猿之助さんと藤間宗家

昨日は藤間宗家のYouTube動画に待ちに待った動画がアップされた。
2016年に京都・京都芸術劇場 春秋座で行われた物だ。振付などは宗家のYouTubeで解説も詳しくされているのでじっくりと見て欲しい。
三社祭は一回だけ大阪公演をしてくれた松也君の自主公演「挑む!」で澤村國矢さんとつーたん事、市川蔦之助さんを見たのが2017年、2018年にワンピース歌舞伎で集まったお家を越えた名題下の自主公演「ひとつなぎの会」で市川右左次さん、右田六さんの三社祭。宗家と猿之助さんの三社祭は軽やかに表情も豊かにしかも手数が多いのに手先は綺麗。足はステップをふむが如くなのにドタバタせず軽やかなのだ。ただただみとれてしまう素踊りの妙技。
後に観た二組の三社祭を観てこれは半端なく大変体力と技量が必要な舞踊だと感じ入った。それほど猿之助さんと宗家の素踊りはいとも易々と三社祭を手の内に入れていたのだろう。とにかく猿之助さんの表情と身体の線が美しいのでお時間がある方は是非観て欲しい。
もう一つは猿之助さんのInstagramだ。#獨道中五十三驛 はなんと一人で十八役を勤めたと言う早替りのおもだか屋の中でも突出した役の多さだ。十八役なので替る回数は一体何十回あるのか私などには数え切れないが、その早替りの裏側をInstagramの動画でアップしてくれている。襲名後、猿之助奮闘公演で2カ月続けての公演で #獨道中五十三驛 も初演に戻して十八役を駈けぬけた作品。#三代目猿之助四十八撰 の一つである。

思い出深い舞踊と作品が、図らずも映像で見られて何と嬉しい事か。歌舞伎の幕は開くのだろう。緊急事態宣言が解除されてもコロナ感染が次々と報告される。

10月3日4日と三社祭を踊った宗家と猿之助さんで春秋座で舞踊公演がある。どうぞ舞踊公演が観られますように。今年は東京まで遠征出来る気がしない。
11月の歌舞伎座は猿之助さんの出演もあるかも知れない。いや、團十郎襲名が延期されたので座組も変わるかも知れない。南座の吉例顔見世に襲名以来の猿之助さんが来てくれないかな。

歌舞伎ファンはどんな形で歌舞伎が再開出来るのか固唾をのんで息をひそめて待ちわびている。
幸四郎家話や、壱太郎君の歌舞伎クリエイション、若き歌舞伎俳優達のインスタライブと様々な工夫を込めてファンサービスをしてくれてそれぞれに興味深い。しかし隔靴掻痒、画面で隔てられたもどかしさ。ああ、同じ空間で息をしたい。同じ空間で熱を感じたい。その全てを断ち切る #コロナ が憎い。

もうしばらくは皆さんの工夫を凝らした映像に感謝して我慢しよう。
今日30日は十八世中村勘三郎さんのお誕生日だとか。幕の開かない歌舞伎座を一番心配されてるかも知れない。

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