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小2のチャレンジ

子どもたちが通うのは去年オープンしたHigh Tech Highの新設キャンパス。2018年秋からの初年度はまず高校から、それも9年生だけで始まりました。
2年目になる今年は、高校は9年生と10年生、中学はひと学年(6年生)のみ、小学校はキンダーから2年生まで、3学年でのスタートです。三男は現在の小学校の最高学年である2年生になりました。

今までの三男の教育言語環境はというと、2歳半までアメリカで保育園。日本に移住してからは日本の保育園で育ち、1年もすると日本語が圧倒的に強くなりました。4歳近くになり英語をあまり使わなくなってしまったので、週1で近所の英語教室に入れたところ、また少しずつ英語も話すようになってきました。就学年齢になってからは、兄たちが通っていた地元の公立小学校に入学。でも、この時点でアメリカへの帰国が決まっていたので、10月半ばから横須賀基地の中のアメリカの小学校へ転校し、6月上旬に学校が終わるまで在学。ここではESLのサポートも受けていました。

アメリカの学校も9か月ほど経験して、ESLで英語も学年相当レベルまでひきあげてもらったし、特に問題はないだろうと思っていましたが、本人はとても不安に思っている様子。そこで、学校が始まる数日前に先生と連絡を取って顔合わせのミーティングをしてもらいました。(ミドルスクールでは新入生オリエンテーションがありましたが、エレメンタリーの場合は8月上旬に先生と生徒が個別に会う時間が設けられていました)先生に会うために教室に行った際にも、三男はずっと静かにしていて、話しかけられてもほとんど聞き取れないくらいの声で答えていました。「先生に怒られるんじゃないか」という心配があったようで、今までの学校では先生が(本人的には)厳しかったんだな・・・ということを感じさせました。

実際に学校が始まってみると、2週間ほどはほぼ毎朝「学校に行きたくない」と言っていました。朝はみんなで一緒に車で学校に来るのですが、教室の前まで来るとなかなか私たちと離れたがりません。新しい環境に慣れるまでは内気な性格の子で、実際に日本の小学校に入ったときも、最初のうちはとても時間がかかりました。入学式の翌日は「今日はママは来ないの?」と言って、学校まで一緒に行ってみても、手を放したがらず、最後は廊下まで追いかけてきて泣いていたこともありました。そういう過去の経験もあったので、私はあまり深刻にはとらえずに、毎朝のように教室の前でハグをしたり、放課後の約束をしたりで、なんとか送り出してきました。ある日「バイバイして教室に入ってから、どのくらいで笑顔になるの?」と聞いたところ、「5分くらい」という返事。先生に話を聞いても、私たちが去った後は元気に参加しています、ということだったのでそれなら大丈夫かな、と楽観的に考えていました。

そして少し経ったある日、寝る前にいろいろ話していたら、実はクラスのある男子がランチ前の整列の時などに三男が並んでいるところにやってきて、どけ、と言ってたたいたりする、と話してきました。それが2週間ほど毎日のように続いているとのこと。私も兄ふたりも初めて聞く話にびっくりして、それでどうするの?と聞いたところ「仕方ないから列の後ろに並ぶ。ぶたれたくないから」という、兄たちには驚愕の返事でした。先に並んでいるのだから三男が列の後ろに行く必要はないし、何かされたら「やめて」と大きな声で言う、などの対策を本人とじっくり話し合いましたが、その子のことを怖がっている様子だったので、先生に相談することにしました。その晩に早速メールをし、翌日のお迎えのときに先生と話をしてみました。

先生は話を聞いて、"It's not OK(それはあってはならないことです)”。 早速対応します、との返事でした。ちょっかいを出していた子と三男は同じグループで席が近かったのですが、翌週は離れた席になっていました。また、先生からは「何か心配なことがあれば、ぜひすぐに伝えてください。私にだけでなく、校長先生にも相談していただけたら、私の方にもサポートが必要ということを理解してもらえますので」と言われました。実は三男の先生は大学を卒業した後おそらく新任と思われる女の先生で、最初の2週間ほどは彼女も本当にいっぱいいっぱいなような印象でした。現在はHigh Tech Highの教育大学院で引き続き学んでもいるそうです。

翌週にはこの件はほぼ解決したようで、もうぶたれたり、横入りをされたりすることはなくなりました。ただクラスの中で大声を出したり、先生の言うことを聞かない子たちがいてうるさいことがある、とのこと。教室の机の上にはノイズキャンセリングのヘッドフォンがいくつか置かれたりしています。もしかすると、特別なサポートが必要な生徒もいるのかもしれないな、と、担任の先生の言葉を思い出しながら、High Techスクールのインクルーシブ教育という方針について校長先生にも話を聞いてみようと思いました。

ちなみに、三男が「学校に行きたくない」と言っている時に「せっかくHigh Techに行けるんだから・・・」という思いがよぎったこともありますが、子ども(特に小学校の低学年の子)にはHigh Techスクールがどうスペシャルなのかはまだよくわからないだろうし、親の思い入れは実際に通っている子どもたちの経験とはあまり関係のない話だな、とも思い直しました。あれから少し時間が経ち、お友達もできたようで、今は三男は元気に学校に通っています。校長先生とのミーティングについてはまた機会を改めて書きます。

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