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新版オグリ 博多座

「新版オグリ」の博多座初日は4日、ようやく私自身の初日。2月7日 昼の部公演。

SNSでも話題になったが大幅な変更で驚くばかりだ。しかし、新橋演舞場で納得が得られなかったロマンの病が一気に際立つ仕上がり。

あんな場面、こんな場面をカットするのかと驚く半面、鷹之資君が竹松君に代わって小栗一郎を演じるに当たり大ちゃん(鷹之資)の見せ場を作ってる猿之助さん。やはり削るのは自分の台詞と場面。

始まったばかりの博多座公演なのでどこがどうって書けないが若手の気持ちを尊重してチャレンジさせる。その上で梅原猛さんと三代目猿之助さん(現猿翁)が作り上げたテーマがくっきりと浮かび上がるストーリーになっている。宗教と人の関係性を昇華させる。愛の浮華さも教えてくれる。きらびやかな衣裳やこれでもかと言うアクションでエンタテインメント度を盛り上げる。本水は完全にアトラクション状態。マッピングも音響も博多座は素晴らしい。客席通路を使う踊りも強化され舞台と客席の距離を縮める演出。

猿之助さんの潔い変更は劇的な進化だ。
三部の餓鬼病は猿之助さんの真骨頂。ここでも若手が活躍する。新加入の高橋洋さんがあらゆる場面で様々な演技と表情を見せてくれる。

そうそう、はーちゃん遊行上人(中村隼人)が花道で編み笠を外して顔を見せた瞬間、私の隣のマダムグループから黄色い吐息が漏れた。その美しさは神々しさを増している。そして台詞の呼吸を手に入れていた。隼人君の進化も超特急なみだ。若手俳優達が眩しい博多座の舞台。おはちゃんは本当に元気を貰える。

日を追うに連れ盛りあがるのだろう。2階や3階のお迎え席でも観てみたいが博多座では叶わない。
前楽の猿之助遊行上人と千穐楽はありがたい事に水被り席だ。
その日まで今しばらくはSNSの歓喜の感想でこの身を癒そう。
オグリの波瀾万丈な生き方に人生を重ねてみたり。
「忘己利他」の境地にはほど遠い私だが、歓喜はその先にあるのか


#市川猿之助 #新版オグリ #博多座

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