歌舞伎家話 中車さんと花形達

SNSでは比較的好意的な感想が多い。ファンの方々が見るんだから当たり前だね。
人気花形の児太郎君、巳之助君、米吉君がゲスト。
中車さんは頭が良いけど司会には向かない。

そしてその頭の良さで若手達にいじられる役に回る。辛口の米吉君みっくんコンビにいじられ児太郎君ぼそりと面白い一言を放つ。作為的にも見える流れが最初は結構ツラかった。
 後半は4人の話も噛みあいそれなりに面白いと言うか私的には想定通りの会話が続いた。年齢は随分下だが芸歴は先輩の若手に必要以上に感謝を述べ若手達も中車さんの努力にリスペクトを表現する。
歌舞伎役者になられて既に8年の中車さん。その役者人生の成長は目を見張る物がある。ここ3年ほどは努力が実を結び歌舞伎俳優としても映像の俳優としても大輪の花を咲かす素晴らしい成果を出されてる様に思う。
他所からいきなり来られたのに猿翁さんという後ろ盾のある御曹司はずっと舞台の真ん中で悪戦苦闘してた。傍目には恵まれた環境に見えてもいきなり主役ばかりをやり続ける苦悩は凡人には計り知れない苦悩だったろう。
そこを乗り越えられたのだから遅れて来た歌舞伎俳優としての立ち位置で若手にいじられるトークはもう終わりにして良いんじゃないかと感じた。15000円から19000円くらいの高いお切符を買って彼の成長ぶりを観てきた歌舞伎ファンとしてはあの役は出来て無かった、手も足も出なかったと過去を振り返られるのもいかがなものかと感じてしまう。
 そして気になったことがもうひとつ、浅草で米吉君が体調不良で倒れかけたという話。状況の説明を聞いてそれでも舞台に穴を空けられない歌舞伎俳優の熾烈な環境に同情を禁じ得なかったが、その後でみっくんが「前日にみんなでお呼ばれがあってお刺身が出てたんだけど、翌日の朝からお腹が痛くて楽屋でお腹の痛いやっていないか?」って聞いたんだけど、米吉君は大丈夫っていってたら吐いたと言う話の流れ。
ヒヤッとするトークだ。ご贔屓なのかスポンサーなのか俳優達を招待した側が聞いたらどんな気持ちがしただろう。大事に至らない食中毒だったのだろうと想像するが、幸い大事に至らなかったのならこの様な場で披露する事柄ではないだろう。大昔の話なら兎角も今年の出来事だ。内輪輪話を漏れ聞くのは秘密を共有するようでとても楽しいが内容のさじ加減が難しいと感じた。
紀尾井町家話できおいちょが若手に吐く毒と聞き役としてのきおいちょの博学さ。ゲストのお父さん達へのリスペクトやエピソード。笑いをまぶしながら泣ける芸談も聞ける楽しさを思うと少し苦い物を感じてしまった。
ついつい比べてしまったが、超人気者の中車さんに児太郎君、巳之助君、米吉君とこれまた人気の若手花形達のトークは楽しかったし、児太郎君のお父様とのエピソードに胸を熱くさせて貰って、児太郎君が中車さんの陰の努力をさらっと紹介し、最後に真心のこもった挨拶をしてくれた児太郎君のおかげで有料配信の元は取れた。改めて児太郎君の良き人柄の一面に触れた思いだ。
 きおいちょが紀尾井町家を始めそして続ける気持ちになったのは歌舞伎が出来ない今、松竹の若手社員の有志がなにか発信したいとはじめた家話、有志の心意気に打たれて紀尾井町家話をできるだけ毎週続けてたいと言う熱いきおいちょの男前さを知り、歌舞伎家話も紀尾井町家話も出来るだけ視聴したいと思う。しかし、Zoomの安定しない音声とe+さんのサーバートラブルが毎回ネックだ。Zoomで編集された作品はそれなりだがZoom生配信にこだわる理由はどこにあるのだろう。そしてアーカイブの短さも何とかもして欲しい。
 猿之助さんも登場する図夢歌舞伎が成功する事を強く願ってやまない。
#歌舞伎家話 #中車家話 #中村児太郎 #市川猿之助

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