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麻雀の上級者とは

こんにちはえったです。
今回は真面目な麻雀記事です。

どんなジャンル、どんな分野にも上級者と呼ばれる人々はいる。
では麻雀の上級者とは何か?


私にはさっぱり分からないので今回は

交通量調査アルバイトの上級者について語ろうと思います。

まず交通量調査とは何かというと主に寒い時期に交差点とかでカチカチカウントしてるアレです。なんで寒い時期によくやってるかは私には分かりませんが考えた奴の頭がおかしいことだけは確かです。

若い頃お金がとにかくなかったので即金で賃金が頂ける、という条件が魅力的で交通量調査のアルバイトに応募することにした。
あと座って数えるだけなんで楽そうじゃないですか。

いざ集合場所に行ってみるとまあ社不の動物園のような光景なんですよ。当時はバカにしていましたが冷静になって考えれば私もそいつらと全く変わらないんですよね。完全に社不の一員です。

初めての勤務地は確か都心の大きな交差点だったと思います。
やっすいパイプ椅子に座って車種ごとにカチカチカウントするだけ。ギリギリちいかわでも出来そうなヌルい仕事内容。
しかも2時間やって1時間休憩。この仕事考えた奴神か?
知らんおっさんとコンビ組まされて交代でやっていく仕組み。
交通量が多いので正確にカウントするのは不可能だと途中で気が付く。コンビのおっさんは慣れた感じだったので交代の間際にどうしてるのか聞いてみた。

「えっ?何も見てないよ?適当に押してから寝てる」

なるほどこれが上級者か、と思った。

休憩から戻るとおっさんが見回りの人に説教されていた。
どうやらガチで寝ていたらしい。

それを見た私は適当に押しつつも起きてボーッとしていることにした。あいつは上級者なんかじゃない。ただの社不だ。
私は違う。交通量調査の上級者に俺はなる!ドン!

その後定期的に交通量調査をこなしていき、最大の敵は見回りではなく、寒さだということが分かった。
あと休憩時間の出費が凄まじい。近くにファミレスとかあるとオワリ。12時間勤務で給料が12000円、休憩が4時間あるので都度ファミレスに行っていると1/3くらいのお金が消えることもあった。

辺境の地の交通量調査なら出費が抑えられるのではないか?
試しに東京のはじっこの山間部の交通量調査に参加してみるとファミレスはおろかコンビニすらない。出費はないんだけど1kmくらい歩いてようやく自動販売機があるような僻地で絶望した。

その時の交通量調査は数人のパーティー組まされて私以外全員知り合いだった。最初の1時間くらいはみんな(何も通ってねーのに)カチカチやってたんだけどそもそも車がほぼ通らねーし見回りの人も来ない。やがて交代の時間になっても戻ってこない人が現れ始めた。寒さで死んだか?これだから素人は困る。交通量調査をナメるなよカス共…

「釣れた釣れた!!」

振り返ると釣竿とか携えたやつらがきた。
交通量調査のパーティーだ。

最初の1時間で見回りすら来ない僻地だと確認、あらかじめ用意した釣りセットで釣りに行っていたらしい。

「君も来なよ。つまんないでしょこんな仕事」

カス共が…お前らと一緒にするなよ…
私は上級交通量調査員だぞ…

「いいんですか!ありがとうございます!!!」

釣りに焚き火に今考えれば違法な気がするけど楽しかった。

その後は僻地の交通量調査にハマリ、友達と参加してトランプ、UNO、人生ゲームで夜通し遊んだり、交通量調査上級者への階段を確実に登っていった。

ある日の交通量調査の日
槍ヶ岳の交通量調査でもするんかこいつみたいな重装備のおっさんとパーティーになった。交通量調査に気合い入れすぎだろwwwと完全にバカにしていた。
交通量調査の上級者の見極め方は初動で分かる。

スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻さないように、ゆっくりとパイプ椅子を置くのが上級者のたしなみ。

華麗な動作で現場にパイプ椅子を置き、重装備のおっさんを見ると暗くて良く見えないけどなんかビニールシートみたいなの広げて棒のようなもの持って不審な動きしてるんです。バカかこいつは。パイプ椅子どこいったんだよ。これだから素人は…

バカは放っておいて自分の装備の確認だ。
カウンターに不備はないか、何をカウントするのかのチェックも怠れない。なんせ私のような上級者は開幕1時間でこの道路の交通量を全て読み切り、12時間分のカウントを一気に終わらせるからだ。

カンカンカンカンカンカン
街頭もろくにない僻地の道路脇の森に不思議な音が木霊する。
うるせえなこっちは集中してるんだぞと音のした方向を見やると、重装備のおっさんが地面になにかを打ち込んでいた。

「あ…あ……」

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キャンプだ


こいつは1秒も現場に立つことなく、テントの中でぬくぬく寝るだけでお金を貰う真のゴミ…いや"上級者"だ
現場を見切るのに1時間も1分も必要ない。場所だけで全て読み切っているのだ。ここは安全だと。

私の心はこの現場で完全に折れてしまった。この後も惰性で少し続けたが、満たされない空虚感が常につきまとった。
交通量調査の上級者には遠く及ばなかった。私には無理な世界だと思い知った。


交通量調査の上級者を目指す若者達にこの記事が役に立つことを祈っております。






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