨はコンクリートくらいの硬さがあるんだから歪むはずがない」
「内臓を保護する役割のある骨盤がそんな簡単に歪んだりしない」
「仮に歪んでるとしてもちょっと押したりするだけで治せるとは考えにくい」

などなど。

解剖学の知識がある人たちはそう主張する。たしかにね、解剖学的にはその通り。そう、解剖学的にはね。

でもさ、残念ながら身体ってそんな簡単なものじゃないんだよね。例えは悪いけど、仕事で上司から指示されたものが、たしかに理論上はできそうではあるけど運用上は無理があったり、逆に上司が見向きもしないようなちょっとしたことで現場がうまく回るようになったりするのと同じで、人間の身体も『理論』と『運用』では違いがあるってわけ。


理論と運用の違いってなんだろう

分かりやすい例でいえば、腕。

「手首から肘、肘から肩まで」の骨の形はほとんどの人が同じで、可動域もほぼ同じっていうのは想像できるよね。解剖学でもそうなってる。

じゃあ、スーパーで色々買い物をして2リットルのペットボトルや野菜や肉や調味料などを買ったとしよう。重さにしたら4キロくらいかな、それらをエコバッグにいれて【肘にかける】想像をしてみよう。

どう?

肘が90度より鋭角に曲がったよね?
荷物を肘にかけたまま肘伸ばせる?
え? 重さ的に伸ばせない?
「あー、これは腕が歪んでますね」

ってことなんだけど、意味わかるかな。

要は、関節が不自然な形で "固められている状態" を「歪んでる」って言ってるだけなんだよね。

骨盤って塊みたいなイメージがあるかもだけど、複数の骨で構成されたものだからそれぞれの骨の間に関節があって、それらの関節が不自然に固まってしまうと骨盤が歪んで見えるから、それを「歪み」って言ってるわけ。根底にあるのは関節が不自然な形で固められているということ。これは運用上のトラブルなので、解剖学ではこのような概念はない。(似たようなものはあるけど根本的に違うんだよね)

でもそれって簡単に治せるものなの?

はい、じゃあこの肘にかかっているエコバッグを手に持ち替えさせますね。
どう? 肘が伸びたね、つまり歪みが取れたね。え? 今度は手首が曲げにくくなった?
それなら、このエコバッグを肩にかけ直させてもらうね。はい、これなら手首も肘も自由に動かせるよね。

ってことなんだけど、意味わかるかな。

要は、負荷がかかっている場所を変えることで、バランスをとりやすくするのが骨盤矯正ってわけ。関節を無理に曲げたり伸ばしたりするわけじゃないんだよね。これも運用法の見直しなので解剖学ではこういった概念はないね。


まとめてみよう

というわけで、ここまで伝えたことは

・骨盤の歪みとは、骨盤の関節が不自然に固められてる状態のこと

・骨盤の歪みを力技で解消するのではなく、負荷のかかり方を変えることで自然な状態にする

・骨盤矯正は構造を変化させるのではなく運用法を変化させるものなので、語るには解剖学の知識だけでなく運動理論も必要であり、医学的にはリハビリテーションに近い

の3つ。
これらは施術する人も施術される人も共に頭に入れておくとトラブルが少なくなるんじゃないかな。

例えば「肘が痛い!」って時に、整形外科(医療系)では肘が炎症していないかとか骨が擦れていないかとかの疾患を疑って、人体そのものに異常がなければどうにもできないんだよね。
一方、整体(骨格矯正)では関節の動きの良し悪しや筋肉の緊張または弛緩の度合いを調整するもので、人体そのものに異常があったらどうにもできない。

骨盤矯正や小顔矯正というのは、骨そのものをどうにかするわけじゃないってことだけでも覚えてもらえるといいかもしれないね。

「100%の正解がこれです」とまでは言わないけど、骨格矯正という存在に対する一つの答えであるとは言っておくね。

自分の身体のつらさを何とかできそうなものが見つけられるといいね◎






余談

これ以降はもう少し実践的な話になるから、これまでの話を今一つ信用しきれない人や技術的に興味がある人、あとは単純な読み物として興味を持ってくれている人が対象の文章になります。






『前後左右のバランスを整える』

これは俺の個人的な意見なんだけど、前後左右がシンメトリーであったり、最も自然な状態だったり、本来の形であったり、耳障りはとても良いとして「それが1番良いかどうかは別」だと思ってるんだよね。

人間の体って左右対称のようで左右対称ではないんだよね。利き手があるし、顔の形も左右で違うし、心臓は左に寄ってるし、腎臓の稼働率も左右で違うし、腸は時計回りに配置されてるし。それに、生活習慣を加味しても前後左右を同じくらい使っている人なんて絶無だと言ってもいい。

極端な例えになるけど、身体をまっすぐにしたら頭は正面を向くのが自然なわけで、でも少し左向きの状態になっている方がいい人もいる。弓道においては頭が左を向くので、正面を向くのが自然になっていると「左を向くために力を込める」必要があるけど、少し頭が左向きになっているとその労力が少なくなる。ボクシングなどの格闘技もそうで、左手足を前に出す選手が多いので「少し身体が捻れている方がパフォーマンスが高まる場合」もある。

すなわち、生活習慣に合わせて最もパフォーマンスを発揮しやすい調整をすることを考えると、前後左右をシンメトリーにしたり姿勢を良くしたりすることが絶対ではないと考えてるんだよね。個人的にはね。

それは受け手の身体に触れて実際どのように運用されているのかを把握したり、会話をすることで公私の状況や本人の価値観を加味したりして、受け手にとって最もパフォーマンスを発揮しやすい状態に調整すること。楽器でいうところのチューニングみたいなもので、弦楽器も温度や湿度によって弦の張り具合が変わるし、普段演奏する曲によってあえて響きが崩れるようなチューニングをしたりもするからね、感覚的にはそれに近いかも。


『荷物を肘にかける例を掘り下げる』

荷物を肩にかけると手首と肘が動かせるようになるって話をしたけど、でもそれだと今度は肩に力が入ってしまうし腕を真上に上げるのが難しくなるよね。それに、例えば右肩に荷物をかけた時に右腰を痛めてる人の場合は腕の歪みは取れるけど腰の痛みは増してしまうし、右利きだったら右肩に荷物がかかってるのって色々と不便だよね。

だから右手に持っていたものを左手に持ち替えてもらうとか、握力に自信がある人なら手で持っても手首を動かす余裕はあるだろうしとか、4キロの荷物を2つに分けて両手に持たせるとか、荷物を4つに分けて両手と背中のカバンとお腹のポーチにそれぞれ分散させるとか、まぁそうは言っても肩が強くて器用な人なら利き手の肩に荷物をかけても問題ないよねとか、その人の身体性に合わせて調整するものなんだよね。

これって技術だけでなく分析力や発想力も必要で、人には人の骨格調整があるからパターン化やマニュアル化ができるものではなくて、完全オーダーメイドなのでレディメイドにしてしまうと効果が減ってしまうんだよね。それでも無意味だとは言わないけど、パターン多すぎて覚えられないのではと思う。

必要なのは、相手の『過去・現在・未来』の3つをバランス良く(≠均等に)分析することだと思うんだよね。あとは、相手の『現在・未来』の間に割り込んで未来を変えるイメージ、そしてそれが発想力ってわけ。あとはそれを体現させるだけっすね。


『っていうか、そんなことできるの?』

よく言われるのが「言葉はわかる、意味はわからない」ってやつ。理屈の上ではそうなんだろうけど実際にそんなことできる想像がつかない、という人が多い。そりゃそうだ。これは感覚的なものだからね、

例えば、ピアノで適当に10音だすから音階を当ててね、って言われてほとんどの人が「いやいやそんなの無理だから、できる気がしないわ」ってなると思うんだけど、絶対音感の人は容易にそれができるよね。それと同じで、俺は受け手の身体を触れば大体の状態が把握できるし、どこをどう触れば受け手の身体が変化するかも大体わかる。でも普通の人はそれがわからないしそれが普通なんだよね。

ただ、楽器と違って人の身体は繊細なので確実に狙った調整ができるとは限らない。身体の使い方だけでなく心の動きも影響するし食事によっても変わる。考慮できる要素は多ければ多い方がいい、でもそれらを取捨選択するのも要素をたくさん探すのも大変、だから調整って難しくて楽しい。


『定期的に言ってることではあるけども』

無限の知識と無限の技術がほしい!
とは言ってるけどね、まず知識だなんてマニュアルはあくまで土台でしかなくて、土台はとても大切だけど土台だけじゃ大して役に立たなくて、必要なのは知識を活かす知恵だし、知恵を活かす感覚だし、感覚を生かす技術だと思うんだよね。知識、知恵、感覚、技術、人によって重視するものは違うから、好きなものを選んでもいいんじゃないかな。

逆に、好きなものを選んだとしても他のものが疎かだと大して役に立たなくなってしまうんだよね。知識がなければ技術も頭打ちになるし、知識があっても技術がなければ何の役にも立たない。というか、間にある知恵と感覚があれば大体なんとかなるような気はする、少なくとも何かしらを活かすことはできてるからね。

そんなわけで、骨格矯正に関して個人的にはとりわけ知恵と感覚が必要なもので、知識や技術は実はそこまで重要ではないと思ってる。知恵という発想力と、感覚という分析力があればなんとかなるし、知識や技術として語れるものではないと思ったりはする。なんて言ったら大体のものがそうなのではって気がしてきちゃうね。


『まとめ』

・真ん中、前後左右均等、元の形、が最適であるとは限らない

・分析力と発想力があれば大体なんとかなる

・感覚を研ぎ澄ませたものが勝つ

・マッサージは楽しい


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