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KUNIOグリークス

猿之助さんのご縁で知った新進気鋭の演出家杉原邦生さん。
現在新橋演舞場で上演されてる『新版オグリ』はスーパー歌舞伎Ⅱ初の演出を手がけた。猿之助さんと共同演出だが邦生さんがまず演出をつけ猿之助さんが歌舞伎に変換していくと言う方法で完成したそう。

さて、グリークスだが上演時間が約10時間

Wikipediaによる説明では
イギリスの演出家ジョン・バートンと翻訳家ケネス・カヴァンダーが、10本のギリシャ悲劇をひとつの長大な物語に再構成した舞台作品。3部構成になっており、上演時間は9~10時間に及ぶ大作である。原題は「ギリシャ人たち」の意。 

となっているがギリシャ人とトロイアの戦いをベースにゼウス、アポロンなど神話の様々な神々と人間との関係。神と人、宗教と人間を悲劇の中で考える物語。私の解釈だけど。

邦生さんは演劇に関わる前に蜷川幸雄さんのグリークスを観て衝撃を受けたらしい。当時の配役を見ると豪華、平幹二朗、白石加代子、寺島しのぶ、菊之助等々豪華なキャストだ。
こってりとまがまがしい芝居だったことだろう。
そんな芝居を観ていつか演出したいとあたためてもいたと言うのだから凄い。今回の美術、構成、演出は邦生ワールド全開。
木下歌舞伎に関わり、亀治郎の会から猿之助さんと交流があり『池袋ウエストゲートパーク』ではダンスミュージカル。木ノ下歌舞伎はまだご縁が無いがいつか必ず観てみたいと思わせる。
過去も現在も自由自在に行き来するグリークスの邦生演出。
昨日11月10日の春秋座公演は1日のみで本格公演はKAAT神奈川芸術劇場でKUNIO15「グリークス」として11月21日から11月30日まで上演される。

アガメムノン……………天宮良
クリュタイムネストラ…安藤玉恵
テティス…………………本多麻紀[SPAC-静岡県舞台芸術センター]
ヘレネ……………………武田暁[魚灯]
アンドロマケ……………石村みか[てがみ座]
アイギストス……………箱田暁史[てがみ座]
メネラオス………………田中佑弥[中野成樹+フランケンズ]
アキレウス………………渡邊りょう
ブリセイス………………藤井咲有里
ピュラデス………………福原冠[範宙遊泳]
タルテュビオス…………森田真和
オデュッセウス…………池浦さだ夢[男肉 du Soleil]
エレクトラ………………土居志央梨
エウクレイア……………河村若菜[SPAC-静岡県舞台芸術センター]
ヘルミオネ………………毛利悟巳
カッサンドラ……………森口彩乃
ニテティス…井上夕貴[さいたまネクストシアター|PAPALUWA]
クリュソテミス…………永井茉梨奈
ポリュクセネ……………中坂弥樹
オレステス………………尾尻征大
イピゲネイア……………井上向日葵
岩本えり
三方美由起
アステュアナクス………山口光
ヘカベ……………………松永玲子[ナイロン100℃]
プリアモス………………外山誠二[文学座]
老人………………………小田豊

ストプレに詳しく無い私には顔だけは知ってる俳優、初めましての俳優、テレビでおなじみの天宮良さんを舞台で観るのは逆に初めて。こんなに声量豊かで大きい芝居をする人だとは思わなかった。
安玉ちゃんは『命、ギガ長ス』で演劇小僧の様なコミカルな演技をする人だとは初めて知ったが、今回は彼女のスパイスの効いた芝居が要所を締めると感じるか解放と感じるかは観る人次第。
それぞれ居場所の違う俳優達を見事に調和させる邦生ワールドは観る者を飽きさせない。

三部構成で10幕。セットも衣裳も『新版オグリ』を観ている私には馴染みやすい物だった。展開は過去と今とがない交ぜ。笑いを誘うかと思えば深刻。音楽だって和洋を越える、何もかもが縦横無尽。

どこをどう越えてるのかはぜひ自分の目で確かめて欲しい。
お尻と腰は痛いけ高速で進む芝居。一部で忘れそうになったクエスチョンは三部できっちり回収される。意外な展開もあったりするが今は内緒。KAATではもっとブラッシュアップされるはず。
10時間と聞いてちょっと尻込みしたのだが、歌舞伎の通し公演を考えたら、さほど時間的には変わらないなと考えた直した。この機会を逃さず観劇出来て良き衝撃を受けた。
そして、KUNIOグリークスの成功を確信した一日だった。
邦生さんに出会えたのも猿之助さんのご縁。
感謝、感謝。
#KUNIOグリークス
#市川猿之助



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